現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > クルマの進化とともに流行り廃りあり! 時代を彩ったボディ形状の変遷をたどる

ここから本文です

クルマの進化とともに流行り廃りあり! 時代を彩ったボディ形状の変遷をたどる

掲載 更新 1
クルマの進化とともに流行り廃りあり! 時代を彩ったボディ形状の変遷をたどる

 セダンやステーションワゴンブームも長くは続かなかった

 クルマにはヒットモデルというのがあるが、ジャンルでもブームというか、売れているカテゴリーが時代によってあるし、それは移り変わっていくものだ。日本の場合は、長らくセダンがクルマの基本とされ、1990年代に入るとワゴンブームが到来したが、その流れにはそれぞれ理由がある。今回はジャンルの隆盛について振り返ってみよう。

【疑問】スポーツカーメーカーがこぞってSUVを出すわけとは?

 まず今でも年配の方が口にするのが、「セダンは基本」という言葉。実際にセダンに乗っているのをよく見かけるし、クラウンのオーナー平均年齢は70歳を突破したということからも、その昔はやはり基本だったということがわかる。理由としては日本の場合、自動車産業の歴史が浅いことから、オーソドックスなセダンを作るのをまず優先したというのがあるし、マイカーが憧れの時代には社会全体の意識としてもまずはきっちりと家族で乗れるセダンを買う、もしくは買いたいというのがあったように思う。さらに今に比べれば運転上手も多くて、ファミリーカーで走りにこだわるとなるとセダン一択だった。

 セダンに対して、ワゴンブームの口火を切ったのは1989年に登場したスバルのレガシィで、日本初のワゴン専用設計として完成度が高く、ヨーロッパ車的なロングツーリングイメージをうまくアピールしてヒット。トヨタ・カルディナ、日産アベニールが三つ巴で、さらにマツダ・カペラカーゴや三菱リベロなど、各メーカーが魅力あるモデルを投入した。

 このあたりからセダンが下火になっていくのだが、専用設計だけに走りはセダン同等で不満はなく、ルックスも真正面から見ればセダンと一緒。家族全員が乗って荷物もたくさん積めるという新しい価値観が目の前に提示されれば、そちらにいくのも当然だった。ちなみにそれまでもワゴンはあったが、商用バンの乗用登録というもので、ワゴン専用ではなく、家のクルマとして選ぶということはほとんどなかった。

 ただし、ステーションワゴンブームも長くは続かず、代わってミニバンが台頭してくる。レガシィのようにエポックなモデルがあったわけではないが、キーポイントとなるのは「1ボックスからの脱却」だろう。1ボックスベースだと、エンジンが床下にあるなど、やはり商用車臭さが出てしまうところに、1994年の初代ホンダ・オデッセイのように乗用車ライクな乗り心地と運転フィールを実現したミニバンが登場したとなると、ヒットとなるのも当然ではあった。

 ミニバンブームの次は使い勝手の良いSUVが台頭してきた

 さらにワゴンと比べると、乗用車ライクを不満ない程度に確保しつつ、定員数や使い勝手が大幅に向上しているとなると、ミニバンに移行するのも当然の流れで、1990年代後半ぐらいから、ワゴンからミニバンへのシフトが顕著になった。ユーザーの多くはファミリー層だけに、なおさらだった。

 そして今はSUVブームで、あれほど人気だったミニバンは下火に。実際にモデル数は激減して、マツダのようにミニバンがなくなってしまったメーカーもあるほどだ。ではなぜ、あれほど人気で、使い勝手に不満はまったくなかったミニバンからSUVへと移行したのだろうか。これという正解はないのだが、よく聞くのが「所帯くさい」というのと、「結局、3列シートは不要だった」という意見。

 確かに少子化もあり、3列目まで全部使ったのは年に数回だけという声も聞く。そもそも所帯くさいのがミニバンの持ち味だっただけに、それを言われてしまうとどうしようもないが、消えていったミニバンたちを見つつ、所帯くさくないトヨタのアルファードとヴェルファイアが売れていることを考えると、正解ではあるだろう。

 また使い勝手もいいのがSUVのいいところで、ワゴン的に使えるラゲッジはやはり頼もしいし、ひと口にクロスオーバーと言っても、さまざまなエッセンスやキャラクターが混ざっていて、個性派ぞろいというのも人気を後押ししているし、なによりもデザインがどれも洗練されている。そのほか、車高が高いので運転しやすかったり、家族全員がゆったり座れたりと快適に移動できる。

 家族で乗りつつ荷物もたくさん積めて、乗用車ライクな走りが楽しめるという点ではセダンからSUVまで一貫しているが、実際の使い勝手やイメージなどに合わせて変遷してきたと言っていいだろう。ちなみに各メーカーとも、SUVからの次の一手がなにかはわからないとされるだけに、今後どのようなボディ形状が登場し、流行るのかは興味があるところだ。

こんな記事も読まれています

タイヤブランドGTラジアルよりオールシーズンタイヤ「4シーズンズ」発売
タイヤブランドGTラジアルよりオールシーズンタイヤ「4シーズンズ」発売
レスポンス
これぞ徹底的に遊べる軽!──新型ホンダN-VAN FUN STYLE+ NATURE試乗記
これぞ徹底的に遊べる軽!──新型ホンダN-VAN FUN STYLE+ NATURE試乗記
GQ JAPAN
グランツーリスモ7に新規車種3台を追加するアップデート配信。シュコダがシリーズ初登場
グランツーリスモ7に新規車種3台を追加するアップデート配信。シュコダがシリーズ初登場
AUTOSPORT web
顔が…いや全身変わった!? ホンダの売れ筋コンパクトSUV「ヴェゼル」改良 ハイブリッドはEVに近づく?
顔が…いや全身変わった!? ホンダの売れ筋コンパクトSUV「ヴェゼル」改良 ハイブリッドはEVに近づく?
乗りものニュース
ワイパー「高速運転」はゴム寿命縮める? 面倒な交換ケチって「ゆっくりモード」本当にコスパは良いのか
ワイパー「高速運転」はゴム寿命縮める? 面倒な交換ケチって「ゆっくりモード」本当にコスパは良いのか
くるまのニュース
スバルとスカイラインにフィーチャー…第4回アリオ上尾 昭和平成オールドカー展示会
スバルとスカイラインにフィーチャー…第4回アリオ上尾 昭和平成オールドカー展示会
レスポンス
MS&AD新社長の舩曵真一郎氏が会見 代理店への「週末イベントの手伝いはやめる」
MS&AD新社長の舩曵真一郎氏が会見 代理店への「週末イベントの手伝いはやめる」
日刊自動車新聞
【MotoGP】最高峰クラスデビュー以来好調のアコスタ、浮足立たずにいるための鍵は『普通の生活を見ること』
【MotoGP】最高峰クラスデビュー以来好調のアコスタ、浮足立たずにいるための鍵は『普通の生活を見ること』
motorsport.com 日本版
レクサスLBXが生まれる工場【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
レクサスLBXが生まれる工場【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
グーネット
日産、欧州向け「キャシュカイ」に新たな「ニッサンコネクト」を採用
日産、欧州向け「キャシュカイ」に新たな「ニッサンコネクト」を採用
日刊自動車新聞
渥美心がボルドールから遂げたル・マンでの成長、新クルーチーフの存在に「速く走らせる方法が理解できてきた」/EWC
渥美心がボルドールから遂げたル・マンでの成長、新クルーチーフの存在に「速く走らせる方法が理解できてきた」/EWC
AUTOSPORT web
ハジャーが総合最速。マルティ2番手でカンポス1-2。宮田莉朋は2日目午後にトップタイム|FIA F2バルセロナテスト
ハジャーが総合最速。マルティ2番手でカンポス1-2。宮田莉朋は2日目午後にトップタイム|FIA F2バルセロナテスト
motorsport.com 日本版
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
くるくら
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”を駆使して「低音増強」を図る!
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”を駆使して「低音増強」を図る!
レスポンス
GW期間中に多いクルマのトラブルは何? JAFが2023年に救援した出動理由TOP10を紹介!
GW期間中に多いクルマのトラブルは何? JAFが2023年に救援した出動理由TOP10を紹介!
くるくら
レッドブル離脱のニューウェイはどこへ行く……アロンソとホンダが待つアストンマーティン? それともハミルトン加入のフェラーリ?
レッドブル離脱のニューウェイはどこへ行く……アロンソとホンダが待つアストンマーティン? それともハミルトン加入のフェラーリ?
motorsport.com 日本版
「背の低いマツダ」ついに出た! 新「マツダ6」じゃないよ「EZ-6」中国で発表 “電動専用車”に
「背の低いマツダ」ついに出た! 新「マツダ6」じゃないよ「EZ-6」中国で発表 “電動専用車”に
乗りものニュース
マツダが新型「ロータリースポーツ」登場へ!? 美しすぎる「和製スポーツカー」のスペックは?価格は? 期待高まる「アイコニックSP」どうなるのか
マツダが新型「ロータリースポーツ」登場へ!? 美しすぎる「和製スポーツカー」のスペックは?価格は? 期待高まる「アイコニックSP」どうなるのか
くるまのニュース

みんなのコメント

1件
  • 平成元年辺りが感覚が変わったのかな?
    1BOXやステーションワゴンは商用車って感覚で見られていたし、乗用車はセダンか2ドアクーペって思われていた。
    スターレット(KPの方)を買っても3ドアは若者の車って目で見てくれたけど5ドアはライトバンを買ったのか?って目でみられていた。
    こういう背景があったから日本では5ドアの車が受け入れてもらえなかった。
    RVブームが日本人の意識を変えるきっかけになったんだよな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村