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期待以上にスポーティ ベントレー・ベンテイガ S ハイブリッドへ試乗 3.0L V6エンジンは継続

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期待以上にスポーティ ベントレー・ベンテイガ S ハイブリッドへ試乗 3.0L V6エンジンは継続

ハイブリッド・システムをアップデート

電動化技術を導入し、バッテリーEVへシフトするタイミングを見極めるのは、簡単なことではない。ベントレーのように、少量生産の高級ブランドでは特に。

【画像】期待以上にスポーティ ベントレー・ベンテイガ S HV 競合クラスの高級SUVと比較 全165枚

生産数の多いBMWやメルセデス・ベンツ、ランドローバーなどからは、電気の力だけで100km前後を走れると主張される、プラグイン・ハイブリッドが販売されている。大型の電動SUVも、順次提供が始まっている。

ベントレー・ベンテイガを選ぶ層は、ガソリン代や税金を細かく気にすることはないかもしれない。各社の戦いを静観する、多少の余裕はあるのかもしれない。だが、のんびりしていられないことは間違いないと思う。

ランドローバー・レンジローバーのプラグイン・ハイブリッドは、一度の充電で112kmもエンジンを回さず走れる。自分のベンテイガ・ハイブリッドは50kmにも届かないという事実に、疑問を抱く既存オーナーがいないとは限らないだろう。

グレートブリテン島の中西部、クルーに拠点を置くベントレーは、2019年に同社初のハイブリッドとなるベンテイガ・ハイブリッドを発表。リムジンのフライングスパー・ハイブリッドの開発を経て、SUVにもアップデートも実施した。

英国仕様では、ベンテイガ・ハイブリッドにはコンフォートなアズールと、スポーティなSが設定されている。今回は後者のS ハイブリッドで、変化ぶりを確かめてみたい。

V6エンジンは継続 期待以上にスポーティ

ボンネットに収まるエンジンは、フォルクスワーゲン・グループのEA839型V6ガソリンターボで、これは従来どおり。フライングスパー・ハイブリッドに搭載される、パワフルな2.9L V6ツインターボには置き換えられなかった。

駆動用モーターは改良を受け、136psへ増強された。駆動用バッテリーの容量も18.0kWhへ増え、電気の力だけで走れる距離は僅かに伸ばされている。

フロントバンパーや車内のシートも、スポーティなデザインのものが与えられる。お望みなら、カーボンファイバー製のトリムでボディを飾ることも可能。ただし、実際のドライビング体験には大きな違いは生まれていない。

ベンテイガ S ハイブリッドにはV8エンジン版のSと同じ、ダンパーの減衰力が15%強化された、アダプティブ・エアサスペンションが装備される。だが、ハイブリッドシステムとの場所の兼ね合いで、アクティブ・アンチロールバーは省かれている。

V8エンジン版のSより車重は220kg多いにも関わらず、姿勢制御は良好。ステアリングは正確に反応し、ハイペースで連続するコーナーを巡っても、落ち着いた身のこなしを維持する。ベントレーらしい乗り心地も保たれている。

S ハイブリッドのドライビング体験は、期待以上にスポーティ。魅惑的といっていい。

当面はV8エンジン版の方が支持は高い?

EVモードで走行していると、駆動用モーターとバッテリーが新しくなったことを体感できる。渋滞時はもちろん、80km/h近い速度域まで、エンジンを回さずまかなえる。丁寧に右足を動かせば、50km前後の距離を簡単に走れる能力を得ている。

少々惜しいのが、活気の薄い3.0L V6ターボエンジン。強化された駆動用モーターがアシストを加えても、大柄な高級SUVの走りを完璧に満たすほどの、トルクを生み出さない。周囲を置き去りにするような加速を得るには、回転数を高める必要がある。

トルクコンバーター式となる8速オートマティックの反応も、若干足を引っ張る。シフトダウンの反応がやや鈍いようだ。

ちなみにS ハイブリッドの場合、スポーツエグゾーストとサウンドを反響させるレゾネーターが装備される。内燃エンジンが生む、音響的な体験を補完するために。

S ハイブリッドの英国価格は、18万5455ポンド(約3356万円)から。実際のところ、半額で購入できるプラグイン・ハイブリッドのSUVには、エンジンを回さずに倍以上の距離を走れるモデルも存在する。

それでも、伝統のプレミアムブランド、ベントレーのベンテイガを選ぼうと考える人は、まだ強く気には留めないだろう。あるいは、当面はパワフルで味わい深い、V8エンジン版へ多くの支持が集まるのではないかとも思う。

ベントレー・ベンテイガ S ハイブリッド(英国仕様)のスペック

英国価格:18万5455ポンド(約3356万円)
全長:5125mm
全幅:1998mm
全高:1728mm
最高速度:254km/h
0-100km/h加速:5.3秒
燃費:33.3km/L
CO2排出量:68g/km
車両重量:2690kg
パワートレイン:V型6気筒2995ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:18.0kWh
最高出力:462ps
最大トルク:71.3kg-m
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)

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みんなのコメント

2件
  • まだV8があるならこれ選ぶ人は少ないだろうね。
    メリットが薄く性能面で中途半端。
    ブランド考えると振り切ってる方が魅力的。
  • くず餅の船橋屋の元社長が好みそう
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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