欧州市場の回復、EVが牽引
2023年、欧州市場の新車販売はパンデミック発生以来、最高水準を記録した。この好調を支えたのが、販売台数が前年比で28%増加したEV(電気自動車)だと専門家は分析する。
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2023年に欧州全域(英国を含む)で販売された自動車は1279万2151台で、2022年比22%増、2020年比で7%増となった。調査会社ジャトー・ダイナミクスのアナリスト、フェリペ・ムノス氏は、パンデミックによるサプライチェーンの混乱はほぼ解消され、市場が正常化したと評価する。
しかし、自動車所有に対する消費者の考え方の変化と新車購入コストの上昇を理由に、「2019年に記録した1500万台を超える台数は見込めそうにありません」とした。
EV販売台数は201万1209台に増加したが、その中で主役となったのがテスラだ。同社のモデルYは販売台数25万1604台で欧州全体で最も売れた車種となり、EVとして初めて車種別トップに立った。次に人気のあったEVはモデル3で10万888台だった。
この結果、フォルクスワーゲンやトヨタといった大企業にはまだ遠く及ばないものの、ブランド別販売台数では日産やボルボを抑え、16位にランクインした。
「テスラは適切な時期に、適切な場所で、適切な製品を提供している」とムノス氏は語る。
しかし、欧州の自動車業界はまだ「大きなハードル」に直面している。というのも、フリート(社用車、レンタカー)市場向けのEVの販売台数は51%増加したが、個人消費者向けは9%と、不釣り合いに伸びているからだ。
ムノス氏は、これは個人からの「関心の低さ」によるものであり、「自動車メーカーにとって、個人向け販売は最も収益性が高い傾向にある。個人を惹きつける努力が不可欠だ」とした。
欧州におけるEVの市場シェアは、2022年の14%から昨年は16%に上昇した。ガソリン車は56%から58%に上昇したが、ディーゼル車は18%から16%に、PHEV(プラグインハイブリッド車)は9%から8%にそれぞれ低下した。
小型のBセグメントが引き続き好調な売れ行き
2023年の欧州市場の成長の大部分はEVとSUVが担っていたが、屋台骨となるのは引き続き手頃な価格のガソリンエンジン車であった。
ルーマニアのダチアが販売する小型車サンデロは、18%増の23万4715台を登録し、車種別で2位についた。3位はSUVのフォルクスワーゲン・Tロック(20万4610台)だが、ルノー・クリオ(20万1604台)、プジョー208(19万3679台)、オペル/ヴォグゾール・コルサ(18万8154台)と同様の小型車が続いた。
一方、内燃エンジンを搭載するフィアット500(10万8943台)とフィアット・パンダ(12万4796台)は、いずれも発売から10年以上が経過しているにもかかわらず、車種別トップ30にランクインした。
中国ブランドの脅威は「誇張されすぎ」
ジェイトーの調べによると、欧州市場には合計30の中国車ブランドが進出しているが、その影響力は一般的に認識されているよりもはるかに小さいという。
2023年の中国車ブランド総販売台数は7%増の32万1918台であったが、これは欧州全体の約1280万台のごく一部に過ぎなかった。
「中国車ブランドの市場シェアは、2022年の1.7%から2023年には2.6%と過去最高を記録したが、侵略という主張は誇張されている」とムノス氏は言う。
最も販売台数の多いブランドは上海汽車(SAIC)傘下のMGで、2022年の2倍以上となる23万1818台を記録した。国別では英国が最も多く、全体の3分の1以上を占めた。
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みんなのコメント
同じデータを使っても、切り口を工夫すれば、まだまだEV絶好調と思わせる記事にもできるんですね。