この記事をまとめると
■タイ・バンコクでのタクシー車両の定番はトヨタ・アルティスだった
タイのトゥクトゥクもインドのオートリキシャもEV化! なのに日本は「公共交通機関のEV化」が遅々として進まない酷すぎる現状
■しかし2023年3月末に訪れるとそれ以外のタクシーが目立っていた
■急速なBEV化によってトヨタ車のタクシー車両への採用が減っていく可能性も
さまざまなメーカーやタイプのタクシー車両が街を走っていた
バンコク市内でタクシーといえばカローラ・アルティス(中国を除くアジア市場では広くアルティスというペットネームがカローラセダンにつく)が当たり前。現行モデルが出て久しいものの、日本と同じくコロナ禍でタイのタクシーも売り上げ不振が続いたこともあるのか、車両の入れ換えがなかなか進まないようで現行モデルのタクシーは筆者が思っているほど、2023年3月末に訪れても増えていなかった。
新旧はさておき、カローラ・アルティスが当たり前のバンコクのタクシー事情だが、それでもカローラ以外の車両も走っている。コロナ禍前から目立ってきたのは中国・比亜迪(BYD)汽車のe6だけを使うタクシー事業者。またロンドンタクシー(旧型)のみを使用する事業者もある。
またカローラ・タクシーはトランクにガスタンクを搭載していることもあり、荷物が多かったり、多人数で乗車することを想定したトヨタ・イノーバ(ミニバン)やフォーチュナー(3列シートを持つSUV)なども走っている。
タイ政府もBEV化を推進! トヨタはどう立ち向かう!?
現地報道ではタイでライドシェアサービスの「GRAB(グラブ)」を運営する「グラブ・タイランド」が、中国・上海汽車系となるMGタイランドと提携し、グラブドライバー向けにMGのステーションワゴンタイプのBEV(バッテリー電気自動車)となる「EP」について、魅力的なローンプログラムで車両提供しているとのこと。
タイ政府がBEVなどのZEV(ゼロエミッション車)導入に積極的なことや、BEVにすることで燃料費負担の軽減もはかれるのでドライバーメリットも高いとのことで導入されたようだ。もちろんMGとしてもフリート市場に食い込みたいという思惑もあるだろう。
タクシー車両がカローラだらけとなっているなか、トヨタは今年3月末から4月上旬に開催された、第44回バンコク国際モーターショー会場内の自社ブースに、日本仕様のJPNタクシーをタイのタクシー風にアレンジしたコンセプトカーを出品し、会場内で大注目されていた。
すでにバンコク市内を走るエアコン付き路線バスのほとんどが1年も経たない短期間でBEV車両に入れ替えられている。バンコクなど街の風景ともなっている3輪タクシー「トゥクトゥク」も2025年までに完全BEV化予定と政府は表明している。こうなるとタクシー車両も追って知るべし状態。
現状ではタクシーがほぼほぼカローラだらけで、カローラフリークの筆者もじつに気持ちいいのだが、このカローラにとって「我が世の春」のような状態もいまのままでは、あっという間に変わる可能性も否定できない。HEV(ハイブリッド車)であるJPNタクシーをモーターショーで展示したトヨタも、そんなタイのタクシー事情の変化に敏感に反応した結果が今回のショー展示なのかもしれない。
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