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こんなクルマもう絶対出ない 希代のスポーツカー トヨタMR-Sが100万円以下で手に入る!!

掲載 更新 122
こんなクルマもう絶対出ない 希代のスポーツカー トヨタMR-Sが100万円以下で手に入る!!

 1.8L、直4エンジンを軽量ボディのミドに搭載するライトウエイト2シーターオープン、トヨタMR-S。

 今では、ミドシップのオープン2シーターという存在は非常に貴重な存在。昨今の1990年代以降の中古スポーツカー人気を受けて、MR-Sの中古車価格も高騰しているのだろうか? 

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 そこで、中古車事情に詳しい自動車評論家、萩原文博氏がMR-Sの中古車相場を徹底調査し、解説していく。

文/萩原文博
写真/トヨタ

【画像ギャラリー】低価格でミドシップの走りの愉しさが味わえるMR-Sを写真でチェック!

ミドシップランナバウト、MR-Sが誕生した背景

1989年10月~1999年10月まで販売されたSW20型2代目MR2

 エンジンを運転席後方にレイアウトするミドシップ(MR)。フェラーリ512BBやランボルギーニカウンタックといった、スーパーカーが採用した駆動方式で、スポーツカーの中でも羨望の眼差しを受けるのだ。

 国産スポーツカーでエンジンをミドシップに搭載し、MRの駆動方式を採用したのが、1984年に登場した初代トヨタMR2。

 しかもMR2はMRの駆動方式に加えて、リトラクタブルヘッドライトも採用するなどスーパーカー濃度の濃いモデルだった。

 1989年になると、MR2は2代目モデルに進化。搭載されるエンジンの排気量が1.6Lから2Lへと拡大し、パワーアップ。その結果、ミドシップらしいピーキーなクルマとなってしまった。

 それを反省して生まれたのが、今回中古車事情を紹介するMR-Sだ。トヨタのミドシップスポーツカーであるMR-Sは1999年10月にMR-2の後継車として登場。

ボディサイズは全長3885×全幅1695×全高1235mmとコンパクトで、車両重量は1t切りの970kg(前期型)

 駆動方式は異なるものの、マツダロードスターのようなライトウェイトスポーツへと路線変更したのが特徴だ。

 2007年の生産終了から13年経ったMR-Sの中古車相場は一体どのようになっているのだろうか。

 まずは、MR-Sの変遷を振り返って見たい。1999年10月、MR-Sは軽量で機敏に走り多様なシーンで操る楽しさを実感できるミドシップの「ライトオープンスポーツ」として登場。

 軽量・高剛性の新開発のボディはロングホイールベース、ショートオーバーハングを採用。MR駆動車としてハイレベルな操縦性、走行案手製を実現すると同時に、スタイリッシュなオープンカーのデザインを追求している。

軽量化の観点からルーフのソフトトップは手動式

 新設計したボディは各所にクロスメンバーを配置し、軽量と高剛性を両立。さらに、タイヤを四隅に配置しカウルフォワードの低重心スタイルを実現するとともに、ルーフは2つ折り収納し、オープンエアを満喫できるソフトトップを採用した。

 搭載される1.8L、直4DOHCエンジンは、アルミブロックの採用による軽量化や可変バルブタイミング機構のVVT-iや高圧縮比によるトルクフルで扱いやすい仕様となり、最高出力140ps、最大トルク17.4kgmを発生。

 サスペンションは前後ともにマクファーソンストラット式を採用することで、走行安定性と優れた乗り心地を実現している。

 デビュー当初は5速MT車のみで、グレードは標準車に加えて、装備を簡素化したBエディションそして充実した装備のSエディションの3グレードが設定されていた。

5速MTに加え、2ペダルMTの5速シーケンシャルMTを追加し、ユーザー層の拡大を図った

 2000年8月にMR-Sは一部改良を実施。新開発したシーケンシャルMTの追加と専用ボディカラーのダークグリーンマイカを採用し、幌、本革シート、本革ドアトリムをタンカラーで統一。

 さらに、光沢のあるアルミホイール、メッキリング付きツィーター、SUSスカッフプレートなどを装備したVエディションという新グレードを設定。

 一方、Bエディションが廃止されたので3グレードのままだ。新採用のシーケンシャルMTは、クラッチ操作をせずに、シフトレバーあるいはステアリングシフトスイッチを操作することにより、連続的にシフトアップ、シフトダウンが可能な電子制御式MTのこと。

 この技術は、F1などのレーシングカーに採用されているもので、素早くかつスムーズな変速により、機敏なMR-S の走りをさらに魅力的にした。

 2002年8月にマイナーチェンジを行い、内外装の変更とともに、MT車、シーケンシャルMT車ともに、従来の5速から6速へと変更された。

2002年8月にマイナーチェンジ。写真はMR-S Sエディション。 フロントバンパーは押し出し感のある意匠に、丸型フォグランプを配置し、また4灯式ハロゲンヘッドランプ(ロービームプロジェクター)、リアコンビランプを立体感ある意匠とするなど、質感を向上させ、スポーティ感を強調

リアタイヤを205/50R15から215/45R16に変更することで、さらに優れた前後輪のグリップバランスを確保したほか、サスペンション取付部の剛性を高めることで、より優れた操縦性・走行安定性を実現

 さらにリアタイヤのサイズ変更やサスペンション取付部の剛性をアップしたことで、さらに楽しい走りに磨きを懸けている。

 2005年12月には一部改良を行い、全車にフロントフォグランプインジケーターの追加とリアコンビランプ内のブレーキランプとテールランプの配置を変更した。

MR-Sの生産を2007年7月末で終了するのに伴い、2007年1月に限定1000台(6速MTが232万円、6速シーケンシャルMTが240万円)で発売された特別仕様車「Vエディション・ファイナルバージョン」

 そして、2006年11月には、2007年7月末で生産終了するのに伴い、限定1000台で特別仕様車のVエディション・ファイナルバージョンを発売。

 この特別仕様車はVエディションに加えて、ソフトトップ、本革シート&ドアトリム、本革巻きステアリングホイールに専用色のレッドを追加。

 さらにドアアシストグリップ、ダイヤル式ヒーターコントロール、インストルメントパネルブレースカバーおよび、シフトゲージカバー(6速シーケンシャルMT車)をチタン調シルバーにするなど質感を高め、より高級感のある仕様とした。

 また、MR-Sはカスタムカーも販売され、トヨタの純正アフターパーツを販売しているモデリスタが、イタリアのカロッツェリア、ザガートがデザインしたVM180ザガートを限定100台で発売。

 また、日本のデザイン会社、MODIが担当し、モデリスタが生産、販売したカセルタも限定150台で販売している。

日本のデザイン会社、MODIが外観をデザインし、モデリスタが製造・販売した限定車(150台限定)、カセルタ。価格は350万~388万円

MR-Sの中古車相場はジワジワと値上がり傾向が続く

スポーツシートを装着するMR-S。2シータースポーツカーにありがちな窮屈感はあまり感じなかった

 それでは、MR-Sの最新の中古車相場を見てみよう。MR-Sは約8年間で、7万7840台が販売されたが、現在中古車の流通台数は約170台となっている。

 3ヵ月前の時点では約200台流通していたのだが、5月のゴールデンウィーク明けから減少傾向となり、現在は約170台まで減少している。

 懸念されるのがこの傾向が現在進行形となっているところだ。中古車の平均走行距離は、流通台数が豊富だった3カ月前が約8万kmで、現在は約7.4万kmまで少なくなっている。

 こうして見てみると、MR-Sの中古車は走行距離の延びた価格の安いクルマが市場から姿を消したという推測ができる。

 これを踏まえて、平均価格の推移を見てみると、3ヵ月前が約73万円で、現在は約77万円と推測通りの結果となった。

 さらに平均価格の推移を1年スパンと長期にしてみると、1年前の平均価格は約65万円で、ジワジワと値上がり傾向が続き1年で12万円の値上がりとなっているのだ。まさに絶版中古車の人気が高くなる典型的な値動きを示しているのだ。

 MR-Sは先ほど説明した通り、2002年にマイナーチェンジを行いトランスミッションが5速から6速へと変更された。このマイナーチェンジで前期型と後期型を分けると、前期型は約74台。

 そして後期型は約95台と後期型のほうが流通台数は多くなっている。そして前期型の平均価格を見ると3カ月前の約56万円から現在は約60万円へと値上がり。

 後期型でも流通台数が多い2002年~2005年式が約83万から約87万円。そして最終型ともいえる2005年式以降は約105万円から約117万円へと大幅に値上がりしている。

MT車とシーケンシャルMT車との相場の違いはあるか?

MTとシーケンシャルMTは、中古車価格に違いはあるのか?

 さらに詳しくトランスミッションによる平均価格の違いを見てみる。前期型で流通台数の多いSエディションで比較すると5速MT車は3ヵ月前の約63万円から現在は約69万円へと値上がり。

 一方のシーケンシャルMT車はこの3ヵ月間、多少の上げ下げはあるものの、約48万円のまま横這いで推移し、トランスミッションの違いで平均価格は約20万円も差が付いている。

 これが最終モデルのVエディション・ファイナルバージョンでは、6速MT車は3ヵ月前の約200万円から約163万円へと値落ち。

 一方のシーケンシャルMT車は約95万から約116万円へと値上がりしているものの、価格差は約50万円と大きく差が開いている。

 それでは、中古車のグレード構成と価格帯を見てみよう。MT、シーケンシャルMT問わず最も多いのがSエディション。

 そしてVエディションのファイナルバージョンは約20台流通している。MR-Sの中古車全体の価格帯は約20万~約340万円と非常に幅広い。

 さらに約90台流通しているMT車に絞ると約36万~約340万円となる。しかもそのうち約60台は100万円以下で手に入れることができるのだ。

 特別仕様車として発売されたVM180ザガート(限定100台、398万~450万円)も約3台流通していて、約189万~約298万円とかなり高値を付けている。そのうち、最も高い298万円の中古車は走行距離が0.1万kmというミラクル物件となっている。

イタリアのカロッツェリア、ザガートがデザインを手がけ、モデリスタが生産、販売したVM180ザガート。価格は398万~450万円

今後、MR-Sの中古車価格は値上がり傾向にあるのか?

 価格の安い中古車が市場から姿を消し、平均価格がどんどん値上がりしていくという国産スポーツカーに多く見られる現象が、すでにMR-Sでも起こっている。

 今後値落ちするケースは考えにくいので、購入を考えている人は早めにアクションを起こした方が良さそうだ。

■中古車購入の際に役立つMR-Sの歴史年表
・1995年:MR-Sの原型となる4人乗りコンセプトカーのMR-Jがモーターショーで発表
・1997年:コンセプトカーMR-Sが東京モーターショーで発表。1999年発表の量産モデルと外観デザインの細部が異なる
・1999年10月:正式発売
・2000年8月:5速シーケンシャルトランスミッションとトップグレードのVエディションを追加
・2002年8月:5速MTが6速に、タイヤサイズがフロント:185/55R15、リア:205/50R15から、フロント:185/55R15、リア:215/45/R16に変更。フォグランプを追加し、ヘッドランプとテールランプを変更、シート形状を穴あきタイプとなる。またボディ剛性、サスペンション剛性を強化するとともにインテリアも変更もされ、マイナーチェンジを受ける
・2004年1月:ボディ剛性を強化して車重が30kgほど増加
・2005年12月:フォグランプインジケーターを追加し、テールランプとブレーキランプの配置が入れ替わる
・2006年11月:ベース車を2007年1月に生産終了するのに伴い、特別仕様車「Vエディション・ファイナルバージョン」を1000台限定で発売
・2007年1月:生産を終了し、在庫販売となる
・2007年7月:販売を終了。総生産台数は7万7840台

■MR-S主要諸元
・全長×全幅×全高:3885×1695×1235mm
・ホイールベース:2450mm
・車重:970kg
・エンジン:直列4気筒DOHC、1794cc
・最高出力:140ps/6400rpm
・最大トルク:17.4kgm/4400rpm
・燃費:14.2km/L(10・15モード)
・価格:188万円(1999年式ベースグレード)

【画像ギャラリー】低価格でミドシップの走りの愉しさが味わえるMR-Sを写真でチェック!

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みんなのコメント

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  • 「良い車」かと聞かれれば否定するけど、「楽しい車」かと聞かれれば全肯定。
    今後も日本製スポーツカーにはどんどん「良い車」や「速い車」が出てくるだろうけど、こういう「楽しいだけの車」がまた出てきてくれることを期待してます。
  • 安くて気軽にオープンを楽しめる良い車!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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