待望の開幕を迎えた2023年シーズンのF1。開幕戦バーレーンGPのフリー走行2回目のセッションは、アストンマーチンのフェルナンド・アロンソがトップとなった。
舞台はバーレーン・インターナショナル・サーキット。現地時間は18時を迎え砂漠に日が落ちたことで、FP1と比べてコンディションは大きく変化。気温は23度、路面温度は42度から28度まで落ち込んだ。
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予選、そして決勝レースが行なわれる時間帯と同じということで、FP2は最も重要なプラクティスとも言えるが、60分のセッションが開始されるとトレーニング中の負傷でプレシーズンテストを走れなかったランス・ストロール(アストンマーチン)を先頭に、各車続々とコースに向かった。
FP1ではソフトタイヤを使わなかったフェラーリやメルセデス、アルピーヌといったチームは走り出しからソフトタイヤを装着。一方でFP1でソフトタイヤを使っていたレッドブルの2台を含め、ミディアムタイヤを履くマシンも多かった。
早々にカルロス・サインツJr.(フェラーリ)が1分31秒956でタイムシートのトップに立つと、チームメイトのシャルル・ルクレールがさらにそれを0.113秒上回って見せる。ただ、ルクレールは無線でFP1から引き続きクラッチに違和感があると訴えた。
ストレートで角田裕毅(アルファタウリ)とオスカー・ピアストリ(アストンマーチン)が並走していた際、ターン1でスローダウンしているマシンにあわや接触という危険なシーンもあった。ピアストリはその後もタイヤをロックさせてしまい、タイヤにダメージを負ってピットに戻った。
フェラーリ勢はアタックをしてタイムを出すと一旦ピットイン。もう一度3周の走行を繰り返した。一方、ミディアムタイヤで周回を重ねていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はプレシーズンテストの時よりも「マシンが跳ねている」というコメントを残した。
セッション開始から16分ほどが経つと、全車がピットに戻りサーキットに静かな時間が訪れる。それもつかの間、ウイリアムズのローガン・サージェントがソフトタイヤを装着して、予選シミュレーションを開始した。
それを皮切りに各車が続々とソフトタイヤに履き替えてアタックを実施した。ここで速さを見せたのはストロール。プレシーズンテストに出られず、アタックはこれが今季初めてのはずだが、1分31秒450を叩き出してタイムシートのトップに躍り出た。
しかしサプライズは続く。そのタイムをハースのニコ・ヒュルケンベルグが上回って見せたのだ。その後もペレス、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)がそのタイムを更新していった。
アロンソのタイムは1分30秒907。少し遅れてアタックを実施したディフェンディングチャンピオンのフェルスタッペンは2番手に食い込んで見せるが、アロンソに0.169秒届かなかった。
セッション残り25分が過ぎると、各車が燃料を多めに搭載したロングランを開始。ほとんどのマシンがまずソフトタイヤのデータを収集。ウイリアムズはハードタイヤでも周回を重ねた。
レッドブルの2台は1分37秒台のラップを安定して並べるが、アロンソはそれと同等か上回るペースでロングラン。燃料搭載量が分からない以上、絶対的なことは言えないものの、一発アタックだけの速さではないことを見せつけた。
トップ10に2台を揃えたのは、アストンマーチンとレッドブルのみ。この2チームが今後のセッションも引っ張っていく可能性が高いだろう。
首位のアロンソは、タイム更新を狙ったパフォーマンスランをせずにプレシーズンテストを終えたが、このセッションで隠していた牙を剥いた。チームメイトのストロールも、怪我でステアリングを持ち替えざるを得ないなど、影響はあるようだが6番手につけている。
レッドブルはフェルスタッペン2番手、ペレスが3番手。2台が近いタイムを揃えているが、テストの時ほどマシンが決まっていない可能性もある。この2チームの力関係は、金曜の夜にデータを分析し、どこまで改善できるかによっても変わってくるかもしれない。
4番手につけたのはルクレール。チームメイトのサインツJr.の14番手がアタックをまとめられなかったためだとしても、少しトップ3に差をつけられた形だ。メルセデスもルイス・ハミルトンが8番手、ジョージ・ラッセルが13番手と勢力図が大きくシャッフルされている可能性もある。
アルファタウリは角田裕毅が18番手、ニック・デ・フリーズが19番手という苦しい結果に。デ・フリーズはピットアウト時に他車と交錯しかけ、セッション後の審議対象となってしまっている。
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