■価格高騰が著しい国産高性能車を振り返る
第二次世界大戦以前に製造された生粋のクラシックカーは、古くから美術館と同等の扱いで、庶民とは関係の無い所で高額な価格で取り引きされてきました。
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しかしここ5年ほどで、1980年代から1990年代に登場したネオクラシックカーやヤングタイマーと呼ばれるクルマが、世界的にも著しく価格が高騰しています。
原因はいくつか想定され、例えば10年ほど前から、レストアされたオールドスーパーカーを中東やロシアの大富豪がコレクションして価格が高騰し、さらにポルシェ「911」へと波及してもっと低価格のスポーツカーへとターゲットが移ったこと。
映画で日本の高性能車が広く知られることになり、アメリカの中古車輸入制限が緩和される新規登録から25年経った(通称25年ルール)モデルに合致する、ヤングタイマーが注目されたこと。
それらに付随するかのように2015年前後の円安傾向によって、程度の良い日本の中古車を海外のバイヤーが大量に買い付けたことが挙げられ、さまざまな要因が重なったといえます。
その後、円高傾向へと変わったことや、ターゲットとなった日本の中古車も数が減ったことなどから、ピークを過ぎたと思われましたが、ここ2年ほどで再び価格が高騰しはじめました。
そこで、とんでもない価格にまで高騰している国産高性能車を、5車種ピックアップして紹介します。
●日産「スカイラインGT-R」
現在、日本を代表する高性能車といえば日産「GT-R」です。すでに誕生から13年以上経ちながらも改良を重ねた結果、未だに世界の名だたるスーパーカーと肩を並べる走行性能を発揮します。
このGT-Rのルーツといえば、1969年に登場した「スカイラインGT-R」で、レースに勝つことを目的に開発されたというストーリーから、常に注目される存在でした。
さらに1973年にわずか197台しか生産されなかった2代目スカイラインGT-R(ケンメリ)は、伝説的な存在です。
そして、1989年から2002年まで生産された第2世代のR32型/R33型/R34型スカイラインGT-Rと、シリーズは全部で大きく5つのモデルとなります。
現在、この5つのスカイラインGT-Rはすべて価格が高騰している状況で、初代が2000万円台から5000万円台、2代目はまず市場に出ることはありませんが、2019年のオークションで流札となった希少な赤いケンメリは予想落札が7500万円から1億円でしたから、今では1億円前後が妥当でしょう。
前述の25年ルールで大量にアメリカに渡ったR32型は、ノーマルで極上な個体ならば新車価格の3倍程度の1500万円台で、10万km以上の過走行で修復歴ありの個体でも400万円台からです。
R33型は400万円台から1000万円弱といったところで、R34型は第2世代ではもっとも高額となっており、最低でも1000万円台、最終限定車の「VスペックII ニュル」や「Mスペック ニュル」ならば、2000万円台から3500万円ほどで、もはや最新の「GT-R NISMO」以上の価格帯です。
スカイラインGT-Rシリーズはすべて、もはや庶民には手の届かないクルマとなってしまいました。
●マツダ「RX-7」
第2世代のR32型/R33型/R34型スカイラインGT-Rはハイテクな装備で走行性能を高めた4WDスポーツカーですが、よりドライバーの腕が試されたピュアスポーツカーだったのが1991年から2003年まで生産されたマツダ(アンフィニ)「RX-7」です。
ハイパワーなロータリーターボエンジンを搭載した最後のモデルであり、流麗でスタイリッシュなフォルムや、軽量なボディによるシャープな走りから、生産終了後も世界的に人気のモデルとなっています。
現在は最低でも300万円台から、最終モデルの限定車「バサーストR」で程度が良い個体ならば600万円台以上は間違いないでしょう。
ただし、RX-7は改造された個体が多く、かつてのメンテナンスの良し悪しも程度に大きく関係しているため、購入した後に多額のメンテナンス費用がかかることも想定する覚悟が必要です。
RX-7がスカイラインGT-Rほどは価格高騰していない背景には、そうした出費も関係しているのかもしれません。
●トヨタ「スープラ」
スカイラインGT-RやRX-7のライバルとして存在したのが、1993年から2002年まで生産されたトヨタ「A80型 スープラ」です。
初代はアメリカで1978年に発売。日本の「セリカXX」と同等のモデルで、日本では1986年に登場した3代目 A70型から「スープラ」の名になり、A80型は4代目にあたります。
空力性能を強く意識した流麗なフォルムは、古典的なFRスポーツカーのロングノーズ・ショートデッキを採用。
エンジンは全車3リッター直列6気筒DOHCで、トップグレードの「RZ」には280馬力を誇るツインターボエンジン「2JZ-GTE型」を搭載し、トランスミッションはゲトラーグ社と共同開発された6速MTと4速ATを設定するFRです。
RX-7と同様にドライバーの腕が大きく関わるピュアスポーツカーで、現在の相場は300万円台からですがかなり稀で、RZならば500万円台から走行距離の少ない個体は1000万円台といったところです。
2019年に現行モデルの5代目が登場したことからA80型も再び注目され、さらに相場が上がったといえるでしょう。
■特別なモデルとあって、尋常じゃなく価格高騰している2台とは?
●ホンダ「NSX タイプR」
ホンダは1990年に世界に通用する新時代のスポーツカーというコンセプトのもと、初代「NSX」を発売。
世界初のオールアルミ製モノコックに、やはりアルミ製の外装パーツを多用したことで軽量かつ高剛性のボディを実現し、リアミッドシップに新開発の3リッターV型6気筒DOHC VTECエンジンを搭載。MT車では最高出力280馬力を発揮しました。
さらに、1992年には、さらに軽量化と足まわりを高度にチューニングし、サーキット走行にも対応した高性能モデルの「NSX タイプR」が登場。生産期間は3年ほどでした。
その後、1997年のマイナーチェンジでエンジンの排気量が3.2リッターにアップされ、2001年のマイナーチェンジでリトラクタブルヘッドライトが固定式になるなど、フロントフェイスが一新されまました。
2002年には3.2リッターエンジンを搭載した「NSX-R」が登場し、2005年に初代NSXは生産を終えました。
現在、初代NSXはスタンダードモデルが全車1000万円から1500万円が相場で、タイプR、NSX-Rは滅多に市場に出ることはありませんが、3500万円から4000万円といったところで、最新のNSXの新車価格並です。
なお、AT車はMT車よりも相場が安く、欧州などではATをMTにコンバートするカスタマイズがおこなわれているようです。
●スバル「インプレッサ 22B-STiバージョン」
スバルは1992年にコンパクトなセダン/ステーションワゴンの初代「インプレッサ」を発売。トップグレードにはハイパワーな水平対向ターボエンジンとフルタイム4WDを組み合わせた「WRX」を設定し、世界ラリー選手権(WRC)での活躍からインプレッサは高性能モデルとしてのイメージが確立されました。
さらに1994年には、スバルのモータースポーツ活動をサポートするスバルテクニカインターナショナル(STI)によってつくられたチューニングモデルの「WRX STiバージョン」が登場。
そして、グループAカテゴリーで戦われたWRCでは1997年からのレギュレーション変更により、改造範囲が広がった「WRカー」による戦いが始まり、スバルは2ドアクーペの「インプレッサ リトナ」をベースにした「インプレッサ ワールドラリーカー97」で参戦。
このWRカーを再現したレプリカモデルとして、STI初の本格的なコンプリートカーとして、1998年に「インプレッサ 22B-STiバージョン」が400台限定で発売されました。
ボディは前後ブリスターフェンダーによってワイド化され、専用の前後バンパーや、2段階の角度調整が可能なリアウインドウが装着されて迫力あるフォルムを形成。
エンジンも2リッターの「EJ20型」をベースにボアアップして2.2リッターとした水平対向4気筒DOHCターボ「EJ22改型」を搭載。最高出力は280馬力を誇りました。
当時は500万円(消費税含まず)と高額な価格でしたが、発売すると400台は即完売。現在は滅多に市場に出ることはありませんが、稀に市場に出ると3000万円台と実に新車価格の6倍にも達しています。
なお、インプレッサはWRCでの活躍から欧州でも高い人気を誇っており、22B-STiバージョンの価格高騰も欧州からのオファーがあったからです。
※ ※ ※
冒頭にあるとおり高性能モデルの価格高騰は、複数の要因が重なったことから始まったと考えられます。さらに、直近では新型コロナウイルス感染拡大も影響しているようです。
新型コロナウイルスが世界的に広まった当初は経済状況の悪化もありましたが、その後徐々に回復。そして、お金を使う機会が減った富裕層が、投機目的もあって高額なクルマをこぞって購入するようになりました。
実際に海外のオークションでは、オールドスーパーカーや限定モデルのスーパーカー、ごく少量生産のハイパーカーがこれまで以上に高額な価格で取引されています。
新型コロナ禍の収束後に、さらにこうしたコレクターズカーの相場が上昇すると見込まれる期待感もあるのか、国産高性能車もターゲットになっているようで、2020年にはさらに高騰したということです。
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と思う気持ち、正直あります。