新しい年が明け、重い腰をあげて仕事始めを迎え、早くも最初の3連休に突入…。そんな週末に開催されるイベントといえば「東京オートサロン」。業界関係者にとっては、新年を迎えての賀詞交換会的な位置づけでもあり、クルマ好きにとっては新年1発目のマスト・プログラムとして。会期こそ3日間と短いものの、もはや東京モーターショーを凌ぐ熱気と盛り上がりが感じられる一大イベントです。
かつて、東京オートサロンはチューニングカー主体のイベントだった
90年代の日本車がとにかく誇らしい!東京オートサロン2018イベントレポート
筆者がはじめて東京オートサロンに足を運んだのは1992年、平成4年のことでした。当時の会場は晴海。東京駅から都バスに乗り、会場へと向かいます。いまでもはっきりと覚えているのは、会場が近づくにつれ、バスと並走するクルマがチューニングカーへと変わっていく光景です。発売されたばかりのアンフィニRX-7を見掛けたときは、一斉にバスの車内がざわつきました(笑)。それもそのはず。前年の12月に発売されたばかりの新型車だったからです。
1990年代前半の東京オートサロン主役は間違いなく「国産チューニングカー」でした。やはり、スカイラインGT-R(R32型)の存在が大きかったように思います。この時代に生まれたクルマ好きの方たちの多くから「R32GT-Rの現役時代を知っているなんて羨ましい」と本気でいわれます。いまか25年後の未来の若者たちから「A90型スープラのデビュー当時のことを知っていて羨ましい!」といわれるのでしょうか。
*1993年の東京オートサロンの画像を発掘いたしました。改めて振り返ってみても熱い時代でしたね…。
流れが変わってきたのは1990年代後半あたりから
毎年のように東京オートサロン会場に足を運んでいると、展示されているクルマの傾向が変化していることに嫌が応にも気づかされます。その傾向を感じ取ったのは、1990年代後半のVIPカーブームあたり。ヴェイルサイドがコンバットモデルを拡充させると同時に、トヨタ セルシオや日産プレジデント、インフィニティQ45あたりのカスタムが流行りはじめたのもこの時代です。
当時のオフィシャルガイドブックを読み返してみると、R33型スカイラインGT-Rがデビューした1995年の東京オートサロンと比較して、1997年になるとVIPカーやミニバン系の出展が増えつつあることが分かります。事実、1997年版には「ミニバン系がドレスアップの主流となるか?」という特集が組まれているほどです(コンテストにRV部門が新設されたのもこの年でした)。
気がつけばメーカーやインポーターまでもが出展する時代に…
時は流れて2019年。「東京オートサロン=幕張メッセ」という図式がすっかり定着し、気がつけば自動車メーカーや輸入車インポーターが相次いで出店。さらに2018年からは貴重なクルマやレーシングカーのオークション”BH AUCTION”が開催されるようになりました。
この”BH AUCTION”の会場の空気は独特です。撮影のため出品車輌が展示されているエリアに立ち入りましたが、おいそれとクルマに触れられる雰囲気ではありません(入札予定者の方であれば、運転席に乗り込んだりエンジンルームを覗き込んだりできるようです)。と同時に、少し前まで中古車店で見掛けたようなクルマたちが一気に遠い存在になってしまった感もあり、何とも複雑な気持ちになります。
外国人の来場者数が飛躍的に増えた
これは東京モーターショーにもいえることですが、東京オートサロンは輪を掛けて外国人メディアおよび来場者が増えたように思います。日本独自の文化を海外のクルマ好きが注目していることは確かなようです。
東京オートサロンをメインイベントに来日し、”DAIKOKU(大黒PA)”や”TATSUMI(辰巳PA)”や、東京都内、リニューアルオープンした”A PIT オ-トバックス東雲(旧スーパーオートバックス東雲)”をめぐる熱心な外国人のクルマ好きの方がいた模様。確かに、このあたりを押さえておくことで「いまの日本のクルマ文化の一端」が垣間見えそうです。
出展車輌台数906台!いまや1日でじっくり見るのは不可能なレベルに
オフィシャルサイトの情報によると、今回の東京オートサロンの出展者数は426社(前回実績442社/前回比96.4%)、出展車輌台数906台(前回実績880台/前回比103.0%)という規模に。3日間の来場者数は330,666人(前回比103.6%)となり、過去最多の動員を記録したそうです。つまり、1日ですべてのクルマやブースを観るのはかなり困難な規模になってきました。
取材していても、ただ漫然とまわっているとあっという間に時間が過ぎていきます。今後、この規模が継続またはさらに拡大すると仮定して、可能な限り1台でも多くの出展車両を見たい場合は思い切って2日間に分けてみるのもありかもしれません。会場に行ったことがある方であれば想像できるかと思いますが、じっくり見るのは困難です。来年がオートサロンデビューという方は、ぜひそのあたりを踏まえてみてください。
東京オートサロン名物?コンパニオンを撮るのは至難のワザ
個人的には、東京オートサロン会場の混雑の要因のひとつではないかと思っています。筆者が東京オートサロンに行くようになった1990年代前半、人だかりができているなと思って近寄ってみると、その先には某有名チューナーの方や現役レーシングドライバーがいたものですが…。
東京オートサロンが多様化しはじめた(個人的には1990年代半ばくらい?)あたりから、コンパニオンの衣装が過激な方向へとシフトしていったような印象があります。それにつれて、いわゆる「カメラ小僧」の方が増えはじめ、肝心の出品車輌が観られないという場面が増えていきました。これは、今回も例外ではありません。とにかく何とかすき間を見つけてコンパニオンを撮影します。ちょっと気になったのは、社会科見学で会場を訪れていた小学生たちにはコンパニオンの衣装はちょっと過激過ぎないか、さすがに心配になってしまいました(笑)。
電車は移動がオススメ
東京オートサロンといえば、湾岸習志野ICで3キロの渋滞に巻き込まれ、帰りも大渋滞になるのを百も承知で自慢の愛車に乗って行く方も多いはず。事実「実は駐車してあるクルマを眺めるのが一番面白い」という声もあるほど。これは筆者が東京オートサロンに行くようになったころと変わっていません(当時より多様化している分、さらに面白いかもしれません)。
自動車関連業の仕事に従事させていただいている身としては邪道なのかもしれませんが、筆者は電車移動です。かつてはクルマで行っていた時期もありましたが、時間が読める、うまくすれば座って移動できる(つまり寝られる)ことが大きな要因です。友人知人同士で行ったとしても、帰りに飲み屋さんで「反省会」が開けます。アラフォー世代以上の方、ぜひご検討ください。
休憩ポイントはここ
一般公開日には12万人を超える人が幕張メッセに集まります。とにかく、腰を下ろして休憩するスペースがありません。場所はあるんですが、人が多すぎて休憩スペースが圧倒的に足りないのです。そこでオススメなのが「イベントホール」です。入口をくぐり、左右にあるソファをうまく活用してみてください。他の場所よりはいくらか空いているはずです。
余談ですが、メディア関係者にはプレスルームが開放されます。優遇されていてるなー思われるかもしれません。しかしメディアルームも「イス取りゲーム」であることは何ら変わりありません。座る場所がないと、床に座ってあぐらをかき、その体勢で原稿書きを強いられます…。
BH AUCTIONはこの眼で見てみるべし!
オークションが行われるのは会期初日。この模様を観るには、特別招待券を手に入れるか、特別入場券を購入する必要があります。土日がお休みという方は、有給休暇を取得してでもBH AUCTIONを観てみる価値はあります(もちろん、各会場がそうであることはいうまでもありません)。
その理由として、これほど貴重なクルマが一堂に会する機会はめったになく、そのなかに興味がある出品車輌があるとしたら、その眼で確かめてみてもいいかもしれません。また「オレもいつか入札する側になってやる!」と、モチベーションアップの場としてもいいかもしれません。*余談ですが、本当に欲しいクルマがある場合、ことあるたびに「オレ、いつか●●●●●が欲しいんです!」と宣言しておくのも手です。どこかで誰かが覚えてくれていて、よほど対人関係に問題ある人でない限り「グッとくる話し」を持ちかけてくれます。
会場でCL CARSが気になったクルマを集めてみました
出展車輌台数906台のなかから、国内外の気になったクルマをご紹介いたします。個人的には、バブル期に雑誌でしか見たことがなかったケーニッヒ テスタロッサが3台も会場に展示(オークション含む)されていたことにかなり驚きました。新型ジムニーやクラウンのカスタムカーをあちこちで見掛けたように思います。現行アルファードのカスタマイズも人気でした。そして何より、新型スープラが間近で観られるとあって、常に人だかりができていました(あまりの混雑ぶりに近づくのを断念した人もいたようです)。
BH AUCTION出品車輌
主催者発表によると、出品車輌台数50台のうち、落札成立車両は計17台、落札不成立車両は計32台とのことです(ただし落札不成立車両のうち11台は商談中)。最終落札価格の合計は3億338万円。最高落札額は”Lot.32:1990年式フェラーリ F40″の1億2100万円。20年ほど前には3000万円台で売られていた時期もあったF40、ジリジリと、確実に値を上げてきていますね…。そんな緊迫感のある入札模様が観られるのも、東京オートサロンに加わった新たな魅力のひとつなのです。
東京オートサロンのもうひとつの主役・コンパニオン
なかには「掲載していいのかな?」と思うほど過激な衣装を纏ったコンパニオンも多く、かといってメディア側からするとアクセス数が稼げる「優良コンテンツ」でもあります。ある意味、メディアガイドラインが問われるところです。各自動車メデイアの姿勢が分かるポイントでもありますし、そんな視点で見てみると面白いかもしれません(コンパニオン特集のページを敢えて公開していないメディアもありました)。
モーターショーでは見られない世界がここには(確実に)存在する
毎年、来場者数が増え続けている東京オートサロン。時代の変化とともにモデルチェンジを繰り返し、いまや世界規模で注目されるイベントへと成長。しかも、日本発のクルマ文化を海外の人が注目している時代となったのです。一部の仁御社がプアマンズベンツ、プアマンズポルシェなどと揶揄された時代ではないのです。しかし、どこかアンダーグラウンドな世界というイメージがつきまとうのか「食わず嫌い」なクルマ好きの方がいることも事実。
東京モーターショーはメーカー主導で行われているため、どこか優等生的。まるでNHKのバラエティ番組を観ているようです。それだけに、毒っぽさ(刺激)が足らないかもしれません。その点、東京オートサロンは放送コードギリギリのところを狙っている、かつてのバラエティ番組のように「攻めている」感が年々強くなっている印象です。
雑誌やネット記事では味わえないライブ感、カスタマイズされたクルマのフォルム、コンパニオンを取り囲む撮影風景など、モーターショーでは見られない世界がここには(確実に)存在します。もし、二の足を踏んでいる方がいるとしたら…。また、遠方でついつい機会を逃しているという方…。新元号初となる来年の東京オートサロンは、ぜひ幕張メッセへ!
*東京オートサロン2020は、2020年1月10日(金)~12日(日)の3日間、幕張メッセで開催されます。
[ライター・撮影/江上透]
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