2年に1度に開かれる自動車の祭典、フランクフルトモーターショーが今回も市内にある展示会場、メッセ・フランクフルトで開催された。
最近、欧米で開かられるモーターショーは出展メーカーの減少や規模の縮小が著しいが、今回で68回目を迎える欧米最大規模のモーターショーも例外ではなかった。多くの海外自動車メーカーが欠席し、地元ドイツメーカーのほかにブースを構えたのは、フォルクスワーゲングループのランボルギーニやセアト、シュコダ、フォルクスワーゲン傘下以外はジャガー・ランドローバー、フォード、ヒュンダイ、そして日本メーカーで唯一となるホンダといくつかの中国メーカー。また、ルノーとマクラーレン、ポールスターはパビリオンの中ではなく通路に脇に設けられた展示スペースで参加していた程度に過ぎなかったのだ。
多くの自動車メーカーがモーターショーへの参加を見送る理由は、SNSといった新しい情報発信メディアの進化や出展料の高騰、来場者の減少などが挙げられる。今のところ、これといった決定的な打開策を示しているモーターショーは残念ながらない。しかし、昨年のパリモーターショーのようにモーターサイクルショーや先進技術展などを併催したり、今回のフランクフルトでも見られたように試乗コースを設け来場者が参加できるような催しを増やすなど、新しい情報元を追加したり、体験型イベントを取り入れるなど、徐々にではあるが新しいモーターショーのカタチの模索も始まりつつある。
参加メーカーが減った分、発表されるニューモデルの数は少なかったものの、個々のブースの盛り上がりはいつもどおり。注目の新型車やコンセプトカーも多く、内容は予想以上に充実していた。
注目はやはり電気自動車
今回のフランクフルトモーターショーで目立っていたのはやはり電気自動車。どこのメーカーを見ても、電気自動車をはじめとする電動化車両が目白押しだった。現状では、環境問題を考えると自動車の未来は電気の方向へ向かわざるを得ないことに加え、2021年から施行という間近に迫った欧州での二酸化炭素排出規制をクリアするためには電気自動車が不可欠なため、それに間に合わせるべく、多くのメーカーがこぞって電気自動車を投入してきたことがその要因だ。
注目のフォルクスワーゲン「ID.3」の完成度
その中で一番の注目はフォルクスワーゲンID.3。電動化時代を見据えてイチから開発した電気自動車専用である。ちなみに今回、フォルクスワーゲンがプレスデーに出展したのはこのID.3とup!の電気自動車であるe-up!の改良版と、近年出展した電気自動車のコンセプトカーなど、展示車すべてが電気自動車という、まさに電気尽くしの展示となっていた。
ID.3のボディサイズは全長4261mm×全幅1809mm×全高1552mm。全高が70mm高い以外はフォルクスワーゲンの大黒柱のゴルフとほぼ同じ。ゴルフと同サイズにしてきたということから、フォルクスワーゲンのID.3に対して如何に本気度がうかがい知れる。ゴルフよりもポップで若々しいスタイリングも魅力的。前後のオーバーハングが短く、キャビンがガソリン車よりも前にあるのは、フロントにかさばるエンジンがない利点を活かした電気自動車独特のデザインだ。ゴルフよりも130mm長い2765mmという長いホイールベースを採用することで、ひとクラス上のフォルクスワーゲンパサートに勝るとも劣らない広い室内スペースを実現しているという。
プラットフォームはMEBと呼ばれる電気自動車専用を新たに開発。ID.3はリアにモーターを1つ搭載しているが、おそらく前にもモーターを積んで4WDに仕立てることも可能だろう。最高出力は204ps、最大トルクは310Nm。2.0ℓのガソリン・ターボとほぼ同等で、最高速道は160km/hとなっている。
リチウムイオンバッテリーは前輪と後輪の間の床下に収納。容量は45kWh、58kWh、77kWhの3タイプで、それぞれの最大航続航続距離は330km、420km、550kmとなる。交流と直流のどちらでも充電が可能で、100kWの直流を用いた場合、30分で最大290km走行できるだけの電気を貯めることができるという。
欧州での価格はベースモデルで3万ユーロ以下。日本円に換算すると約360万円。ドイツでは2020年の半ばから納車が始まり、モーターショーの段階ですでに3万3000台の受注が入っているという。日本に上陸するのは2021年頃になりそう。なお、フォルクスワーゲンはID.3に続いて2020年に発表予定のID.4と呼ばれる電気自動車のSUVをはじめ、MEBプラットフォームを用いた多数の派生車種の投入を考えているようだ。
ID.3とともに発表されたのが、e-up!の改良モデルである。2013年に欧州で発表されていたが、残念ながら日本には導入されていない。
大きな変更点はリチウムイオンバッテリーで、容量をこれまでの18.7kWhから32.3kWhに70%以上拡大。これにともない最大航続距離も260kmへと大幅に延長されている。モーターはフロントに搭載され、前輪を駆動。最高出力は83psで、0-100km/h加速は11.9秒、最高速度は130km/hとなっている。
このほか、外観もバンパーまわりを中心にデザインを変更。さらに販売価格が2万1975ユーロ、日本円で約260万円まで下げられたのも新型の大きなウリとなっている。
取材・文/DIME編集部
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