圧倒的な排他性を欲する人へ
text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
おそらく、すでにBMW X5 M50iには、多くの人にとってクルマに必要とするものがすべて詰まっていると思う。X5 Mに乗ってそう感じた。
車内は広々としており、装備も充実。不満を感じないほど力強く、よほど本気のスポーツカー以外なら、負けない速さを見せつける。しかも普段遣いに充分な、実用性の高さも備えている。
もし二酸化炭素の排出量が気になるなら、ディーゼルエンジン版の X5 M50dという選択肢もある。これで不満を感じる人は殆どいないだろう。
だが、お金で解決できる範囲で、さらに圧倒的な排他性を欲する人も少なからず存在している。人数は多くはないとしても、BMWが新しく生み出した第3世代となるX5 Mがターゲットとする層は、そんな人たち。
先日ご紹介した最新のX6 Mと同様に、2020年式のWBM X5 Mにも2つの仕様が用意される。どちらも搭載するのは同じ4.4LのV8ツインターボ・ガソリンエンジン。BMWのスーパーサルーン、M5から拝借したもの。
標準グレードのX5 Mの場合でも、最高出力は600ps、最大トルクは76.1kg-mと標準以上。だが英国に導入される、X5の頂点に君臨するX5 Mコンペティションの場合、最高出力は624psへと引き上げられている。最大トルクは76.1kg-mで変わらない。
車重2300kgから想像する以上に俊敏
BMW X5 Mの駆動システムは、基本的にはX5 M50iのアップグレード版。トルクコンバーター式の8速ATと、マルチプレート・クラッチを備える4輪駆動システムを装備している。
リアタイヤ側にはトルクベクタリング機能も付き、ハーフスロットルの市街地では運転をしやすく、郊外では鋭い脱出加速を実現している。加速の際には、聞き惚れるようなバリトンボイスのエグゾーストノートも響かせる。効果を際立たせるために、スピーカーを介して。
シャシーには幅広い範囲で手が加えられている。剛性を高めるために、フロントサスペンションの頂上部分にはブレースバーが掛けられた。
ホイールはフロントが21インチ、リアが22インチの組み合わせで、タイヤサイズはフロントが295/35 ZR21、リアが315/30 ZR22とスポーツカー顔負け。どのドライビングモードを選んでも、X5 M50iよりスポーティさが高められている。
SUVの水準で考えれば、操縦性はとてもダイレクト。2300kgという車重から想像する以上に、俊敏な身のこなしに感じられる。実際、0-100km/h加速はわずか3.8秒でこなしてしまう。
ただし、速度感応式のステアリングには、もっとリアルなフィーリングが欲しい。乗り心地は、最も柔らかいモードを選んでいても、少々硬すぎる印象だった。かなり滑らかな路面でない限り、快適とは呼びにくい。
日常性や安楽さも求めるならM50iで充分
車内には、モニター式デジタルメーターと、スポーツシートを装備。デザイン性に優れ、知覚品質も価格相応に高く、インテリアの雰囲気は素晴らしい。SUVらしく荷室容量は650Lもあり、ルーフラインが大きく傾斜するX6 Mよりも、実用性では上だ。
BMW X5 MとX5 Mコンペティションが実現している圧倒的な動的性能と、突出したグリップ力や安定性は、思わず褒め称えたくなるほど。他を寄せ付けない性格が気に入れば、11万610ポンド(1581万円)という英国価格でも、気前良く払えるかもしれない。
だが、7万4620ポンド(1067万円)のBMW X5 M50iも、大差のないパフォーマンスを獲得している。さらにX5 Mより安楽なドライビングが味わえ、日常的なクルマとして適した快適性を備えている。筆者としては、どちらかといえばX5 M50iで充分だったりする。
BMW X5 Mコンペティションのスペック
価格:11万610ポンド(1581万円)
全長:4938mm
全幅:2015mm
全高:1774mm
最高速度:289km/h
0-100km/h加速:3.8秒
燃費:7.8km/L
CO2排出量:291g/km
乾燥重量:2295kg
パワートレイン:V型8気筒4395ccツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:624ps/6000rpm
最大トルク:76.1kg-m/1800rpm
ギアボックス:8速オートマティック
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