フジテレビが開局以来初めての営業赤字に陥ったそうです。やはり視聴率低下による広告収入減が大きいのでしょうね。フジテレビだけでなく民放大手5社の視聴率は以前から減少傾向にあります。
視聴率の低下には構造的要因があると言われています。
・インターネットメディアの成長。ネットを通じた広告産業の成長。
・動画投稿サイトの拡大、ワンセグ放送の開始、テレビCMにおけるwebサイトへの誘導。
構造的変化を迎えたテレビ業界にとっては、新たなビジネスモデルの構築と広告収入依存からの脱却が課題と言われています。「と言われてもね・・」というのがテレビ業界の方々のホンネかもしれません。(笑)
このテレビ業界と自動車業界もある意味似ているのでは? と思いました。つまり、両方とも過去に右肩上がりの華やかな経験があり、現在は右肩下がりというところです。このことをテレビ業界も自動車業界もその中で働いている特に比較的若いこれから働き盛りという人達は実感されていて、切実な問題だと思います。
考えてみると、華やかな右肩上がりを経験し、その後にバブル崩壊、リーマンショックなどがあって、右肩下りになっても、もともとの右肩上がり体質を大きく変えることなくやってきたように思います。ただ近年とうとう、それが限界にきてしまったということかもしれません。つまり、時代は変わっているのです。当たり前のこの事を今真摯に考えるべきではないでしょうか?
そんな中ですが、今回の第44回東京モーターショーは盛会に終わることができて、まずは良かったと思います。
●「きっと、あなたのココロが走り出す」をテーマに、「世界一のテクノロジーショーケースを目指す」
●合計160社が参加。ワールドプレミア75台、ジャパンプレミア68台を含む417台を展示。
●主催者テーマ事業“SMART MOBILITY CITY 2015”で、「もっと自由に・・・クルマが変わる、くらしが変わる、社会が変わる。」をテーマに、2020年に向けた東京の進化と、先進の都市システムの展示や映像紹介。
●また国際シンポジウムとして、日本自動車工業会(JAMA)の「自動運転ビジョン」を発表。
●「プロの運転による乗用車同乗体験試乗会」、「二輪車試乗会」、「東京モーターショーシンポジウム」、「自動車ジャーナリストと巡る東京モーターショー」など、来場者参加体験型の企画。
●初めて東西展示棟間の無料シャトルバスを運行する来場者サービスを向上。
●東京ビッグサイト会議棟をスクリーンとしたプロジェクションマッピングの実施。
●「東京モーターショー60周年記念パレード」
●お台場エリアの「東京モーターフェス2015 with みんモー」に自動車工業会が後援。
こうやって主な施策を整理すると多くの施策が実行されていますね。結果、来場者満足度も91.0%(前回:87.3%)。次回の来場意向も89.2%(前回:86.7%)となりました。
しかし、来場者数で見てみると・・・開催期間等の条件は異なりますが、ピークの1991年の第29回201万8500人までは順調に右肩上がりでした。その後バブル崩壊とともに右肩下りになり、リーマンショック後の09年には61万4400人まで落ち込みました。そして今回は前回比90.0%の81万2500人です。
つまり最盛期の約40%、バブル後最低値の約64%と完全な右肩下がりとなっています。来場者数が減っているのに満足度が上がっているということは「オタク化」というと言い過ぎですが、方向的にはそういうことかもしれません。もちろん、来場者数が全てではありませんが、今回の多くの施策も来場者数を上げるには至らずという結果です。次に、現状から見える右肩下がりについてお話しましょう。
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