海外の有名カスタムマシンを忠実に再現!
ドアやトランクはリモコンで開閉可能
「ラシーンとハコスカが奇跡のフュージョン!」 学生カスタム史に残る傑作【幻の東京オートサロン2021】
まさに正体不明。個性派揃いだった『幻のオートサロン出展車両』の中でも異彩を放っていたのがこちらのカスタムバス。おとぎの国から飛び出してきたようなキュートなルックスを、実車スケールで再現しているのだから衝撃的だ。
実はこのクルマ、フォルクスワーゲンヴァナゴンという商用車がベースだったりする。といっても、フレームや足回りの一部しか原形は残されておらず、ほぼイチから作り上げたといっても過言ではないほど。手がけたのは、レース活動や特殊車両の製作を行っている“ウォルターウルフレーシングジャパン”。かの有名な、カナダの実業家でモータースポーツ活動でも知られるウォルター・ウルフが世界で唯一公認しているショップだ。
代表を務める福田さんが、海外の有名カスタムマシンである本家「Surf Seeker」を見て、その愛くるしい姿に一目惚れ。売ってくれとビルダーのRon Berryさんに直談判するも、あっさり断られてしまったため本人の承諾を得て、自分たちの手で作ることにしたのだとか。
製作には実に2年半もの歳月を費やしたという。ジャングルジムのように鉄パイプを張り巡らせて骨格を形成。そこに鉄板を貼り込んだ上で、ファイバーやパテを駆使してボディを仕上げている。シンプルな運転席や革張りのベンチシート、そして個性的なウインドウも本家を忠実に再現したものだ。
ドアやトランクなどは電動で開閉する仕組み。リモコンを押すとトランクがせり上がる。シンプルかつキュートな作り込みながらハイレベルなギミックも散りばめられているのだ。
その中に収まるヴァナゴンの2.5Lエンジンは、フルオーバーホールで絶好調をキープ。フラップ式のエアフロ付きとなっており、キノコのように剥き出しエアクリーナーが装着されていた。エンジン室の右側にはラジエターが収まっている。
エクステリアは完全スムージング仕様となっているが、ドアパネルとボディの関係性や面出しなど、その完成までは苦難の連続だったそうだ。ちなみに、フロントマスクはガバッと全体が横開きする構造となっており、そこから運転席へとアプローチする。
車重は2トン以上となるため、足回りは堅牢なトヨタのランクル用を移植。ピカピカに輝くメッキホイールは25インチの大径サイズで、センターキャップにはウォルターウルフレーシングのロゴも入る。
今後は街中を走れるようにナンバーも取得するそうだが、この愛くるしい姿のバスが走っている姿を想像すると自然と笑みもこぼれるというものだ。ウォルターウルフレーシングジャパンでは“みんなが欲しがる自動車”をコンセプトに掲げているが、まさにその志を具現化した1台といって過言ではない。
●取材協力:ウォルターウルフレーシングジャパン TEL: 03-5655-2700
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