BMW3シリーズのベーシックモデル、320i(SE)の2013年型に乗って丸5年。クルマを買い換えるか車検を通すかで悩んでいる筆者が、次期愛車候補について考えた。SUVもミニバンも好みではない人のためのクルマ選びとは。TEXT & PHOTO◎鈴木慎一(SUZUKI Shin-ichi)
いま世界的に人気が高いのは、クロスオーバーも含むSUV系である。だからといって、誰もがSUVが欲しいわけではない。かくいう私(MotorFan.jpをはじめとする三栄書房の編集局長・50代前半♂)もそうだ。ミニバンも必要なし。セカンドカー(が持てる余裕はないが)ならオープンカーやクーペがほしいが、1台ですべてをこなす必要があるので、ここはやはり4ドアセダン、あるいは5ドアハッチバックである。
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現在の愛車はBMW320i(SE)。このBMW320iに至るまでの21世紀に入ってから車歴は、アルファロメオ156セダン(V6)、アルファロメオ156セダン(ツインスパーク)、シトロエンC4である。
さて、BMW320iの次のクルマ選びで、個人的な条件を書き並べてみた。
・ボディサイズは、現行3シリーズより大きくないこと(ちなみに、現行3シリーズのボディサイズは、全長×全幅×全高:4645×1800×1440mm)
・SUV、ミニバンはパス。4ドアセダン、5ドアクーペ、5ドアハッチバック
・トランスミッションは、AT、DCT。MTも可
・国産・輸入車は問わない
・パワートレーンは、ガソリン、ディーゼル、HEV、PHEV。(EVはパス)
・駆動方式は問わない。けれど、気持ちは若干FRに向いているかも
・燃費は、もちろん悪いより良い方がいい
・価格は……買い方(残価設定ローンなど)、値引き(年末期狙いなので)など条件がさまざまなので、とりあえず横に置いておく
といったところだ。
さらに言えば、
・とくにスポーティさは求めない。
・内装は本革でなくファブリックの方が好み
・ハンドルは変形(D型など)ではなく、丸型がいい
といった、細かい希望もある。
その条件で、候補車を挙げてみた。
まずは、アウディA3セダン
アウディA3セダン 40TFSIクワトロ 車両価格●421万円
ボディサイズ全長×全幅×全高:4465×1795×1405mm
エンジンは、2.0ℓ直4直噴ターボ(190ps/320Nm)、トランスミッションは7速DCT。駆動方式はフルタイム4WDである。FFモデルには、300TFSIという1.4ℓ直4直噴ターボエンジン搭載モデルもあるが、「アウディならクワトロを選ばなければ」という固定観念が僕にはある。ゴルフならFFでいいのだが……(個人的な考えです)。
ここで、なぜA4を挙げないかといえば、ボディサイズが、全長×全幅:4735×1840mmとなって、サイズオーバーになってしまうから。また価格もクワトロになると600万円オーバーになって、ちょっと手を出しにくい。
アルファロメオ・ジュリア・ヴェローチェ 車両価格●587万円
ボディサイズ全長×全幅×全高:4655×1865×1435mm
エンジンは、2.0ℓ直4直噴ターボ(280ps/400Nm)でトランスミッションは、もっとも信頼していてもっとも好きなZF製8HP(8速AT)。156を2台乗り継いだ経験からアルファが楽しいのは充分にわかっている。デザインも素敵。ボディの長さは10mm、幅が65mm、現行3シリーズより大きいが、それよりも、燃費(JC08モード燃費)が12.0km/ℓで使用燃料がハイオクというのが、気になる(現行320iは、16.0km/ℓで使用燃料はハイオク)。
BMW118(iかd)118iスポーツ 車両価格●364万円
ボディサイズ全長×全幅×全高:4340×1765×1440mm
エンジンは、1.5ℓ直3直噴ターボ(136ps/220Nm)でトランスミッションは、これまたZF製8HP(8速AT)。118d(ディーゼル)だと2.0ℓ直4ディーゼルターボで150ps/320Nm。価格が118dスポーツで389万円になる。
1シリーズは、これもモデル末期に入っているが、このサイズで後輪駆動(FR)というのは、もう二度と登場することがなさそうなパッケージが魅力。実際に、3気筒の118iに乗ったとき、そのさわやかで楽しい乗り味に感動したのだ。
BMW320dスポーツ 車両価格●585万円
ボディサイズ全長×全幅×全高:4645×1800×1440mm
エンジンは、2.0ℓ直4ディーゼルターボ(190ps400Nm)でトランスミッションは、ZF製8HP(8速AT)。「i」から「d」への乗り換えなら、ボディサイズや使い勝手はまったく変わらず。ガソリンからディーゼルで、JC08モード燃費が16.0km/ℓから21.4km/ℓ。燃料がハイオクから軽油へ変わるので、維持費は断然安くなりそう。先進安全装備も進化しているだろうし、なにより最終型だから完成度は高そう。
ここでメルセデス・ベンツCクラスが出てこないのは、ボディサイズ(全長×全幅:4690×1810mm)が少し大きいこともあるが、メルセデス・ベンツというブランドに対する畏怖の念(ちょっと大げさ)があって、僕ごときがメルセデスに乗るなんて……という想いがあるから……と言っておこう。
輸入車にばかり目を向けているわけでない。
一番気になっているのは
次期マツダ3(アクセラ)
これは、もう当サイトでもたくさん取り上げているから、説明の必要もないだろう。デザインも素晴らしい。SKYACTIV-Xエンジン、SKYACTIVビークルーアキテクチャーによるシャシーも楽しみ。MTも選べる。ハッチバックもセダンもある! 価格は未発表だが、急に2倍になることもないだろう(若干価格上昇が予想されるが)。
もう一台は
ホンダ・シビックタイプR 価格●450万360円
ボディサイズ全長×全幅×全高:4560×1875×1435mm
エンジンは、2.0ℓ直4ターボ、トランスミッションは6速MTだ。駆動方式はFF。ここでなんで急にタイプRなの?と思うのは当然だと思う。しかし、シビックタイプRは、乗った人全員が絶賛しているのだ。外観がこれみよがしなことを除けば、これも立派な5ドアハッチバック。とにかく、クルマがしっかりしていて運転が楽しいという。周囲の編集者、ジャーナリストはもちろん、辛口で定評のある福野礼一郎さん(Motor Fan illustratedで『ニューカー二番搾り』を連載中)も、『福野礼一郎の新車論評3』のなかでシビックタイプRを絶賛していた。(スタイリングを除く)
もう少し大人っぽくて後ろに羽が生えてなければ、これはもう候補に挙がる。
年末のお忙しいところ、個人的なクルマ選びの記事で時間を浪費させてしまって恐縮です。
このなかで、僕が選んだのは……
BMW320dスポーツ
でした。価格(12月年内登録という条件が付く)も魅力的だったが、モデル末期(という言い方より「最終型」と言った方がスマートだということに気づいた)の完成度の高さ、ディーゼルエンジン車に一度は乗ってみたい、トルキーなエンジンと燃費が魅力、「i」から「d」への乗り換えだから、使い勝手はまったく変わらず。最終型ゆえの装備の充実も選ぶ理由のひとつだった。
マツダ3は、日本発売が2019年春になるため、現在のマイカー320iの車検を取らないといけない。タイプRは魅力的なのだが、やはりその外観が……そもそもサーキット走行はおろか、プライベートでワインディングを攻めることもない。通常は都内の通勤か高速での長距離移動となるとタイプRも宝の持ち腐れ、となりそうだ。
アウディA4セダンクワトロもかなり気になったのだが、ハンドルが丸くないのだ。というのは、ちょっと冗談だが、なにかもうひとつピンとくるものがなかった。近くの教習所の教習車にA3セダンが使われているのをよく見かけるから……というわけではないのだが。
アルファロメオ・ジュリアは、相変わらず「アルファはかっこいいなぁ」と思わせてくれる。燃費なんて、いいじゃん、カッコいいんだから!と言い切れるほど、もう若くないし、クルマにかける時間やエネルギーが30代、40代より格段に減っている現状を考えると、ちょっと手を出しにくい。
最後まで迷ったのは、118d。コンパクトでFR、そしてディーゼル。とても良い。3から1へ、というダウングレードも気にならない。けれど、やはり1より3が先進安全装備などが充実しているのだ。
というわけで、2018年末ギリギリに納車と相成った、BMW320dである。
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