ディーノ 246GTは、エンツォ・フェラーリの愛息アルフレードの愛称から名づけられた「6気筒」のフェラーリ【スーパーカークロニクル／010】

スーパーカーといえば「ミッドシップの2シーター、エンジンはDOHCでV8以上。ただし、ほかに惹き付ける魅力があれば例外もあり・・・」というのがざっくりとしたイメージだろうか。1970年代半ばに大ブームが起きてから50年近くの歳月が流れ、そのイメージは少しずつ変わってきているようにも見える。本連載では1966年から現代までスーパーカーを並べていくので、変遷していくさまをお楽しみいただければと思う。【第10回はディーノ 246GTだ。】

ディーノ 246GT（1969-1974年）
1967年、当時のF2（フォーミュラ2）レーシングカーの規定変更により、搭載できるエンジンは連続した12カ月に500台以上生産されたものでなければならないとされた。この規定を自社だけではクリアできないと判断したフェラーリは、フィアットと手を組む。こうしてフェラーリが設計してフィアットが製造した2LのV6エンジンを搭載したピッコロ（イタリア語で「小さな」の意味）フェラーリ、ディーノ 206GTは何台かのプロトタイプを経て1968年に販売が開始された。

1969年、206GTの販売開始から9カ月後にディーノは排気量を2.4Lにアップした246GTに切り替わる。フェラーリの総帥エンツォの愛息アルフレードの愛称から名づけられたディーノは、「【12気筒以外はフェラーリにあらず】という理由からフェラーリの車名は与えられなかった」という話は本当なのかは、今もなおクルマ好きの間で論議される話題だが、ディーノ 206GT／246GTがフェラーリ製のスポーツカーであることに間違いはない。

ディーノ 246GTは、2本のメインチューブをクロスメンバーでつなぎサブフレームでボディを支持する、当時のフェラーリの手法で構成されたシャシに、5速マニュアルトランスミッションと一体化させたV6エンジンを横置きミッドシップ搭載する。

ホイールベースを206GTよりも60mm延長されたが、ピニンファリーナの手になる美しいボディスタイルは、微塵も破綻することなく継承されている。ただし、206GTでアルミニウム製だったボディはスチール製に替えられている。

2.4LのV6エンジンゆえ、パワースペックは195ps／22.9kgmとスーパーカーと呼べるほどのパフォーマンスは発生してはいない。だが、1トンそこそこの車両重量には十分なスペックであり、しかも卓越したハンドリングにより、V6搭載車をフェラーリとは認めないティフォシ（イタリア語で「熱狂的なファン」の意。またはフェラーリファン）たちを黙らせる完成度を誇った。

ディーノ 246GTは生産期間中の改良でL／M／Eの3シリーズに進化していくが、細かい部分の改良点が多く、外観に大きな変化はない。そうした意味でのハイライトは、1972年に登場した246GTSだろう。デタッチャブルルーフを備えた246GTSは北米で大人気を博していく。

ディーノ 246GT　主要諸元
●全長×全幅×全高：4235×1700×1135mm
●ホイールベース：2340mm
●重量：1080kg
●エンジン種類：60度V6 DOHC
●排気量：2419cc
●最高出力：195ps／7600rpm
●最大トルク：22.9kgm／5500rpm
●駆動方式：横置きミッドシップRWD
●トランスミッション：5速MT
●タイヤサイズ：205／70VR14

[ アルバム : ディーノ 246GT はオリジナルサイトでご覧ください ]

Comments

美しい車ですよ。例え1/43のミニカーであっても惚れ惚れします。

英国に住む人のブログでかなり安く売ってる人が紹介されてましたが、
イタリアでなら幾らなんでしょうね～