ランクル300 米での販売予定はないが……
text:Kumiko Kato(加藤久美子)
【画像】新たな伝説が幕開け【ランドクルーザー300を200系やプラドと比較】 全100枚
editor:Taro Ueno(上野太朗)
14年ぶりのフルモデルチェンジがおこなわれ、正式発表となる8月1日を前に7月1日から先行受注をスタートした新型ランドクルーザー300。
予想を大きく上回る人気となっており受注台数が2万台になった時点で受注を一時ストップしている。(8月2日に再開予定)
首都圏のディーラーに話を聞いたところ、納車まで最低でも1年以上、グレードによっては2年待ちとなるモデルもあるとのことだった。
なお、受注を一時停止しているのはもう1つ理由がある。
それはトヨタ自動車の国内各完成車工場で8月以降、東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大に伴う部品供給不足により生産稼働の調整をおこなうことに関係しており、ランドクルーザー300を生産するトヨタ車体の吉原工場も含まれている。
同工場では8/5~8/6の2日間、第1ライン(トヨタ・ランドクルーザー300、レクサスLX)と第2ライン(ランドクルーザー70)が稼働停止となる。
ランドクルーザーは1950年代なかばから60年以上にわたって販売されており、アメリカにおけるトヨタ車の輝かしい歴史はランクルから始まっている。
日本以上のコアなファンも大勢おり、その熱量もオーナーとしての歴史も全米トップクラスといえるほどのアツいランクルファンに、ランドクルーザーの魅力と新しいランドクルーザー300について語ってもらった(取材協力:Toyota Owner’s and Restorer’s Club )。
日本車サイトを運営 ベン・シューさん
わたし(japanesenostalgiccar.comを運営)は2台のランドクルーザーを所有しています。
1台はFJ60(1986)、もう1台は80シリーズ(1997 40周年記念エディション)です。
わたしは長い間トヨタ車のファンで、最初の車は5MTのレクサスSC300でした。
その後、AE86、MX72クレシダ、A40セリカ・スープラを入手して現在も所有しています。
ランドクルーザーはトヨタのもっとも純粋なシンボルとなるクルマだと思います。
GR 86やGRスープラではありません。行きたいところに安全にあなたと家族を連れて行くパートナーとなるクルマです。
新しいランドクルーザー300シリーズに関しては、V8からV6ターボに移行したことで失望したアメリカ人もいましたが、元々ランドクルーザーは6気筒だったのでわたしはとくに気になりません。
ランドクルーザーの開発チームが「80シリーズ」を道しるべとして使っていることを知り、とても嬉しく思いました。
80シリーズはランドクルーザー最高の世代だと考えられているからです。
新型300がアメリカで販売されないことはとても残念です。
ランドクルーザーは、トヨタがトヨタモーターセールスUSAを設立した最初の年である1957年以来、ずっと販売されてきました。
アメリカで最も長い販売の歴史を持つトヨタ車でもあります。
ランドクルーザー300の販売はないにしても、次期レクサスLXの販売には期待しています。
ランドクルーザーの名前はなくてもLXはランドクルーザー300をベースにしているからです。
ランドクルーザー300のアメリカでの販売についてトヨタモーターセールスUSAが再考してくれることを願っています。
味ある2台を所有 スティーブ・コピートさん
ランドクルーザーは常に頑丈さとオフロードを走破する卓越した機能で長きに渡ってわたしに感銘を与えてきました。
70シリーズ以降、そのルーツから脱却した気がしますが80/90/100/200と新しい300の導入に伴いシリーズ車両は、より高級志向なモデルとして販売されています。
新しいバージョンの車両は非常に有能ですが、オフロード車としてのランドクルーザーを考えるとわたしのビジョンからは少し外れます。
300シリーズはアメリカで販売されないと聞いています。
ただし、ラグジュアリーモデルとして300をベースにしたレクサスLXバージョンは除きます。
トヨタは、利益率の高い車両を販売することにのみ関心があるのでしょうか。アメリカとわたしはそのことを理解していますが、ただただわたしを悲しませます。
レクサス製品教育マネージャー ポール・ウィリアムセンさん
1989年型FJ75ロングホイールベース大型ピックアップトラック、2014年型FJクルーザートレイルチームスペシャルエディションを所有。
1955年に誕生したBJ25に始まるランドクルーザーはトヨタ最高レベルの耐久性と信頼性を備えたモデルで、世界最高のオフロード機能と何十万キロもの走行に耐え、何十年もの市場価値を持ち続ける稀有なクルマです。
1960年代に多くの国で新しいトヨタの販売代理店がオープンしましたが、そのときからずっとランドクルーザーは品質と信頼性の評判を確立するために信頼できるモデルであり続けました。
世界中のすべての国で、資格のあるランドクルーザーサービスとオリジナルの交換部品を見つけることが可能になりました。
新しい300シリーズランドクルーザーはこれらの機能をすべて放棄するのではなく、これらすべての長所に基づいて開発されました。
300シリーズは最高のインテリアの快適さとサスペンション機能のためにボディオンフレーム構造を引き続き使用し、最高のアプローチ角度、出発角度、ブレークオーバー角度、および最低地上高のための理想的なシャーシジオメトリを備えています。
そして最新のTMCの設計、材料、技術を利用して、パフォーマンス、信頼性、効率を向上させています。
車両重量は200kg軽量化されていますが、ペイロードと牽引能力は以前のモデルと同じ高レベルのままです。
このほかにも注目すべきは新しい10速ATとツインターボV6エンジンで大幅に優れた燃費でより優れた出力とトルクを提供します。
8台ものランクルを所有 ハロルド・ラクソンさん
わたしは幼い頃から、ずっとトヨタのファンでした。
家族が4×4のランドクルーザーをこよなく愛していたのでわたしも同様にランドクルーザーファンとして4×4派として育ちました。
舗装された道でも、雪道でも、岩場でも、泥道でも、どこへでも行ける信頼性の高さから、わたしはこのクルマで自然を探索したいと思っていました。
家族を持つようになってからは、家族の安全のためにランドクルーザーを探すことにしました。
初めて自分自身がランドクルーザーを手にしたのは2011年のことです。
96年式の黒いトヨタランドクルーザーを手に入れました。
2人の娘には自然の中を探検してほしいと思いキャンプやオフロードの冒険をしました。
その結果、家族の絆がさらに深まりますますランドクルーザーへの思い入れが強くなりました。
最終的には60シリーズを1台、80シリーズを4台、100シリーズを1台、200シリーズを2台……合計8台ものランドクルーザーを所有することになりました。
このSUVの信頼性と耐久性のおかげで、家族と一緒にどこへ行っても安全で無事に家に帰ることができます。
今回新しい300シリーズが発表されましたね。世界最高のオフロードの王者として、トヨタの新機軸が楽しみになりました。
米でも愛された歴代ランクル 新たな伝説へ期待
アメリカにおけるランドクルーザーの歴史はレクサスLXに引き継がれることになりそうだが、日本はもちろん、ランクル人気の高い中国やUAE、オーストラリアなどにおいては間もなく300の販売が開始される。
世界に日本車のスゴさを知らしめる礎を築いたランドクルーザーの新たな伝説と歴史に期待したい。
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