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大型トラックの「謎の部屋」どんなトコ? 窓は見えるけど…内部はどうなってる? 実際の使い方とは

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大型トラックの「謎の部屋」どんなトコ? 窓は見えるけど…内部はどうなってる? 実際の使い方とは

■たまに見かける大型トラックの「謎の部屋」とは

 トラックのなかには、キャビン上部に小部屋を設置しているタイプがあります。
 
 この小部屋の中ではドライバーが仮眠をとることできますが、実際にドライバーはどのような過ごし方をしているのでしょうか。

【画像】「えっ…!」 これが「謎の小部屋」です。画像を見る!(28枚)

 トラックにはいろいろタイプがありますが、たまに屋根の高いトラックを見かけることがあるという人も多いでしょう。

 こうしたトラックは、運転席の上部に、ボックス型のエアデフレクターというエアロパーツを取り付けています。
 
 エアデフレクターにもいろいろな形状があります。たとえば、傾斜角度を変えることで防風効果が調整できたり、LED看板灯をつけて広告媒体としても使えたりするものもあります。

 しかし、そのボックスの内部が「小部屋」になっており、窓までついているタイプが存在します。

 実は、この小部屋はベッドスペースであり、トラックドライバーが仮眠をとるように設けられています。

 利用するときは、潜水艇から甲板に上がるように、運転席からハシゴをのぼり、ハッチを開けて入り込みます。

 多くのトラックは、運転席の後ろに仮眠用のベッドを備えていますが、これに対し、荷台や荷室を広くするためにキャブ上部に寝台を設置しているのです。

 このようなエアデフレクターのオプションにはメーカー独自の名称がつけられています。

 三菱ふそうは「スーパーマルチルーフ」、日野自動車は「スーパーハイルーフ」、いすゞでは「マキシルーフ」です。

 では、実際にその小部屋はどのような空間なのでしょうか。

 マキシルーフについて、いすゞロジスティクス株式会社の担当者は次のように話します。

「マキシルーフは、運転席後方にあるベッドスペース分を含めて荷台容積として確保しつつ、1泊以上の長距離運行が必要となるような運送会社向けに設定しています」

 マキシルーフの内寸は最大で横198.5cm、奥行き102.5cm、高さ86.5cmです。

 シングルベッドが幅100cm、長さ195cmなので、大人一人が横になるには十分な広さといえます。

 また、キャビン内から昇降台を使って簡単に行き来できます。

■内部はどうなっているの? そしてどんな風に過ごすの?

 さらにマキシルーフの設備を詳しくみてみましょう。

 左右の側面には、天候を確認するための窓がついています。ガラスは開閉できるので、内部の温度調整も可能です。

 また、蛍光灯や24Vコンセントがあり、ルーフ内で読書やスマホ操作などができます。

 加えて、ドリンク類が飲めるようにカップホルダーも装備されています。

 あわせて、オプションでエアコンをつければ、より快適に過ごせるでしょう。

 こうしてみると、エアデフレクター内の小部屋はカプセルホテルのようなイメージです。

 トラックで車中泊するために専用の寝具を購入する人が多く、こうした2階の仮眠室の中も寝具が敷かれていることが多いようです。

 なかには低反発のマットや寝袋などを置いたり、夏の暑い日には冷感敷マットを敷くといった使い方もされているようです。

 また、車中泊用の抱き枕や扇風機、加湿器、ツボ押し器なども販売されているので、そうしたグッズが置かれているかもしれません。

 それでは、仮眠室としてではなく自由に使うことはできるのでしょうか。

 そのほかの使われ方について、前出の担当者は次のように語ります。

「主に長時間運行の合間に休憩スペースとして使われています。

 また、着替えや工具など、ちょっとした荷物を置くスペースとしても活用できます」

 長距離ドライバーはトラックの中で寝起きし、仕事をしています。

 そのため、トラック内を生活空間のように整えており、2階の仮眠室の使い方も実際にそれぞれのようです。

 たとえば、SNSネットをみると、スピーカーを置いて小部屋の中で音楽を聴いている人がいるようです。

 また、電気ポットでラーメンを作ったりコーヒーを淹れたりする人もいます。

 あるいは、洗濯物を置いたり、備蓄のインスタントラーメンを置いたりと物置代わりに使うという声もみられます。

 ガソリンスタンドや高速のSAでシャワーを浴びるための、石鹸やシャンプーを小部屋に常備する人や、着替えを置くという人もいます。

 トラック内を快適に保ちたいというドライバーは、さらにこだわった使い方がみられそうです。 

※ ※ ※

 トラックキャビン2階にある仮眠室は、ドライバーが日々の業務のなかで、それぞれの使い方をしているようです。

 普段のスムーズな生活が、こうしたトラックの進化やドライバーの努力で支えられていることは覚えておいてもよいかもしれません。

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