現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > デカすぎるからって冷静にスゴくない!? 子エスティマ誕生したワケが衝撃

ここから本文です

デカすぎるからって冷静にスゴくない!? 子エスティマ誕生したワケが衝撃

掲載 16
デカすぎるからって冷静にスゴくない!? 子エスティマ誕生したワケが衝撃

 今思えばさほどでもないが、初代エスティマは当時からすればデカかった。ユーザーからそういった声が多く、わざわざ少し小さなエスティマを出したほど。メーカー自らちょっと小さくしたモデルを作ったワケだが、これ神対応すぎないか!?

文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部

デカすぎるからって冷静にスゴくない!? 子エスティマ誕生したワケが衝撃

■超変化球なレイアウトが自慢!! 5ナンバーが当然だった時代に巨大ボディで話題に

初代エスティマは全幅1800mm超え!! 今でこそ一般的なサイズだが、当時は大きすぎたのだった

 90年代に入り、クルマの使われ方も多様化してきたタイミングで登場した初代エスティマ。日本ではまだミニバンという呼称が浸透していない時期であったこともあり、「高性能ニューコンセプトサルーン」と銘打って登場した。

 ニューコンセプトというだけあって、画期的なレイアウトを採っていた。

 場所を取るエンジンを床下に押し込み、全長の多くの室内空間に充てるという「アンダーフロアミッドシップ」というパッケージングを採用していたのだ。

 床下に収まる2.4Lエンジンはエスティマのために開発された専用のモノ。限られたスペースに収めるために右側に75度も傾け、補器類はエンジン本体を分離して搭載するという特殊なもの。

 一説には当初はコンパクトな2ストロークエンジンの「S-2エンジン」を搭載する予定であったが、排出ガスの問題で急遽通常のガソリンエンジンに切り替えたとも言われている。いずれにしても画期的なレイアウトを持っていたことには変わりはないだろう。

 そんな初代エスティマは元々北米市場を主戦場として考えられており、日本初披露の場となった1989年の東京モーターショーでも、左ハンドル仕様で現地名のプレビアとして展示されるほど。

 それだけにボディサイズも5ナンバーサイズが当たり前だった当時としては大柄で、全長は4750mm、全幅は1800mmとなっており、日本国内からは「大きすぎる」という声も少なからず挙がっていたのだった。

■ボディサイズを縮小し、5ナンバー枠に収めた派生車種をリリース

ユーザーの声に応えるべくコンパクトサイズのモデルを投入するほど本気だったのだ

 トヨタとしても日本国内でエスティマは大きすぎる、という声が出ることはある程度予期していたのか、1992年1月にエスティマの画期的なミッドシップレイアウトやワンモーションフォルムは踏襲しつつ、全長を60mm、全幅を110mm縮小したエスティマ・ルシーダ(カローラ店)とエスティマ・エミーナ(トヨタ店)をリリースする。

 軽自動車をベースに普通車枠サイズに拡大した車両というのは過去に多く存在していたが、大柄のボディをコンパクトに縮小するというのは前代未聞。

 前後の意匠を巧みに変えることでアンバランスなルックスにならないように配慮するなど、この辺りの処理はさすがトヨタといったところ。

 エンジンはエスティマにも搭載されていた2.4Lガソリンエンジンのほか、2.2Lのディーゼルターボを新たに設定し、こちらは名実ともに5ナンバー登録となっていた。

■親分にないMTも!! しかもアエラスは子エスティマからだった

内装も本家エスティマとはデザインが異なるなど、力の入れようがスゴい!!

 またトランスミッションはエスティマと同じコラム4速ATのほか、エスティマには存在しないフロアの5速MTもラインアップ。

 まだまだMT需要が高かった日本向けのモデルであることを感じさせる設定となっていたこと特筆すべき点と言えるだろう。

 1996年8月のマイナーチェンジでは、ルシーダとエミーナにエスティマファンにはおなじみのスポーティグレードの「アエラス」を追加。

 実は本家エスティマのアエラスは1998年1月のマイナーチェンジ時に追加されており、ルシーダ/エミーナが先駆けて導入していたのであった。

■ライバルもサイズ拡大!! 時代の流れに逆らえず終売へ

フロントと内装のほかに、テールランプの意匠まで専用とするなど、一目見てエミーナ!! などと判別できたほど

 当時の日本国内の需要を鑑みて投入された5ナンバーボディを持つエスティマルシーダ/エミーナであった。

 だが、1994年に3ナンバーボディのみのラインナップで登場し、大ヒット車種となった初代オデッセイが登場以降は3ナンバーボディへのユーザーの拒否感も薄れてきてきていた。

 その流れもあってか1996年10月にはセミキャブスタイルの5ナンバーミニバン、ライトエース・ノア/タウンエース・ノアが登場すると、ルシーダ/エミーナの需要は縮小。

 グレードを整理しながらも1999年末まで生産が続けられ、本家エスティマが2代目へとフルモデルチェンジを果たしたタイミングで、本家に吸収される形で姿を消すこととなった。

 日本市場のために専用のボディを用意するとは、さすがバブル前後の日本は勢いがあったんだなあ……と思ってしまうエピソードではある。

 だが、冷静に考えてみると現在販売中の12代目カローラも、日本仕様は海外仕様とデザインこそ共通であるものの、ボディサイズは一回り小さくなっており(カローラスポーツのみ海外と共通)、仕向地によってボディサイズを変えるのはトヨタにとっては朝飯前なのかもしれない。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ラッセルはFP1でのルーキー起用増加を歓迎も、マシン損傷があった場合の修復費用はコスト制限から外すべきだと提案
ラッセルはFP1でのルーキー起用増加を歓迎も、マシン損傷があった場合の修復費用はコスト制限から外すべきだと提案
AUTOSPORT web
マツダ新型「CX-5」まもなく登場!? 独自「ハイブリッド」&ダイナミックデザイン採用か? デビュー7年目の大進化予想CGがスゴイ
マツダ新型「CX-5」まもなく登場!? 独自「ハイブリッド」&ダイナミックデザイン採用か? デビュー7年目の大進化予想CGがスゴイ
くるまのニュース
ロゴを刷新した新生ジャガー、デザインビジョンコンセプト発表へ…12月2日
ロゴを刷新した新生ジャガー、デザインビジョンコンセプト発表へ…12月2日
レスポンス
【遂に価格決定】フォルクスワーゲン新型ティグアン 3世代目は7年ぶりのモデルチェンジ
【遂に価格決定】フォルクスワーゲン新型ティグアン 3世代目は7年ぶりのモデルチェンジ
AUTOCAR JAPAN
もうこんな[クルマ]作れないかも?? 買うなら今よ初代[コペン]!!
もうこんな[クルマ]作れないかも?? 買うなら今よ初代[コペン]!!
ベストカーWeb
レクサス「UX300h」に特別仕様車/「LBX」にエントリーグレードを設定! 511万円と420万円からというお値段以上の中身を紹介します
レクサス「UX300h」に特別仕様車/「LBX」にエントリーグレードを設定! 511万円と420万円からというお値段以上の中身を紹介します
Auto Messe Web
はみ出した看板! 酔って道路に座り込み! ヘタしたら打ち水も! そこかしこで見かける道路交通法違反
はみ出した看板! 酔って道路に座り込み! ヘタしたら打ち水も! そこかしこで見かける道路交通法違反
WEB CARTOP
欧州フォード、2027年末までにさらに4000人削減 EV工場も生産調整
欧州フォード、2027年末までにさらに4000人削減 EV工場も生産調整
日刊自動車新聞
【ヨーロッパ以外で初】本日から開催! アルピーヌA110RGTが「フォーラムエイト・ラリージャパン2024」参戦
【ヨーロッパ以外で初】本日から開催! アルピーヌA110RGTが「フォーラムエイト・ラリージャパン2024」参戦
AUTOCAR JAPAN
今年は飛びませんように……ラスベガスGP、マンホール/水道管の蓋を舗装&補強。昨年とばっちりのサインツも「安全が何よりの願い」
今年は飛びませんように……ラスベガスGP、マンホール/水道管の蓋を舗装&補強。昨年とばっちりのサインツも「安全が何よりの願い」
motorsport.com 日本版
EV好調のシトロエン『C3』新型、欧州カーオブザイヤー2025最終選考に
EV好調のシトロエン『C3』新型、欧州カーオブザイヤー2025最終選考に
レスポンス
ルノー新型「5 Eテック」は約450万円から 英国仕様が発表、春に納車開始へ レトロな最新EV
ルノー新型「5 Eテック」は約450万円から 英国仕様が発表、春に納車開始へ レトロな最新EV
AUTOCAR JAPAN
レクサス新型「“和製”スーパーカー」に反響多数! V8×超美麗ボディに「いつ登場する!?」「憧れる」の声も! 噂の「LF“R”!?」に期待高まる
レクサス新型「“和製”スーパーカー」に反響多数! V8×超美麗ボディに「いつ登場する!?」「憧れる」の声も! 噂の「LF“R”!?」に期待高まる
くるまのニュース
通学向けに特化した専用設計 ヤマハ新型「PAS ULU」登場 バイクメーカーならではの設計が
通学向けに特化した専用設計 ヤマハ新型「PAS ULU」登場 バイクメーカーならではの設計が
バイクのニュース
いまさら聞けない「水素自動車」って何? メリット/デメリット、課題とは 普及は実現可能か
いまさら聞けない「水素自動車」って何? メリット/デメリット、課題とは 普及は実現可能か
AUTOCAR JAPAN
10年の休眠を経てシングルナンバーで路上復帰! 激レアいすゞ「ベレットGT」のファストバックに34年…2年がかりでリフレッシュ!!
10年の休眠を経てシングルナンバーで路上復帰! 激レアいすゞ「ベレットGT」のファストバックに34年…2年がかりでリフレッシュ!!
Auto Messe Web
ペダル踏み間違い時加速抑制装置、国連基準化 2025年6月義務化へ 日本発の技術が世界標準に
ペダル踏み間違い時加速抑制装置、国連基準化 2025年6月義務化へ 日本発の技術が世界標準に
日刊自動車新聞
メルセデスベンツ、新型EVバス『eIntouro』発表…欧州初の無線更新可能なバスに
メルセデスベンツ、新型EVバス『eIntouro』発表…欧州初の無線更新可能なバスに
レスポンス

みんなのコメント

16件
  • 平成5年式のエミーナに乗ってました。すごく運転しやすかった。親よりも内装はちょっとチープな感じがしたけど、対面シート、ツインムーンルーフ、電動カーテン、温冷蔵庫なんかの装備も良かった。
  • だから国産車は5ナンバーじゃないと売れないんだよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

327.1391.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

11.9590.0万円

中古車を検索
エスティマの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

327.1391.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

11.9590.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村