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世界の自動車界に広がる噂「次期プリウスは水素エンジンを搭載する」は本当か?

掲載 更新 110
世界の自動車界に広がる噂「次期プリウスは水素エンジンを搭載する」は本当か?

<すでに水素エンジンのカローラがスーパー耐久を完走>

2021年のスーパー耐久では水素エンジンのカローラスポーツが走っています。水素を安定して燃焼させるのは非常に難しく、それが水素を使うレシプロエンジンの課題といえますが、水素エンジンのカローラスポーツはデビュー戦である24時間耐久をしっかりと完走しました。

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水素と酸素を反応させて水だけを排出する燃料電池とは異なり、水素エンジンの場合はNOx(光化学スモッグの原因となる窒素酸化物)などの発生がゼロとはいえませんが、基本的には水だけを出すエンジンといえます。つまり内燃機関ながら、ほぼゼロエミッションなのです。電動化時代にエンジンの鼓動が消えてしまうことを残念に感じているユーザーからすれば、水素エンジンは救いの神のように見えるかもしれません。

<ハイブリッドだけではプリウスブランドの特別感がない>

そんなトヨタの水素エンジンに関する海外での報道が日本でも話題になっています。なんとハイブリッドカーの代名詞「プリウス」に水素エンジンを搭載する計画があるというのです。どこまで信頼していい情報なのか疑問もありますが、プリウスに水素エンジンを積むというストーリー、果たしてあり得るのでしょうか?

まず、プリウスというブランド価値を残すのであれば、水素エンジンは非常に理に適った選択といえます。すでにハイブリッドであることは珍しいことではなく、プリウスというブランドに特別感がなくなってきています。このままプリウスは役目を終えてもいいのかもしれませんが、もし水素エンジンを載せたハイブリッドカーとして生まれ変われば、世界中に大きなインパクトを与えるのは間違いありません。

<水素燃焼の特性と、トヨタ式ハイブリッドの相性も良さそう>

水素エンジンの特性からしても、エンジンだけで走るパワートレインよりも、トヨタ式ハイブリッドの特徴である動力分割機構を使うことで、エンジン負荷を水素燃焼の特性に合わせて調整しやすくなります。この点でも量産車に水素エンジンを載せるのであればハイブリッドと組み合わせることはベターな選択で、そうであればプリウスというハイブリッド専用車に水素エンジンを搭載することは合理的な判断になります。

トヨタのような大きな企業になると、様々なプロジェクトがあって、プロジェクトリーダーが自分のプロジェクトの効果的な活用や、そのプロジェクトに最適な技術やアイデアを求めているものです。

そう考えると、水素エンジンのプロジェクトからも、次期プリウスの立場からも、プリウス+水素エンジンというのはウインウインの関係になるといえます。

<水素ステーションの普及を後押しする効果もあり>

それだけではありません。

現在、国内では実質的に唯一の量産燃料電池車となっている「トヨタ MIRAI」ですが、その普及においては水素ステーションのインフラ整備がネックになるといわれています。政府は水素ステーションに多額の補助金を出していますが、それでも燃料電池車の販売台数が少なく、水素ステーションがビジネスとして回らないのであれば、そこに投資するというのは難しくなります。

たまごとニワトリの話ではありませんが、水素ステーションが整備されないから燃料電池車は売れず、燃料電池車が売れないから水素ステーションは増えていかないのです。

そこにプリウスが水素エンジンを積めば、水素ステーションの普及を後押しすることは間違いありません。つまり、水素エンジンの量産化は燃料電池車の販売をアシストする存在という見方もできるわけです。その意味では、名前の通り燃料電池車に未来を賭けているトヨタには、水素エンジンを量産するインセンティブがあるわけです。

こうした背景からも、水素エンジン搭載プリウスの噂を単なる妄想記事と一笑に付すことはできないかもしれません。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

※写真
1枚目:トヨタ プリウス(現行モデル)
2枚目:トヨタ ミライ(現行モデル)

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みんなのコメント

110件
  • プリウスとは何かを考えれば、水素エンジンの大衆化に取組む可能性あるな
  • うちの近所では現行ミライに乗っている方が少なくとも三人はいます。近くに水素ステーションがあるからですが、いづれも子育てを終えた高齢夫婦世帯です。
    徐々にではありますが、水素ステーションの数も増えていますし、もうしばらく普及には時間が掛かるんじゃないですかね。
    次期プリウスに水素エンジン仕様が設定されたとしても、メインはやはりHVかPHEVでは無いでしょうか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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