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3年ぶり復活トヨタ新型「RAV4」発売 激化するSUV市場に後発投入も勝算あり?

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3年ぶり復活トヨタ新型「RAV4」発売 激化するSUV市場に後発投入も勝算あり?

■国内SUV市場で遅れて新型「RAV4」が登場する理由

 激化する国内SUV市場では、毎年のように新型SUVモデルが登場します。最近では、スバル「フォレスター」やスズキ「ジムニー」がフルモデルチェンジ。新型車としては、マツダ「CX-8」「CX-30」やレクサス「UX」。そして、国内市場に復活するという点では、ホンダ「CR-V」やトヨタの「RAV4」が挙げられます。

1度は消えたトヨタ「RAV4」とホンダ「CR-V」、同じ運命を辿るSUVは復活で成功なるか

 なかでも、後発として2019年4月10日に発売したトヨタの新型「RAV4」は、トヨタ車のなかで世界一売れているモデルということもあり、トヨタ自身も力を入れているといいます。約3年ぶりに復活する「RAV4」とはどんなクルマなのでしょうか。

 初代「RAV4」は1994年に登場、当時のSUVモデル(4WD車)は、オフロード走行を目的とした本格的なクルマとして位置づけられていましたが、乗用車タイプのSUV(クロスオーバーSUV)という新たな市場を開拓しました。

 当時は、ホンダからは同様のSUVモデル「CR-V」がライバル車として投入されるなど、現在の「SUVブーム」の先駆け的な存在に。その後、世界的なヒットモデルに成長した「RAV4」ですが、国内は3代目の販売低迷に伴い、一旦幕を閉じます。

 その後、海外では2013年に4代目「RAV4」が登場しますが、国内では販売されませんでした。

「RAV4」は、主にアメリカを中心に人気を不動のものとし、アメリカ人好みのデザインを採用して2018年3月のニューヨークオートショーで5代目「RAV4」を発表。開発コンセプトは『SUVらしい力強さと、使用性へのきめ細やかな配慮を兼ね備えた4WD』とし、SUV本来の力強さと日常の使い勝手を併せ持つモデルに進化しました。

 新型「RAV4」の開発を担当したチーフエンジニアの佐伯禎一氏は次のように述べています。

「お客様に『いつでも、どこでも、どこまでも』走りの楽しさを感じていただくだけでなく、お客様の好奇心を刺激し、新しいことにチャレンジする気持ちを呼び覚ますクルマを目指して開発しました」

※ ※ ※

 トヨタの国内SUVラインナップには、都会派「C-HR」「ハリアー」、本格派「ランドクルーザー」「ランドクルーザープラド」「ハイラックス」という5モデルが存在しています。そのなかに、都会派と本格派を兼ね備えた新型「RAV4」が投入されるのです。

 ライバル車となるホンダ「CR-V」やマツダ「CX-5」、三菱「アウトランダー」、日産「エクストレイル」とは、違うコンセプトを打ち出すことができるのもトヨタがあえて後発に新型「RAV4」を出す理由なのかもしれません。

 また、トヨタの販売店では、ユーザーの反響に関して次のように話しています。

「新型RAV4を気にされるお客様は多いように感じます。実際、2月中頃に新型『RAV4』の国内公式サイトが公開された以降では、問合せが多くなっています。また、他社のSUVに乗られている方からのお問合せもあります」

■新型RAV4は「ココ」が凄い!

 公式発表前から評判が上々な新型「RAV4」ですが、実際にはどこが進化しているのでしょうか。

 新型「RAV4」のボディサイズは、全長4600-4610mm×全幅1855-1865mm×全高1685-1690mm。外観デザインは、SUVらしい力強さと洗練さを融合し、室内においてもクラストップレベルのラケージスペースや多数の収納スペースなど日常の使い勝手にも考慮されています。  パワートレインには、2リッターガソリンと2.5リッターエンジンハイブリッドの設定がされています。WLCTモードの燃費は、ガソリン車「2WD(15.8km/L)」「4WD(15.2km/L)」、ハイブリッド車「2WD(21.4km/L)」「4WD(20.6km/L)」です。

 また、新型「RAV4」は、3種類の4WDシステムをグレードによって採用仕分けしているのが大きな特徴となり、ガソリン車とハイブリッド車それぞれに独自のシステムが採用されています。

 ガソリン車には、従来と同じシステムのほかに、走行状況に応じて前後トルク配分に加え、後輪トルクを左右独立で制御する機構と4WD走行が不要と判断した場合には、後輪への動力を遮断して燃費向上を図る新開発の「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を世界初採用。

 ハイブリッド車には、最新のハイブリッド技術を継承した新型E-Fourを採用。後輪の最大トルクを増加させ、前後のトルク配分を大きく変更可能な制御を行うほか、後輪トルクを上げたことで降雪時や雨天時における登坂発進時の安心化も向上させています。

 今回、国内投入される新型「RAV4」の全6グレード展開となり価格(消費税込)は、260万8200円から381万7800円。ライバル車と同じような価格帯です。

 ミドルサイズSUVの「RAV4」が新たに投入されることについて、前出の販売店スタッフは次のように話します。

「以前までのように、SUVの代表車種が『ハリアー』や『ランドクルーザーシリーズ』しかない状態ですと、“少し小さめのサイズが欲しいというお客様”や“ミドルサイズがほしいけどハリアーよりもアクティブさを希望”というニーズに応えるのが難しい部分でした。

 しかし、『RAV4』が新たに追加されることで、お客様の関心度が高いサイズにおいて『ハリアー』と2種類を提案できるのは販売店としては心強いです」

※ ※ ※

 奇抜なデザインの「C-HR」から都会派「ハリアー」、王道「ランドクルーザー」という独身層からファミリー層までを網羅するラインナップに、新型「RAV4」が加わることでトヨタブランドのSUVモデルを盤石の体制に築くことができるかもしれません。

 他の自動車メーカーでも、SUV人気が続くうちにラインナップの拡充や補填を狙いたいところですが、トヨタほどの充実したモデル展開は難しいのが現状といえます。

 SUV戦国時代ともいわれる自動車業界で、新型「RAV4」の復活はどのような影響が出るのか注目です。 

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