ポルシェの生産拠点となるドイツのツッフェンハウゼン工場では着々と新モデルを生産する準備が整っていた。それはポルシェ初の電気自動車であるタイカンや伝統的なアイコンとなるニュー911である。(文:千葉知充・Motor Magazine)/写真:ポルシェジャパン)
ポルシェのツッフェンハウゼンの生産拠点では、2019年の秋からデリバリーが始まるタイカン用の工場が敷地内に作られている。そこでは、タイカンとタイプ992と呼ばれている新型911が同じラインに流れ生産される。そして従来からある工場では2ドアポルシェ、つまり911/718ケイマン/718ボクスターが生産されている。今回はその工場を見ることができた。
えっ! ナンバープレートに、アルファベットが入っているのはなぜ?【くるま問答】
ここでの工程は全部で118ありそれぞれの工程でのタクトタイムは3分で、約250台/日の完成車が生み出さる。またここで働いている人の数は多く5237人(2017年時点)で、そのうち12%が女性である。そして生産台数は5万1878台(2017年実績)だ。
その生産方式はジャストインタイム。スーパーマーケットと呼ばれるストック場所から時間どおりに運ばれて来る部品を指示どおりクルマに取り付けるのだ。その工程を見ていたがそこには他では見られないほど多くの人数が関わっていたのが印象的だ。
またツッフェンハウゼンでは、エンジンも作る。現在は、フラット4とフラット6が作られる。以前はV6エンジンも作っていたが現在はアウディが生産し、ポルシェなどの各グループに供給しているのだ(同じような意味ではランボルギーニウルス、ベントレーベンテイガが搭載するV8エンジンはポルシェが作っている)。そしてここでは約260基/日のエンジンが製造されている。
ちなみにこの生産拠点での定年は67歳なのだという。さらに年齢が高くなると身体の負担が少なくなるような部署に移動して活躍できるのだという。だから働いている人がみんな笑顔なのかもしれない。こちらを見て挨拶してくる人もいる。とてもフレンドリーな工場である。私が日本からきたポルシェのオーナーに見えたのだろうか、それとも見学にくる誰にでも笑顔を見せてくれるのだろうか。
最後に縫製工場も見学した。そこでは、ほぼ100%女性の職場だ。あらかじめカットされた革をここでミシンで縫製しているのだが、それはまるで池井戸潤原作のTBSドラマ「陸王」の「こはぜ屋」の世界であった。
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