この記事をまとめると
■いまや日本全国に知れ渡ったデコトラ文化
デコトラ乗りって「イカツイ」「コワい」……なんて先入観は間違い! 北の大地を彩る「北龍丸」オーナーの素顔に迫った
■デコトラオーナーは怖いというイメージをもつ人も
■しかし実際には優しい人が多いという
映画などのイメージも影響している
映画『トラック野郎』で日本全国に知れ渡ったデコトラ文化。故・菅原文太さんが演じた星 桃次郎のキャラクター設定の影響が大きいのかもしれないが、古くからデコトラ乗りはガラが悪いとかやんちゃで怖いというイメージがつきまとってきた。実際のところ、暴走族上がりだとか暴力団や右翼団体の構成員がデコトラを転がして生計を立てているというケースもあるため、そのようなイメージで見られてしまうのはやむを得ないことでもあるだろう。
そんなデコトラ界に大きな変化が起きたのは、1990年代後半のこと。1998年にプレイステーション用の「爆走デコトラ伝説~男一匹夢街道~」というゲームが発売され、デコトラの存在は若い世代にも広まった。そのころから、デコトラの世界にもオタク旋風が巻き起こったのである。
もちろん、デコトラオタクというものは古くから存在する。純粋にデコトラを愛する真面目な少年たちが自転車を飾り、実車を飾るようになるというのは、至極もっともな流れ。もちろん見た目は普通の少年なのだが、ゲームによって参入してきた彼らの風貌は、従来のファンとは一線を画すもの。それゆえに、大きな変化が生じたと感じるのだろう。
デコトラが集うイベントに参加してみると、兎にも角にも面白い。いかにも本職のような貫禄満点の人から暴走族風情、ヤンキーやお水風の女性、爽やかな男女やゲームオタクなどといった幅広いジャンルの人たちが会場内を楽しげに闊歩しているため、人間ウォッチングにも事欠かないのだ。
その現場を見ると、デコトラがとても幅広い人たちに愛されているということが、ひしひしと伝わってくる。働くトラックをベースに改造するという前提ゆえ、ほかの改造車とは一線を画するデコトラだが、クルマだけではなく愛好家自身の存在感もバラエティに富んでいるのである。
デコトラオーナーは親切で優しい人が多い
そして、イカつい人だから怖いというわけでもない。名実ともに本職であるデコトラオーナーであっても、ファンや仲間たちには親切で優しい人が多いのだ。
以前、イベント会場に偶然訪れたという老夫婦が、ド派手なデコトラに関心を寄せていた。「懐かしいなぁ。若い頃にトラックで仕事をしていたころとか、一番星を思い出すよ」と話しながら、嬉しそうに一台のデコトラを見つめていたのである。その光景を見ていたデコトラのオーナーは老夫婦のもとへと小走りで駆け寄り、「これはボクのトラックなのですが、気に入っていただけました? 良かったら、運転席に座ってみますか?」と笑顔で声をかけたのである。そして老夫婦は、満面の笑みを浮かべ、旦那さんはオーナーや仲間たちの手を借りながら大型トラックの運転席へと乗り込んだ。感動のあまり言葉をつまらせながら、オーナーと仲間たちに何度もお礼をいいながら、デコトラを満喫していたのだ。
そんな粋な行動が自然にできる、心優しき男が多いのである。
なかにはトラブルをやたらと起こすようなチンピラじみた人物も存在するため注意が必要だが、デコトラの世界では有名であればあるほど、トラックが立派であればあるほど、そのオーナーは優しい傾向にある。これもまた、反社の世界と相通じるものがあるのかもしれない。その道を極めた親分クラスは優しいが、そうでない人物に限って誰彼構わず威圧し、喧嘩をふっかけるものだから。
ただし、いくら優しいからといって度を超えたワガママ発言をしてしまうと逆鱗に触れる恐れがあるため、そんなオーナーの優しさにどっかり甘えてしまうのは禁物だ。
デコトラオーナーに限らず、どのような人に対してもいえることだが、最低限の礼儀とモラルはつねにもっておきたいもの。そうして、日本が誇るデコトラ文化を安全かつ楽しく体験してもらいたいものだ。
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みんなのコメント
自分も仕事でトラックに乗るけど、今の時代のトラックドライバーはほぼ雇われドライバーなら「サラリーマン」と同じ…会社の所有物を運転してるだけだよ、
完全「個人事業主」でトラックも自分の所有物なら
カスタマイズも自由かもしれないけど…
コンプライアンスが煩い今の時代、ゴテゴテのトラックに
荷物の輸送を依頼する荷主はどれほどいるやら…
デコトラも、「懐かしい昭和」の残滓だよなぁ…
否定はしないけど、好きにしたら?って感じ
但し、あまり「近づきたくない」存在かもね…
でも、むしろ大事なパーツを傷つけたくないから運転は慎重かも…