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日本のモノづくりの集大成!! スバルが誇る伝説の名車8選連続試乗

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日本のモノづくりの集大成!! スバルが誇る伝説の名車8選連続試乗

 スバルといえば並々ならぬこだわりを持つメーカーであり、4WD技術、さらに最近ではアイサイトなどの自動ブレーキでもそのブランド価値をあげている。

 今回はスバルの協力を得て、スバルが保管するお宝クルマに清水草一氏が徹底試乗。スバル360やレオーネ、レガシィにインプレッサ、そしてWRカーまで8台を一気乗り。

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 スバルのフィロソフィを感じられたのか!? 痛快な試乗記をお届けします。

文:清水草一/写真:平野学

■いにしえのスバルを感じる!! スバル360は日本版「最善か無か」

 今年はスバル360を発売してから60周年、そしてSTIが創立されてから30周年という記念すべき年。そんな記念すべき年に、スバルの名車8台に試乗できて感慨無量!!

 私はスバリストだったことはなく、スバル車に詳しいわけでもないが、スバルに対して尊敬の念は抱いている。その原点は、なんといってもスバル360にある!

 こんなに小さいのに、こんなに室内は広いのか! そしてこんなに乗り心地がよかったのか! この妥協のないクルマ作り。まさに日本版"最善か無か"。さすが零戦を作った中島飛行機直系!

 例えば前席の前後スライド。後ろいっぱいに下げると、自動的に座面も下がってヘッドクリアランスが広くなる。これには今回初めて気が付きました。スゲエ合理性!

スバル360(左)とスバル1000(右)。当時のエンジニアがいかに知恵を絞ってクルマを作ったか感じさせる

 トーションバーのサスはしなやかに路面をいなし、強制空冷2サイクル2気筒エンジンは軽やかに回って、体重100kgの担当オノと編集長と私の3名を乗せても、かなり軽快に走ってくれた。

 さすがに上り坂は若干キツいが、最高速110km/hはダテじゃない。まさに真の傑作! スバルのクルマ作りの原点ここにあり。涙が出る。

 続いてスバル1000。悲願の小型車市場への進出を、FF方式で実現した名車で最新技術テンコ盛りの技術屋魂炸裂車。そんなスバル1000に、不肖清水草一、初めて乗らせていただきました。

 すげえっ! これはホントにすげえぜーーーーーっ!

  まずもってこのオシャレ感がすげえ。エクステリアのシブさもさることながら、インテリアがステキすぎる。この丸型の時計、これってアルファ? それともマセラティ?

 コラム式のシフトレバーを1速に入れ、静かにスタート。うおおおお、このエンジンのスムーズさは何だ。スバルのボクサー4といえば「ドコドコドコ」だという固定観念が吹っ飛ぶ滑らかさ。

 アイドリングではかすかにドコドコいってるが、回すほどにポルシェのようにシュオーンと回る。気持ちイイ……。

 生産から半世紀たった今でも、ステアリングの手応えはしっかりしていて、遊びは少なく直進性抜群。こんな名車だったんですか! 初めて乗っただけに感動がめちゃデカイ。シブすぎる! 欲しい!

レオーネ(右)とレガシィ・ツーリングワゴン(左)。スバルのツーリングワゴンを定着させた2台

 続いて2代目レオーネ。村上春樹先生の『ダンス・ダンス・ダンス』で、主人公が乗ったクルマですね。この素朴で武骨な外観、いいなぁ。しかし内装はチープ。スバル1000からの落差にビックリ。

 最大のビックリは、スバルが開発した「デュアルレンジ4WD」だった。これまた初体験だったのですがレバーを操作して4WDに入れると、ブレーキング現象でまるで曲がらない。

 デフロックバリバリ! 4WDはダテじゃないって実感しまくり! 今のフルタイム4WDが超軟弱に思える。それもまた進化ですが。

■現代スバルに続く道筋 レガシィツーリングワゴン、そしてSTIシリーズ

  そして、現在のスバル隆盛の基を作った、初代レガシィツーリングワゴン。しかも最強のターボエンジン(200馬力)搭載の2.0GTだ。

 これが出た頃から私もクルマ業界におりましたが、燃費が最悪だと評判でした。

 走り出してアクセルを深く踏み込むと、大きなトルコンスリップが! まさに滑るように走る! ターボとの相性は抜群。ガス食いもたぶん抜群! もちろんフルタイム4WD! レオーネみたいなブレーキング現象はゼロ!

 それにしても室内が広い! ラゲッジも広い! そしてスタイリッシュ! 当時の評論家先生はみんなこのクルマをボロカス言ったけど、私は「ツーリングワゴンはカッコイイ」とコラムに書きました。

 いま見てもこのシンプルなフォルムは色褪せてない。だから売れたんだよね。納得。

 続いてスバルの原点・兵器への回帰とも言える、STIの歴代名車に乗らせていただきます。敬礼!!

 まずは初代インプレッサWRX STi。WRC初優勝のベースマシンであります。サウンドはまさにドコドコ兵器。デカいリアウイングはモテない感満点。

初代インプレッサWRX Sti。月産100台の限定車だったが、現在まで続くWRX STIの系譜はここから始まった

 サスはガツンガツンと突き上げるがおかまいなしに回転を上げると4000rpmあたりからドッカーン、やってる感満点! これぞ古きよきSTi。

 続いてWRカー、インプレッサWRC98の助手席に試乗! さすがに市販車とは違い過ぎて、比較のしようもないがガツンガツンの親分ですね。これで戦ったんだなぁ、すげぇなぁ。敬礼!

コリン・マクレーが駆った1998年サンレモラリー仕様の本物WRカー。清水氏は強烈な加速に我を失ったそうだ

  さて伝説の限定車、22B。

 エンジンは空冷ポルシェのようにキレッキレ。吹け上がりがまるで違う! これはまさにバランス取りしたレーシングエンジン! しかも下からトルクがある!

 3000rpmからドカーンと来る! そのままパワーは天井知らず! フル加速するだけでヤバイ感じがビンビン。これは別物だ……。

 この頃のSTiは、ノーマルWRXを一度バラして組んでいたわけですが、このコダワリ感は間違いなくオタク泣かせ。もう一度いう。これは別物であります! 最敬礼!

22Bは作り手もマニアックに妥協なしに作った1台。ちなみにこの個体のシリアルナンバーは「000」だ

 22Bに乗ってしまうと、現代のS207がまだまだに思えた。こっちは4000rpm回さないとドーンと来ないし、回転感もフツー。22Bは手組みのレーシングエンジン、こっちは量産マシンという感じ。

 安定性が高いぶんヤバい感も少ない。刺激が足りないであります!  STIはまだまだやれるはず! もっともっとオタクなクルマを!

 こうして8台のスバル車に乗ってみて、スバルの歴史の流れがはっきり見えた。超技術屋軍団が徐々に民生化しつつ、コアな部分をSTIで残し、現在はそちらもやや民生品化しつつあるという流れであります! これにて解散!

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