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ワゴンユーザーから注目を集めた3代目トヨタ・アベンシス【10年ひと昔の新車】

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ワゴンユーザーから注目を集めた3代目トヨタ・アベンシス【10年ひと昔の新車】

2011年6月、3代目となる(国内では2代目)トヨタ・アベンシスが日本市場に上陸した。アベンシスはイギリスで生産される「欧州車」であり、当時、日本では車種が少なくなったミッドサイズステーションワゴンの貴重な選択肢として注目を集めた。ここでは上陸間もなく行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2011年10月号より)

国内2代目として登場したアベンシスはワゴンのみの設定
日本車と欧州車の商品展開におけるもっとも顕著な違いは、ステーションワゴンの扱いだろう。欧州車の場合、実用からプレミアムまでほとんどの基幹車種にワゴンの設定があるのに対し、日本車は極端にワゴンの品揃えが少ない。

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しかし、日本でもオーセンティックなワゴンの需要がないわけではない。操縦感覚がセダンと同質で、大きなラゲッジルームを望む熱心なワゴンファンも少ないながら存在するのだ。

今回再び日本導入が始まった国内2代目となるアベンシスは、そうしたニーズに対するトヨタからの回答と言えそうだ。

アベンシスはイギリスのダービー州にあるTMUKで生産されるトヨタの欧州戦略車。先代モデルはセダンとワゴンが2003年から5年間日本に導入され、欧州育ちの実用Dセグメントカーとして一定の認知を得た。2008年のパリオートサロンで公開され、09年から欧州での販売が開始された新型アベンシスは、日本では2代目、欧州では3代目に相当するモデル。もちろん欧州ではセダンもあるのだが、今回日本に導入されるのはワゴンのみとなっている。

芯のしっかりした安定感があるが、足まわりは意外やソフトライド
まず目を惹くのが、欧州のデザイン拠点であるEDスクエアが担当したスタイリングだ。短めに見えるノーズからウインドウ、ルーフへの流れを意識したワンモーションフォルム。太い断面を持つショルダーラインが後端までキリリと引き上げられ、これに伴って後方ほどガラスエリアが薄くなり躍動的な雰囲気を出している。Cd値も0.29と立派な数値だ。

それと同時に、室内空間がとてもゆったりとしているのも新型アベンシスの特徴と言えよう。全長4765mm×全幅1810mmというDセグメントの中でも大柄なボディに起因しているのは確かだが、後席は足下空間だけでなく、頭上まわりの余裕もかなり大きい。

さらに注目すべきは荷室。容積自体は5人乗車時で543Lと、最大のライバルと目されるパサートヴァリアントの603Lには及ばないものの、荷室最大幅は1550mmと凌いでいる(パサートは1390mm)し、奥行きも1110mmと遜色ない。積載能力はDセグメントワゴンの中でもっとも高いレベルにある一台だ。

リアシートは左3:右7の分割シングルフォールド式。センタースルーで長尺物に対応していたり、フロア下に大きめの収納を持つなど、オーソドックスながら使いやすい設計だ。

インテリアはいかにもトヨタらしいソツのない仕上がり。オプティトロンメーターや、電気式パーキングブレーキ、本革ステアリング&シフトノブなどで高級感を出すが、華やかさがないのは惜しい。ウインカーレバーは欧州と同じく左のまま。先代は右に移していたから今回は手間を惜しんだと言われても致し方あるまい。

搭載エンジンは3ZR−FAE。バルブのタイミングとリフト量を無段階制御することで効率を高めたバルブマチック採用の2Lで、トランスミッションはパドル操作の7速シーケンシャルシフトマチック付きCVTだ。

3ZR-FAEは元々低回転からトルクが厚い上に、新型アベンシスは車重が1470kgと非常に軽く仕上がったこともあり、先代の2.4L以上に快活な走りを見せた。燃費も10km/Lを下回ることはなかったから、かなり良好と言っていい。

ただ、足まわりはソフトなライド感を狙ったのか、初期ロールがグラリとくる感覚が残る。その領域を押し切ると芯のしっかりした安定感が出てくるのだが、先代のようなわかりやすい「欧州車感覚」は影を潜めた。もっとも、最近はその欧州車自体が、コンフォート性能を強調してきているのだから、これも自然の成り行きかもしれない。

ともかくこの新型アベンシスは、ミドルからアッパーレンジの国産ワゴンを望む人にとって貴重な選択肢となりうる一台である。(文:石川芳雄) 

トヨタ アベンシス Xi 主要諸元
●全長×全幅×全高:4765×1810×1480mm 
●ホイールベース:2700mm 
●車両重量:1470kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1986cc 
●最高出力:112kW(152ps)/6200rpm
●最大トルク:196Nm(20.0kgm)/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●車両価格:250万円(2011年当時)

[ アルバム : 2代目トヨタ・アベンシス はオリジナルサイトでご覧ください ]

文:Webモーターマガジン Webモーターマガジン編集部
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みんなのコメント

5件
  • tst********
    14年前はこのクラスでも
    250万円だったのかーーーー!
  • kmq********
    アベンシスの高速安定性は、クラウンよりいいと思う
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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