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ドイツ4強、前年度比プラスはVWのみ なぜ全体は増? 「2019年3月に売れたインポートカー」

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ドイツ4強、前年度比プラスはVWのみ なぜ全体は増? 「2019年3月に売れたインポートカー」

Q:ドイツ4強、前年度比プラスはVWのみ。それでも新規登録は1.2%増。その主要因は?

text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)A:中堅ブランドの健闘。

メルセデス・ベンツGLB 新小型SUVコンセプトの内装画像 上海ショー

外国メーカー車の新規登録台数の約6割を占めるドイツ4強ブランド(メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、BMW、アウディ)のうち、2018年度(2018年4月~2019年3月)で前年度比プラスの新規登録台数を記録したのはフォルクスワーゲンのみ。それでも2018年度の新規登録台数は、前年度比で1.2%の増加を達成した。

主要因として、BMWミニが前年度比0.9%増(2万5794台)、ボルボが同12.9%増(1万8186台)、ジープが同6.2%増(1万1098台)、プジョーが同11.9%増(9986台)、ルノーが同6.0%増(7371台)、ランドローバーが同9.1%増(4239台)、ジャガーが同57.3%増(3759台)、シトロエンが同14.4%増(3655台)、アルファ・ロメオが同28.4%増(2606台)、アバルトが同15.1%増(2498台)を成し遂げたことがあげられる。

各ブランドが実施した精力的な新型車の導入や特別仕様車の設定、販売キャンペーンの展開、販売ディーラーの拡充などが功を奏した。輸入車に対する日本ユーザーの価値観の多様化が進んだことも、中堅ブランドの販売を押し上げた一因といえるだろう。

外国メーカー車の新規登録台数 2カ月連続でマイナス

日本自動車輸入組合(JAIA)がまとめた3月の外国メーカー車の新規登録台数は、前年同月比6.0%減の3万6705台と2カ月連続でのマイナスとなる。また、日本メーカー車含でも同7.3%減の4万2922台と、4カ月ぶりに前年実績を下回った。この結果、2018年度(2018年4月~2019年3月)の外国メーカー車の新規登録台数は前年度比1.2%増の30万7682台となり、4年連続での前年超えを達成。また、30万台の大台を超えるのは2年連続で、しかも1996年度に続く過去2番目の高水準を記録する。さらに、登録車全体に占める外国メーカー車のシェアも9.2%と過去最高を成し遂げた。

3月の輸入マーケットの動きについてJAIA関係者は、「3月の輸入車の新車販売は、一部ブランドで需給ギャップが生じたこともあり、外国メーカー車で前年同月比6.0%減の3万6705台と2カ月連続でマイナスを記録した。また、日本メーカー車は新型車効果が薄れたこともあり、同14.0%減の6217台とマイナスに転じ、全体では同7.3%減の4万2922台と4カ月ぶりに前年実績を下回った。ブランド別では、ドイツ3強のうちフォルクスワーゲンのみがプラスで、メルセデス・ベンツとBMWはマイナス。また、排出ガスおよび燃費検査の不正問題の発覚などでブランドイメージの悪化が長引くアウディは、10カ月連続での前年割れとなった」と説明。

「一方、ボルボやプジョー、ルノー、ランドローバー、ジャガーなどの中堅ブランドが好成績を達成。クルマとしてはSUVモデルのカテゴリーが依然として人気高で、価格帯別では400万円以上のクラスが堅調に推移している」と指摘した。

2018年度の結果は? 今後の見通しは?

また、2018年度に関しては「2018年度は日本各地で自然災害が多く発生したにもかかわらず、輸入車の販売は好調を維持した。外国メーカー車は前年度比1.2%増の30万7682台と4年連続でのプラス、かつ2年連続での30万台超えを達成。しかも、1996年度に続く過去2番目の高水準を成し遂げた。日本メーカー車もトヨタ自動車やホンダが牽引した結果、前年度比17.5%増の5万5728台を成し遂げる。全体で見ると、前年度比3.4%増の36万3410台という好成績を記録した」と説明。

「好調の要因としては、景気の回復基調が追い風となったことに加え、各ブランドが精力的に新型車や特別仕様車を発売し、同時に販売キャンペーンを積極展開したこと、排出ガス規制不正問題の影響からフォルクスワーゲンが立ち直りつつあること、欧米の中堅ブランドが健闘したことなどが挙げられる。クルマとしては、SUVモデルやディーゼル車のカテゴリーが人気。価格帯別では400万円以上のクラスがとくに成績を伸ばした」と解説した。

今後の見通しについては、「輸入車マーケット全体としての受注状況は、底堅く推移している。また、今年の中盤にかけて販売台数を伸ばしそうな新型車や特別仕様車が各ブランドから続々とリリースされる予定なので、これらがどれくらい成績を伸ばすかが今後の注目ポイントになるだろう。コンパクトクラスが位置する400万円未満の価格帯の復調も、成績向上の面でカギを握る。10月に実施予定の消費税アップに対する駆け込み需要は今のところ出ていないが、各ブランドとも市場の動きを注視しながら色々と対策を考えているようだ。一方、世界的な景況感の悪化などによって市場の消費意欲がどうなるかは懸念材料。英国のEU離脱問題、いわゆるブレグジットに伴う一部ブランドの生産停止や工場の移転なども販売面では不安要素につながる」と示唆した。

2019年3月「インポートカー」新規登録ランキング

車名別インポートカー新規登録台数(1月からの累計台数順)

日本自動車輸入組合 乗用車、貨物、バス合計(カッコ内は前年比)1位 メルセデス・ベンツ 7839台 (90.6%)
2位 フォルクスワーゲン 6475台 (100.3%)
3位 BMW 5962台 (95.2%)
4位 BMWミニ 3115台 (92.1%)
5位 トヨタ 2642台 (107.1%)
6位 アウディ 2306台 (64.6%)
7位 ボルボ 2074台 (109.7%:前年はボルボ・トラックを含む)
8位 日産 1452台 (66.9%)
9位 ホンダ 1005台 (63.0%)
10位 プジョー 1452台 (103.3%)

11位 ジープ 1135台 (86.1%)
12位 ルノー 1172台 (110.2%)
13位 フィアット 745台 (96.0%)
14位 ポルシェ 620台 (63.7%)
15位 ランドローバー 764台 (101.7%)
16位 ジャガー 774台 (143.6%)
17位 スズキ 572台 (129.4%)
18位 三菱 546台 (99.6%)
19位 シトロエン 368台 (82.3%)
20位 スマート 264台 (528.0%)

M・ベンツ 49カ月連続でトップ

外国メーカー車の3月のブランド別成績では、前年同月比9.4%減ながら7839台の新規登録を達成したメルセデス・ベンツが49カ月連続でのトップにつく。続く第2位には、同0.3%増の6475台を成し遂げたフォルクスワーゲンが前月と同順位で位置。第3位には、同4.8%減の5962台を記録したBMWがやはり前月と同様にランクインした。また、第4位には同7.9%減ながら3115台を登録したBMWミニが入り、ドイツ4強の一角であるアウディは同35.4%減の2306台にとどまって第5位に甘んじた。

ちなみに、日本メーカー車のトヨタ自動車は同7.1%増の2642台を記録し、これを含めた全体の輸入車のブランド別成績は、第5位がトヨタ自動車、第6位がアウディという結果となった。

トップ5以外の外国メーカー車のブランド別成績では、積極的な販売プロジェクトを実施する中堅ブランドの好調ぶりが光った。ボルボが前年同月比9.7%増(2074台)、プジョーが同3.3%増(1452台)、ルノーが同10.2%増(1172台)、ジャガーが同43.6%増(774台)、ランドローバーが同1.7%増(764台)、アルファ・ロメオが同22.1%増(342台)、アバルトが同15.8%増(323台)、スマートが同428.0%増(264台)という新規登録台数を成し遂げる。スポーツカーブランドの健闘も際立ち、ランボルギーニが同25.4%増(84台)、アストン マーティンが同156.0%増(64台)、フェラーリが同19.6%増(61台)、マクラーレンが同42.3%増(37台)を達成。また、高級車ブランドのベントレーは同153.3%増(76台)、ロールス・ロイスは同5.9%増(18台)を成し遂げた。

一方、2018年度を通しての外国メーカー車のブランド別順位は、前年度比2.2%減ながら6万6948台の新規登録を記録したメルセデス・ベンツが4年連続での首位に輝く。続く第2位には、同8.1%増の5万2044台を達成したフォルクスワーゲンが3年ぶりにランクイン。前年度第2位のBMWは同0.8%減の5万886台で第3位に落ちたものの、同じグループのBMWミニは同0.9%増の2万5794台を成し遂げて第4位に上昇する。前年度第4位のアウディは、同16.4%減の2万3917台で第5位に陥落した。

多くの中堅ブランドが好成績を果たしたことも2018年度の特徴だ。ボルボが前年度比12.9%増(1万8186台)、ジープが同6.2%増(1万1098台)、プジョーが同11.9%増(9986台)、ルノーが同6.0%増(7371台)、ランドローバーが同9.1%増(4239台)、ジャガーが同57.3%増(3759台)、シトロエンが同14.4%増(3655台)、アルファ・ロメオが同28.4%増(2606台)、アバルトが同15.1%増(2498台)、DSが同19.8%増(774台)と前年度超えを成し遂げる。

スポーツカーブランドの好調さも目立ち、フェラーリが同1.3%増(786台)、ランボルギーニが同9.3%増(538台)、アストン マーティンが同11.9%増(338台)、マクラーレンが同33.0%増(242台)、ロータスが同14.8%増(210台)を記録。また、高級車ブランドではベントレーが同26.6%増(510台)、ロールス・ロイスが同5.2%増(223台)を達成した。日本ブランドも健闘し、トヨタ自動車がハイラックスなどの導入で同25.1%増(2万3436台)、ホンダが新型シビックや新型NSXの導入で同98.3%増(1万3399台)という好記録を残した。

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