チューンドロータリー歴代2位の記録を手にしたFD3S
完全ストリップ状態から作り上げた超軽量タイムアタックスペシャル!
「マツダ車を知り尽した名門が放つRX-8コンプリートチューンド」オートエクゼSE-04という名作
自社でデモカーを所有しないチューニングショップも増えてきた昨今、わざわざドンガラ状態からタイムアタック仕様のデモカーを作り上げた栃木県のサカモトエンジニアリング。
その理由のひとつとして、ユーザーマシンではどうしても「壊すわけにはいかない」という意識がつきまとい、限界まで攻めたチューニングが行えないからだ。
「セオリーとか、他人に言われたことじゃなく、自分で試さないと気が済まないんです。だから、自分が納得するまでテストできるデモカーを作りました」と語る代表の坂本さんは、まだ30代の若手チューナーだ。
ストリップ状態からのマシン製作によって得られる経験値はもちろんのこと、完成後もさまざまなエンジン仕様でのタービンマッチングテストや、レースガスを使ったセッティング比較など、データやノウハウを蓄積し続けている。
また、このマシンは軽量化にこだわって製作されているのもポイント。エアロパーツの追加などで多少増量しているものの、完成時の車重は1トンを切っていたというから驚きだ。もちろんスポット増しも全体に施されているし、ロールケージも13点式で張り巡らされている。にもかかわらずこの軽さを実現しているのだから、不要な部分の徹底的なダイエットが敢行されているのは、想像に難くない。
エンジンセッティングやタービンマッチングのテストなども頻繁に行っているため、エンジンやタービンの仕様もよく変更されるという。取材時はサイドポート加工+T78-29Dタービンという仕様だったが、ポートはクロスポートやペリも試しており、タービンもT88-34DやT88-38GKなどを使い分けている。当然ながら排気系もワンオフ製作されたもの。ミッションはHKS6速シーケンシャルだ。
このマシンのポイントのひとつがフルコンVi-PECを使用しているところ。セッティングはもちろんのこと、様々なセンサーからのデータをロギングして、そのデータを蓄積しているのだ。
メンバーは溶接補強を施し、アーム類はフルピロ化。サスペンションはエナペタル製(現在はハイパコスプリング)をチョイスしている。
ブレーキはフロントがプロジェクトミュー製キャリパー&ローター、リヤはノーマルキャリパーのままローターとブレーキパッドをプロジェクトミュー製に交換。デフはOS技研のスーパーロックLSDだ。
軽量化を実現するためにボディ各部を切り落としていて、燃料タンクはリヤハッチ部分に配置されている。完成時に計測したところ車重は981kgだったとのこと。
タイヤは265/35-18のアドバンA050(GS)からスタートし、2018年時点では295/35-18までサイズアップしている。ホイールは現在アドバンレーシングGTでサイズは11J+30だ。
坂本さんがよくお客さんにオススメしているのが、オリジナルのシフトノブ(9000円)とカラー(3000円)への交換。特にカラーは純正プラスチックがヘタっていることも多く、金属製に交換することでシフトフィールが激変するという。
エクステリアはRE雨宮製エアロキットをベースに、フロントアンダーパネルやリヤディフューザーなどを追加。ルーフやドアはボディ同色に塗られているものの、実はドライカーボン製に交換されている。
なお、撮影した時点でのデモカーはあくまで“ベース状態”と言うことを付け加えておく。この後からロータリー最速を目指して急激な進化を遂げ、2018年2月に筑波サーキットでチューンドロータリー歴代2位となる54秒252というスーパータイムをマークしているのである。
●取材協力:サカモトエンジニアリング 栃木県宇都宮市幕田町311-4 TEL:028-684-1525
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