デリカミニはスライドドアを採用しながら、遊び心溢れる一台で売れ行きが好調だ。ここでは日本の軽自動車の中から、「喝!」と「あっぱれ!」を2台ずつチョイス!!
※本稿は2023年7月のものです
文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2023年8月10日号
売れる軽には理由あり!! デリカミニが売れ行き好調なワケは? 一方喝を入れたい軽って?
■「あっぱれ!」な軽自動車はEVとスライドドアSUV
日産 サクラ。一充電走行距離は180kmと長くないが、タウンユースとしては充分な走行性能。バッテリーなどが小さくて済むので、価格も抑えられて人気だ
軽自動車のあっぱれは、電気自動車のサクラだ。電気自動車で長距離を走るには、大型の駆動用電池が必要でボディも重くなり、高出力のモーターも搭載するから電力消費量も増える。しかし、これでは環境性能は低くなる。
その点で軽自動車は、もともと街中の移動手段だから長距離を走る必要はない。小さくて軽い駆動用電池とモーターで済むから、電気代や価格を安く抑えられる。
サクラはこの考え方で環境性能が優れ、経済的な負担も軽いから売れゆきは好調だ。さらに、駆動用電池を低い位置に搭載する電気自動車だから、動力性能、走行安定性、乗り心地、静粛性なども優れる。内装も上質で、小さな高級車としての満足感も得られる。
三菱 デリカミニ。4WD車は専用の足回りやタイヤで車高が10mmアップ。乗り心地も快適
デリカミニもあっぱれだ。実質的にeKクロススペースの大幅改良版だが、フロントマスクを馴染みやすいデザインに変更した。背の高いスライドドアを備えた軽自動車の実用性と、SUVの野性味を融合させ、売れゆきも絶好調だ。
4WDではショックアブソーバーやタイヤを新開発して、最低地上高にも余裕がある。悪路のデコボコを乗り越えやすく、軽自動車としては乗り心地も快適。荷室の汚れも落としやすく、実用的で楽しい雰囲気が感じられる。
■「喝!」な軽自動車は片や割高、片や地味めなこの2台
ホンダ N-ONE。先代から変わり映えのしない外観は新鮮味に乏しく、価格設定も割高だ
喝はN-ONEだ。現行型ではプラットフォームを刷新したが、ボディのスチール部分は先代型と共通だから見た目は変わり映えがしない。しかも以前から価格が高く、2023年6月には値上げも発表され、ターボのRSは206万2500円だ。機能や装備のわりに高い。
スズキ ワゴンR。今やベーシックなハイトワゴンというだけでは特徴がわかりにくくなった
ワゴンRも喝だ。ハスラーは車内の広さがワゴンRとほぼ同じで、内外装はSUV風だから注目される。ワゴンRスマイルも、スライドドアを装着して今のニーズに応えるが、今やワゴンRは個性がわかりにくく地味だ。また低価格のFXでも、サイド&カーテンエアバッグはオプション設定すべきである。
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みんなのコメント
N-ONEはあれでいいんだよ、N360モチーフのリバイバルデザインなんだから。
フィアット500とかミニとかが今時のつり目オラオラ顔や一本ラインのライトになったら幻滅もんだろ、それと同じ。