現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 新型アリアNISMO実走テスト! ~電動スポーツ最前線~

ここから本文です

新型アリアNISMO実走テスト! ~電動スポーツ最前線~

掲載 3
新型アリアNISMO実走テスト! ~電動スポーツ最前線~

新車試乗レポート [2024.04.23 UP]


新型アリアNISMO実走テスト! ~電動スポーツ最前線~

電気レースカーが東京で迫力のバトルを披露 【2024 TOKYO E-PRIX】

e-4ORCEが実現した新次元の操る楽しさを体感!
電気自動車時代の開幕を告げた日産が自信を持って世に送り出した電動SUV「アリア」に高性能モデルが登場。6月の発売が予定されている。伝統の「NISMO」の名が与えられるだけに、走りは良くなっていて当たり前、どこまでスペックアップしているのか? がこのモデルの見どころだ。目の肥えた「走り大好き」ユーザーたちの期待に応えることができるのだろうか?

●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久


NISSAN 新型アリア NISMO 先行試乗リポート
日産自慢の最先端技術を
体感できる格好のサンプル
 リーフに続く量販BEVの第二弾として誕生したのがアリアだ。ベーシックな2BOXのリーフに対して、アリアは全長4.6mのミドルSUVとして開発されている。静粛性の高さやコントロール性のよさ、優れた瞬発力など、BEVの特徴を網羅的に備えた設計が与えられているが、中でも精密な駆動力制御を活かすことで、操安性や乗り心地の向上を図る「e-4ORCE」は、積極的にアリアを選ぶ大きな理由にもなっている。そんなアリアの走りの魅力をより高めてラインナップに加わるのが、このアリアNISMOだ。
 NISMOは、日産のモータースポーツ部門を担うリアルチューナーとしての活動が有名だが、そのセンスと思想を継承し、市販車に落とし込んでいるのが、NISMOが手がけるカスタマイズカーの特徴だ。現行モデルではノート オーラからGT-Rまで全5モデルを展開していたが、その最新ラインナップとしてアリアNISMOが投入される。
 モータースポーツのイメージからすると性能至上主義のクルマと思いがちだが、NISMO車の特徴は操る手応えと安心感の両立であり、動力性能も操縦性、さらには乗り心地でも質の向上を狙っている。サーキットモデルというよりも、どちらかと言えばスーパーツアラー的なモデルといえる。
 アリアNISMOでも、そんな基本は変わっておらず、走行性能面の変更はプログラムが主体となっている。機械的構造部での変更箇所はサスペンションやブレーキパッド、タイヤくらいだ。

専用プログラムの採用で
出力とレスポンスを向上
 NISMOチューンの中核となる制御系プログラムの変更は、加速特性や最高出力だけでなく、e-4ORCEにも及ぶ。システム最高出力は290kWから320kWに強化され、さらに幅広い回転域でのトルク特性が向上したことで、より中高速の加速性能が高まっている。前後のトルク配分とブレーキ制御による4輪への駆動力配分を能動的に制御するe-4ORCEの基本的な動きはベース車と変わらないが、コーナリング状況に応じて後輪の駆動力を大きくすることで、操舵追従性を高めているNISMO専用チューンが施されている。
 赤をアクセントとした内外装は、控え目ながら一目でNISMO車を印象付ける。所有欲を満たしてくれるアプローチは好感。ほかにも空気抵抗の軽減とダウンフォースの強化を図ったエアロチューンや、ハードなスポーツドライビングにも対応したシート設計など、オリジナルのイメージを崩さず品よくスポーティな味わいを深めている。内外装から受ける印象と走りの方向性が一致していることもアリアNISMOの特徴だ。
 試乗した印象は、アリアのベース車やエクストレイルといったe-4ORCE搭載モデルと比較すると、ハンドリングは少しバランスを崩した印象を受ける。具体的には操舵追従や加速しながらの増舵による回頭性を強めることで、ハンドリングの切れの良さを強く主張。一言でいえば「切れすぎる」ハンドリングだ。ただ、こう感じるのは最初の初期反応だけで、危うさは感じない。安心して操る手応えを楽しめる、アリアらしい走りの魅力は共通だ。

NISMOモードで
じゃじゃ馬的な味付けに
 動力性能については、走行モードに新たに追加されたNISMOモードがちょっとじゃじゃ馬的。蹴り出し感が強めなドライブフィールだ。そして、その他の走行モードでは滑らかで従順な特性に変貌を遂げる。安全を担保しながら、冒険気分も味わうことができる、腕自慢にとってはなかなか面白いファントゥドライブも楽しめる。
 開発陣は明言していないが「手応え」あるいは「刺激」の演出がアリアNISMOの性能設計の要点と考えられる。例えば、ボーズ・オーディオ採用車に採用されたEVサウンド。エンジン音の代わりに高性能BEVらしい走行音で、加減速を盛り上げるのが狙いだ。
 踏み込み初期トルクを大きめに取ったNISMOモードも、必要以上に操舵追従の鋭いハンドリングも、クルマに宿る限界性能を引き出すために必須とは思わないが、こんな尖り具合もファントゥドライブの妙味のひとつと感じさせてくれる。質と安全のバランスの良さが重視される時代の、新しいファントゥドライブを予感させてくれる一台だ。


アリアNISMO B9 e-4ORCE 価格:944万1300円
主要諸元 ◦全長×全幅×全高(mm):4650×1850×1650 ◦ホイールベース(mm):2775 ◦車両重量(kg):2210 ◦パワーユニット:前後モーター(フロント:160kW/300Nm、リヤ:160kW/300Nm) ◦駆動用バッテリー:リチウムイオン電池(352V・91kWh) ◦ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F&R) ◦サスペンション:ストラット式(F)マルチリンク式(R) ◦タイヤ:255/45R20


前後バンパーやオーバーフェンダー、リヤデッキスポイラーなどもNISMO専用となることで、標準仕様車との差別化がされている。

黒を基調としたインテリア。各所にレッドアクセントを配することで、上質でスポーティーな空間を楽しませてくれることも魅力。

NISMOモードを備えたことで、クルマを操る魅力もアップ。それでいて、むちゃをした運転でも破綻させないという、電動車技術のセオリーもしっかりと守っている。コーナーを攻めたい腕自慢にとっても魅力的な一台に仕上がっている。

NISMO専用プログラムにより、システム最高出力は290kWから320kWに強化。駆動用バッテリー容量が91kWhの「B9 e-4ORCE」(試乗モデル)と、66kWhの「B6 e-4ORCE」の2グレードが設定されている。

タイヤはフォーミュラEの知見を活かして専用開発されたミシュラン・パイロット・スポーツEVの20インチをインストール。サスペンションは基本形式こそベース車と共通だが、旋回力の限界とコントロール性にこだわった専用チューンになる。

こんな記事も読まれています

これはリアビューカメラ? ジャガー、次世代EVコンセプトの新たな画像を公開
これはリアビューカメラ? ジャガー、次世代EVコンセプトの新たな画像を公開
AUTOCAR JAPAN
一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
motorsport.com 日本版
日本に世界が注目!? 公道激走バトルの「ラリー」開催! 3年目の「ラリージャパン」どんな感じ? トヨタ会長が語る
日本に世界が注目!? 公道激走バトルの「ラリー」開催! 3年目の「ラリージャパン」どんな感じ? トヨタ会長が語る
くるまのニュース
新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
レスポンス
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
くるまのニュース
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
バイクのニュース
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
レスポンス
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
motorsport.com 日本版
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
くるまのニュース
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
バイクのニュース
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
ベストカーWeb
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
WEB CARTOP
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
日刊自動車新聞
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
AutoBild Japan
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
くるまのニュース
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
VAGUE
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
motorsport.com 日本版
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
くるまのニュース

みんなのコメント

3件
  • ハンフリー
    重いしカッコ悪い。これじゃあ買わない
  • gin********
    これは売れないな。価格に性能が全く追いついていない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

659.0944.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

368.01140.0万円

中古車を検索
アリアの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

659.0944.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

368.01140.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村