現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トヨタ「マークX」終了に続きレクサス「GS」も廃止!? FRセダン消滅の真相に迫る

ここから本文です

トヨタ「マークX」終了に続きレクサス「GS」も廃止!? FRセダン消滅の真相に迫る

掲載 更新
トヨタ「マークX」終了に続きレクサス「GS」も廃止!? FRセダン消滅の真相に迫る

■レクサスがラインナップ再編? GSは販売継続なるか

 スクープなど車種に関する将来的な情報は、公式情報を除くと大半が憶測を伴うという点は皆さんもご存知だと思いますが、車種の「廃止」になるとニュアンスが変わるでしょう。

これはヤバい!レクサス「RC F」の2020年モデルが北米で発表 限定モデルはもっとスゴい?

 当然ながらマイナスの印象が強く、特にそのクルマのユーザーは、愛車がメーカーから見放されたような気分になることもあります。

 GSの動向について、まずは複数のレクサス販売店に話を聞きました。

「今のところGSが廃止されたり、FFの大型セダンである『ES』に統合されるという話は、メーカーから聞いておりません。またマイナーチェンジを行う予定も聞いていません。

 納期は2リッターターボと3.5リッターが約2か月で、ハイブリッドは2.5リッター、3.5リッターがともに約3か月です」

 レクサス車は納期が全般的に長く、通常の車種でも2か月から3か月を要します。そのために1か月から1.5か月で納車できるトヨタブランド車に比べると、マイナーチェンジなどの情報も早めに伝わる傾向があります。

 販売店のスタッフがGS廃止の話を聞いていないということは、少なくとも直近の国内販売については変更がないと見てよいでしょう。海外での販売はどうでしょうか。

 北米市場のホームページには、今でもGSが掲載されていますが、欧州市場のイギリスでは、以前は掲載されていたのに今は削除されています。GSに関して閲覧できるのは、中古車情報のみです。

 この点をトヨタに尋ねると「ユーロ6の排出ガス規制に対応できないため、欧州市場では販売を終えました」とのことです。

 GSの場合、ハイブリッドを含めて排ガス規制への対応はユーロ5です。そしてユーロ6に対応して現在でも欧州で販売されるレクサス車は、大半がハイブリッドのみとなっています。

 日本におけるレクサスのセダンラインナップは、FRの『IS』、『GS』、『LS』とFFの『ES』で、いずれもハイブリッドとノーマルエンジンを選べます。しかし、欧州にはノーマルエンジンが用意されずGS自体がカットされました。

 将来的には、日本も欧州と同様のラインナップになる可能性があるでしょう。

 2019年6月3日に、経済産業省が新しい燃費規制の基準案をまとめました。これによると、2016年度実績に比べて燃費を32.4%向上させなければならないということになります。そこまで考えると、車種やエンジンの統合が行われる可能性が高いです。

 また日本におけるトヨタブランド車は、2025年をメドに全店が全車種を扱う方針を打ち出しております。これに伴って、姉妹車を中心に車種の削減もおこなう見通しです。

 車種数は30車種程度に減らされ、「マークX」は2019年12月に生産を終えることが発表されました。

 あくまでも可能性ですが、GSはESとボディの大きさが近いため、仮にレクサスが車種の削減に踏み出すとすれば、GSが統合の対象になる可能性があります。

 つまり最上級セダンを担うのはボディが大柄なFRのLS、上級のLサイズセダンは車内の広いFFのES、ミドルサイズはスポーティなFRのISという、欧州と同様の車種構成です。

■走りにこだわった「FR」は高級セダンに最適

 ただしGSやマークXのような上級セダンと、FRのプラットフォームは、機能的な相性が優れています。もともとセダンはSUVやミニバンに比べて重心が低く、後席とトランクスペースの間には隔壁があるため、低重心でボディ剛性も高めやすいです。

 この特徴により、セダンは走行安定性、乗り心地、静粛性などを向上させやすく、高級車に相応しいボディ形状です。

 このセダンボディに、FRのレイアウトを組み合わせると、高級感がさらに強まります。FRは前後輪の重量配分が優れ、操舵と駆動を分けることで操舵感も自然に仕上がるためです。

 そこでレクサスはFRセダンのIS、GS、LSをそろえ、トヨタブランドの上級セダンとなるマークXも、前身となる「マークII」の時代からFRで発展してきました。

 問題は今後の展開で、自動車メーカーは二酸化炭素の排出削減を中心とした環境性能、安全性や運転支援機能にも力を入れなければなりません。その一方でFFの運転感覚が向上し、販売面ではFFベースのSUVの人気が世界的に高まっています。

 これらの事情により、FRセダンは車種数を減らしていく可能性が高いです。フォードはセダン市場からの撤退という、大胆な方針を打ち出しました。

 クルマ好きとしてはちょっと寂しい、と感じる人も多いでしょう。確かにFFも上質になり、今ではFRと遜色はありませんが、これは実用面での話です。

 高級車がこだわる運転感覚の領域では、今でも駆動方式に基づく違いがあり、後輪駆動を好むユーザーもいるからです。

 そして床面をフラットに仕上げる必要のあるミニバン、空間効率を追求するコンパクトカーなどを用意せず、セダン/クーペ/SUVを開発するのであれば、FRでも車内の狭さなどの不都合が生じることはありません。

 GSに話を戻すと、日本においては従来と役割が違ってきました。LSが大幅にボディサイズを拡大して「新型になったLSは自宅の車庫に収まらない」という不満も生じているからです。

 その結果「LSからESへ」という乗り替えが進んでいます。ESはLSと同等以上の居住空間を備えながら、ボディは少し小さくなるためです。

 それでも前述のようにFFだから運転感覚が異なり、外観デザインもボンネットが相対的に短く見えます。車内の広さよりも走行性能と見栄えを重視するユーザーには、FRによる走りとカッコ良さに重点を置いたGSが、ESよりも魅力的でしょう。

 LSのサイズが一般的な使用環境から逸脱した日本では、GSが不可欠のラインナップになったともいえます。マークXのようにGSまで廃止とならないことを祈りたいものです。

こんな記事も読まれています

メルセデスF1、トモダチ改造計画でW15を“ドライバーの味方”に「改善のためにマシンをいじめ抜く」
メルセデスF1、トモダチ改造計画でW15を“ドライバーの味方”に「改善のためにマシンをいじめ抜く」
motorsport.com 日本版
最高出力830PS、最高回転数9500rpm!フェラーリから自然吸気V12エンジン搭載モデル「12チリンドリ」が登場
最高出力830PS、最高回転数9500rpm!フェラーリから自然吸気V12エンジン搭載モデル「12チリンドリ」が登場
@DIME
高速道路で「人が旗振ってる!」意味わかりますか? 見かけたらそこは「危険」
高速道路で「人が旗振ってる!」意味わかりますか? 見かけたらそこは「危険」
乗りものニュース
軽自動車の「白っぽく見えるナンバー」なぜ増えた? 軽であること隠したい!? 導入7年「図柄入りナンバー」の現状は?
軽自動車の「白っぽく見えるナンバー」なぜ増えた? 軽であること隠したい!? 導入7年「図柄入りナンバー」の現状は?
くるまのニュース
61年の歴史で初 ハイブリッド化されたポルシェ改良新型「911」に熱視線! SNSでの反響とは?
61年の歴史で初 ハイブリッド化されたポルシェ改良新型「911」に熱視線! SNSでの反響とは?
VAGUE
【試乗】新型シトロエンC3は革命を呼びかけるヤバいクルマ! 日本上陸前に本国でBEVの「ë-C3」に乗った!!
【試乗】新型シトロエンC3は革命を呼びかけるヤバいクルマ! 日本上陸前に本国でBEVの「ë-C3」に乗った!!
WEB CARTOP
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年6月9日~6月815日)
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年6月9日~6月815日)
Webモーターマガジン
東急バス「バス以外の交通手段」に参入 チャリもクルマもライバルじゃない “相乗効果”狙う
東急バス「バス以外の交通手段」に参入 チャリもクルマもライバルじゃない “相乗効果”狙う
乗りものニュース
アウディがプレミアムミッドサイズSUVの特別仕様車「Q5/Q5スポーツバック Sライン ダイナミックエディション」を発売
アウディがプレミアムミッドサイズSUVの特別仕様車「Q5/Q5スポーツバック Sライン ダイナミックエディション」を発売
@DIME
新型プリウス、クラウン、シエンタ、日産サクラで便利に使えるライティングアイテム【特選カーアクセサリー名鑑】
新型プリウス、クラウン、シエンタ、日産サクラで便利に使えるライティングアイテム【特選カーアクセサリー名鑑】
レスポンス
400馬力! スバルの美しすぎる「スポーツクーペ」が凄い! パワフルな「ツインターボ×四輪駆動」搭載! ガバっと開く「斬新ドア」採用した「B11S」とは
400馬力! スバルの美しすぎる「スポーツクーペ」が凄い! パワフルな「ツインターボ×四輪駆動」搭載! ガバっと開く「斬新ドア」採用した「B11S」とは
くるまのニュース
ヨス・フェルスタッペンがオーストリアGPでレッドブルRB8をデモランへ。息子マックスとの”共演”が実現?
ヨス・フェルスタッペンがオーストリアGPでレッドブルRB8をデモランへ。息子マックスとの”共演”が実現?
motorsport.com 日本版
大学への通学2時間でドラテク磨き!「若者のクルマ離れ」がウソのような「軽自動車レース」に青春を捧げた20代男子の英才教育とは
大学への通学2時間でドラテク磨き!「若者のクルマ離れ」がウソのような「軽自動車レース」に青春を捧げた20代男子の英才教育とは
Auto Messe Web
日産ローレルHT2000SGX(昭和47/1972年4月発売・KHC130型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト069】
日産ローレルHT2000SGX(昭和47/1972年4月発売・KHC130型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト069】
Webモーターマガジン
トヨタ『カローラFX』が米国で登場…現代的でスポーティ
トヨタ『カローラFX』が米国で登場…現代的でスポーティ
レスポンス
日産はレクサスLMよりずっと早く「超VIPミニバン」を作っていた! 「エルグランド・ロイヤルライン」の中身がスゴイぞ!!
日産はレクサスLMよりずっと早く「超VIPミニバン」を作っていた! 「エルグランド・ロイヤルライン」の中身がスゴイぞ!!
WEB CARTOP
サリーン、水素エンジン車でのル・マン復帰を計画中。数年以内にロードカーを生産へ
サリーン、水素エンジン車でのル・マン復帰を計画中。数年以内にロードカーを生産へ
AUTOSPORT web
トヨタがガチで作ったら……想像すると欲しい気がする! なぜトヨタはバカ売れジャンルの「軽自動車」を作らないのか?
トヨタがガチで作ったら……想像すると欲しい気がする! なぜトヨタはバカ売れジャンルの「軽自動車」を作らないのか?
WEB CARTOP

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

265.7513.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0800.0万円

中古車を検索
マークXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

265.7513.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0800.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村