■ワゴンベースの「都会派SUV」ってどんなもの?
スバル「レヴォーグ」は、国産車では希少なステーションワゴンですが、この派生モデルとして新型SUVの「レヴォーグ レイバック(以下、新型レイバック)」が登場しました。
新型レイバックは、ベースモデルの良さはそのままに、最低地上高を上げて改良を加えたことで、都会派SUVの雰囲気をまとっています。
【画像】「えっ…!」めちゃカッコいい!これが新型「レイバック」です! 画像を見る(39枚)
新型レイバックは、ベースのレヴォーグとどのような点が異なるのでしょうか。
エンジンや駆動系はもちろん、ボンネットやドアパネル、ラゲッジスペースは同一ですが、ボディサイズは新型レイバックのほうがひと回り大きくなっています。
ボディサイズは、レヴォーグ(GT-H)が全長4755mm×全幅1795mm×全高1500mm、ホイールベース2670mmですが、新型レイバックは、全長4770mm(+15mm)×全幅1820mm(+25mm)×全高1570mm(+70mm)へとサイズアップ。
ただしこれはグリル形状の変更やクラッディング(樹脂製のホイールアーチやモール)を装着したことによるものです。
なお、車高がアップしたことにともない、ミラーの形状なども大型化されているようです。
最低地上高はレヴォーグが145mmなのに対し、新型レイバックは200mmを確保。この55mmの違いがSUVらしさを実現するのと、視界の良さや乗り降りのしやすさにつながっています。
またグリル形状やフォグランプのデザイン、専用のクラッディングによって、シャープさが売りだったレヴォーグよりかなり柔らかい印象を受けます。
搭載されるエンジンは1.8リッター水平対向ターボエンジンで、最高出力177馬力、最大トルク300Nmというスペックも両車で同じです。車重は新型が約20kgの増量となりますが、気にするほど重量増にはなっていないようです。
その一方で、注目したいのがタイヤサイズです。新型レイバックはベースモデルと同じ18インチの225サイズを履きますが、扁平率がレヴォーグは「45」なのに対し新型レイバックは「55」です。
タイヤが厚くなり、そのうえで新型レイバックはオールシーズンタイヤが標準装着されているのですが、これがレヴォーグと新型レイバックのキャラクターの違いを感じられる部分となるでしょう。
この差はかなり大きく、たとえるならランニングシューズとトレッキングシューズくらいの違いだといえます。
どちらも街中を歩くことはもちろんできますが、舗装路を速く走ることに長けているランニングシューズと多少の凸凹道でも負担が少なく歩けるトレッキングシューズの違いだといえ、シャープなハンドリングやスポーティな操作性のレヴォーグに対し、乗り心地がより快適になり扱いやすく感じる新型レイバックといったキャラクターの違いにつながるのでしょう。
■「レヴォーグオーナー」から見た「レイバック」の印象は?
では、既存のレヴォーグオーナーは、新型レイバックについてどのような印象をいだいたのでしょうか。
スポーツワゴンを求めたユーザーからすると、SUVの派生モデルが登場したとなれば、やはり気になるものでしょう。
昔からスバル好きだったと語るS氏(40代・男性)は、新型レイバックに興味があるものの、そのキャラクターの違いは大きいと語ります。
「走りも楽しめるスポーティなワゴンが欲しくてレヴォーグを選びました。新しく出たレイバックは見た目も含めSUVっぽさが強調されており、個人的にはスポーティさよりも高級感を意識したのかなと思っています」
S氏が感じるのは、車高(最低地上高)アップによる悪路走破性よりも、外装デザインによる変化。ボディ下部やフェンダーアーチに装着されたクラッディング(樹脂パーツ)により、SUV感が高まったと感じるようです。
「以前はSUVに乗っていたので分かるのですが、車高の高さは運転のしやすさに繋がります。
またタイヤの外径も大きくなって、スポーティ感はやや薄れた印象を受けるので、レヴォーグオーナーは別のクルマとしてとらえるかもしれません。
それよりもほかのSUVからの乗り換える人が増えると思います」(レヴォーグオーナー S氏)
なお、レヴォーグと新型レイバックの室内長や室内高、ラゲッジスペースなどは同じ寸法であり、利便性は大きく変わらないでしょう。
「むしろ気になるのは、3眼になった新世代『アイサイト』の搭載です。最近のスバル車はスポーティさと安全性の両立が魅力だと思っているので、私のレヴォーグもできることならアップデートしたいくらいです」(レヴォーグオーナー S氏)
新型レイバックはキャラクターが違うことから、レヴォーグオーナーはあまり意識していないようです。
スポーティな走りを求めるなら、コーナリングでも挙動が安定するレヴォーグ、ワゴンの実用性がありながら上質な乗り心地が良いなら新型レイバックが最適なのかもしれません。
※ ※ ※
新型レイバックは、単なるレヴォーグの車高アップ版にとどまらない魅力があります。
SUVとワゴンのクロスオーバーとして、悪路に強くワインディングも快適に走行することが可能で、実用性の高さも確保したモデルとして人気を獲得するのではないでしょうか。
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