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水平対向じゃなくてもスバルらしさはある? 新型SUV「ソルテラ」に込められた新たな価値とは

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水平対向じゃなくてもスバルらしさはある? 新型SUV「ソルテラ」に込められた新たな価値とは

■スバルとトヨタの共同開発第2弾は「EV」

 スバル初のグローバルEVとなる新型「ソルテラ」が2021年11月11日に世界初公開されました。

【画像】新型「ソルテラ」と新型「bZ4X」を見比べる(34枚)

 ソルテラは、アライアンスパートナーのトヨタとの共同開発で実現しました。両社のアライアンスは2005年にスタートし、2019年には新たな資本業務提携を発表。これまでのトヨタとスバルを超える「もっといいクルマづくりの追求」にむけて、その関係を進化させました。

 ソルテラは、2021年に発売されたトヨタ「GR86」、スバル新型「BRZ」に続く、スバルとトヨタの共同開発の第二弾となります。なお、トヨタでは新型「bZ4X」として市場投入されます。

 スバルの強みとトヨタの強みをそれぞれが持ち寄り、お互いの技術者が切磋琢磨することで「本当にいいクルマ」が完成したといますが、新型ソルテラにはどんな特徴があるのでしょうか。

 ソルテラ(SOLTERRA)という車名は、ラテン語で太陽を意味する「SOL」、地球大地を意味する「TERRA」を組み合わせた造語です。

 EVならではの新しい価値や、スバルの「安心と愉しさ」という価値を持ち、日常的に不安なく使うことができるクルマを目指しました。

 水平対向エンジンや「シンメトリカルAWD」ではないモデルとあって、スバルらしさがなくなるのではないかという声も聞かれますが、EVであっても現在のスバル車と同じような安心感やコントロール性を実現すれば、スバルらしいEVができるという発想が原点にあったといいます。

 新型ソルテラが提供するEVならではの新しい価値のひとつは、次世代のクルマらしい「先進感」です。

 新型ソルテラは、スバルらしさを先進的なデザインで表現。スバルを象徴するヘキサゴングリルをシームレスな造形とすることで、EVらしいエネルギー効率の良さを表しています。

 グリルから始まる水平軸の通った力強いボディ、ボディの内側から張り出すダイナミックなフェンダーは、SUVらしい力強さとAWD性能を主張。

 また、スバルのアイデンティティであるCシェイプを採用したヘッドランプには、初となる複数プロジェクターによるロービームを採用して先進性を表現しました。

 インテリアは、高さを抑えたインパネ造形と、ステアリングホイールの上から見るトップマウントメーターで前後への広がりと開放的な空間を実現。

 また、モジュールコクピットによる運転の愉しさを表現するとともに、シームレスなコンソールは操作性や収納などの機能にもこだわりました。さらに、大きなガラスルーフは開放感を一層高めます。

 デザイン以外にも先進的な機能を盛り込んでおり、なかでも代表的なものはスバルとして初めて採用した「全自動駐車支援機能」で、ステアリング、シフト、アクセル、ブレーキ操作をシステムで制御し、すべて自動で駐車をおこないます。

 そして、従来のガソリン車にはない、モーターで走るEVだからこそ実現できる新しい価値として、コンパクトなモーターユニットである「eAxle」を採用。

 eAxleが生み出す新次元の走りは、低速から最大トルクをレスポンス良く発揮し、発進時の出足の良さや踏み増したときの力強さ、アクセル操作に対するレスポンスの良さ、シームレスな加速など、EVならではの走りが楽しめるといいます。

 また、ロングホイールベースにより、前席・後席ともに乗員の足元空間を大幅に拡大しました。

 そして新しい価値となるのがコネクティビティの強化です。

 新型ソルテラは、12.3インチの大画面を持つマルチメディアシステムを採用。Apple CarPlayやAndroid autoを使用する際のスマートフォン接続にはワイヤレス方式とし、スマートフォンの充電に使える、非接触式充電器も装備します。

 さらに、スマートフォンをクルマのキーとして使えるデジタルキー機能もあり、ドアのロックやプッシュスタートによるクルマの起動が可能です。

 また、全自動駐車支援機能では、車外からスマートフォンを使って操作することもできます。

 加えて、スマートフォンアプリにより、窓の開閉やドアの開施錠予約、空調の設定などをリモート操作可能とするなど利便性にも配慮しました。

■EVへの不安や不自由さを解消する対策とは?

 新型ソルテラは、スバルらしい走りの愉しさを提供することにもこだわりました。

 走りの愉しさという期待に応えるために、EV専用プラットフォーム「e-SUBARU GLOBAL PLATFORM」を新開発。

 このプラットフォームはスバルグローバルプラットフォームの知見を活かし、EV用に開発したもので、バッテリーを最大限搭載してさらにバッテリー自体を骨格の一部に活用することで、従来以上の強度・剛性を確保しています。

 そして、操縦安定の向上に貢献し、意のままに操れるスバルの走りを実現しました。

 また、アクセル操作に対する出力特性をコントロールするドライブモードには、「エコ」「ノーマル」「パワー」の3つのモードを設定。これまで以上にアクセルに忠実に反応して気持ちよく加速するスバルらしい走りを作り込んでいます。

 どんな路面でも安心して走るためにAWDにこだわり続けてきたスバルは、新型ソルテラにもその技術を注入しました。

 前後輪をそれぞれ別のモーターで駆動する新たなAWDシステムを採用し、前後駆動力配分の自由度を高めました。これにより、四輪のグリップ力を最大限に使え、安心感の高い走りを実現。

 パワートレインもシンメトリカルのレイアウトにして、これまでのスバル車同様、直進安定性の高い安心な走りを可能にしています。

 さらに、スバルがSUVモデルに採用してきたAWD制御システム「X-MODE」と、新たに開発したグリップコントロールを採用することで、悪路における操作性に磨きをかけました。

 また、スバルが安心と愉しさを提供するうえで欠かせないのが安全性です。EVでは重量部品である電池をキャビンに配置するため、衝突時に求められる各部強度がガソリン車とは異なります。

 新型ソルテラは各部位の形状の工夫や材料強度を最適化することで、ボディを軽量化しながら高い衝突安全性を実現。

 加えて、EVでは万一の事故の際、高電圧の電気部品も守ることが求められます。バッテリーを剛体として活用した堅牢なボディ骨格構造に加え、衝突の際に複数の骨格に荷重が流れるように構造を組むことで、効率的にエネルギーを吸収し、乗員はもちろん、各電気部品も守ります。

 また、適切な骨格配置と強度マネジメントにより、衝突事故発生時の相手車両への加害性を低減することにも配慮しました。

 使い勝手として荷室のスペース確保にこだわり、ゴルフバッグ4個、大型のスーツケース3個を積載することができます。後席を倒せばマウンテンバイクも車内に積めます。また、荷室床面の高さを低く抑えることで、積載時の利便性も考慮しています。

 室内は、シフトバイワイヤを採用することで生まれた空間を活用して、センターコンソールの収納スペースを確保。なお、シフトはダイヤル式となります。

 EVはガソリン車に比べると不安を感じるといわれることがあります。とくに多いのが航続距離やバッテリーに関する不安です。

 新型ソルテラは大容量のバッテリーを搭載。日常的に使用する距離を十分カバーできる航続距離を確保。DC急速充電にも対応し、短時間の充電で長距距離移動の際の不自由さを軽減します。

 空調に関しても、少ない電力で素早く暖まるシートヒーターやステアリングヒータに加え、消費電力の少ないヒートポンプ式のエアコンを採用。航続距離への影響を最小限にとどめました。

 バッテリーの劣化対策では、電池の材料や電池制御の工夫により、10年後でも十分な電池容量を維持できるようにしています。

 EVの不自由さを解消したソルテラは、ユーザーに不安なく選んでもらえるEVに仕上がっているといいます。

※ ※ ※

 兄弟車である新型bZ4Xと新型ソルテラが違うところは走りとデザインです。

 デザインではそれぞれ独自の意匠としており、前述のように、新型ソルテラは六角形のフロントグリルとCシェイプ(コの字)のヘッドランプとリアコンビランプでスバルらしさを表現しています。

 デザイナーがトヨタに出向し、フロントやリアはスバルのデザイナーが手掛けることで実現したといいます。これにより、ボディカラーや内装色もスバル専用色を用意しています。

 また、トヨタは異形ハンドルの存在を明らかにしており、まずは中国で販売するモデルに搭載することになっています。

 新型ソルテラは丸形ハンドルで、異形ハンドルは現時点では設定されていません。開発者によると、「採用しない」と決めた訳ではなく、今後設定される可能性もあるとのことです。

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