トヨタ博物館で開催中の特別企画展「日本のクルマとわたしの100年」
カーライフエッセイスト吉田由美の「なんちゃってセレブなカーライフR」。今回は、愛知県長久手市にあるトヨタ博物館で開催されている「日本のクルマとわたしの100年」を見学してきたわ。「日本におけるクルマと女性のかかわり」という観点から自動車史が5つの展示ゾーンで構成され、展示車両は9台。その様子をレポートするわよ。
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日本の女性で初めて運転免許を取った「女性ドライバー」の日
9月27日は「女性ドライバーの日」。じつは私たちの交通安全応援活動「OKISHU」も2019年9月27日にキックオフしましたの~。もちろん、この日が女性ドライバーの日と知ってのこと。現在はジェンダーレスの時代とはいいつつ、自動車業界はまだまだ男性社会。だからこそ、そんな業界でがんばってきた自分たちの経験や知識をもとに、交通安全につなげられたら……。そんな思いで活動をしているのが「OKISHU」なのです。
愛知県長久手市にあるトヨタ博物館でも、現在、女性スタッフ3名が中心になって企画・制作をした「日本のクルマとわたしの100年」という、女性ドライバーをキーワードにした特別企画展が行われているわ。日本で女性ドライバーが誕生したのは1917年9月27日のことで、栃木県出身の“渡辺はま”さまが初めて普通運転免許を取得したことからはじまるのよ。
特別企画展は大きなパネルがトリックアートになっている空間があって、椅子に座って写真を撮るとまるでその絵の中に自分が収まっているみたいだったわ。展示内容は女性ドライバーの誕生からの5つのパートに分け、9台のクルマで紹介。ちなみに初の日本人女性ドライバーといわれている“渡辺はま”さまと同時期に自動車学校に入学していた“関根いく”さまという女性がいたらしい(驚)。
展示は女性ドライバーの広がりからスタート
まず展示されていたクルマは1937年式の日産16型「ダットサン セダン」。1936年には女性がダットサンで街を走り回ってアピールする「ダットサン・デモンストレーター」というキャンペーンを行ったのよ。当時は女性ドライバーが少なかったから、その存在も同時にアピールされたわ。日産はこのような行動が昔から得意だったのね~。だってわたくしも現役レーサーで現・日産自動車の社外取締役を務める井原慶子さまと「日産ドライビングパーク」の女性インストラクターとして育てていただきましたもの。
そして、3つめの展示ゾーンはまさに「モータースポーツに挑む女性たち」。女性がモータースポーツに初めて参戦したのは1957年のことで、トヨペット「クラウン」で東郷美作子さまが旦那さまと豪州1周ラリーに参戦。1960年には女性だけのラリー「ヒルマンエコノミー ラン」という、今でいうエコランが開催されたのよ。そして1963年の「第1回 日本グランプリ自動車レース」に塚本育子さまが「ダットサン フェアレディSPL」で参戦したので、展示車は「ダットサン フェアレディ 1200」のオープンカー。これはカッコいい!
ダットサン ブルーバードに化粧ポーチやハイヒール掛けを装備
4つめの展示ゾーンは「女性をターゲットにしたクルマの一般化」。ここには4台のクルマが展示され、1963年式のダットサン「ブルーバード 1200 ファンシーデラックス」は、女性向けのアイテムを30個も装備しているわ。花置きや傘立て、サンバイザー裏に化粧ポーチが装備されていたり、ハイヒール掛けまである~! まさに「OKISHU」のご先祖様。こういうところも流石、やっぱり日産よね~(笑)。
1985年式の真っ赤なスズキ「アルト」は「麻美スペシャル」。もちろん小林麻美さんよ~(えっ、知らない!?)。室内が赤系のチェックに赤の無地とのコンビネーションシートはインパクトは強いけど、個人的には小林麻美さまのイメージではないような気が……(笑)。展示されているダイハツ「ミラ」のカタログはファッション誌のようなお洒落な雰囲気で、横に飾られているその時代を象徴する女性はロングのソバージュヘアとボディコン!
2000年式のトヨタ「WiLL Vi」は懐かしいわね~。かぼちゃの馬車のような攻めたデザインね。これは異業種合同プロジェクトで誕生し、今でも斬新なデザインだわ~。
クルマと一緒に自分が映っている写真を会場に持って行くと入場料半額に
そして最後の5つめの展示は、「女性エンジニアの活躍、そしてさらなる多様性の時代へ」。マツダの執行役員を務める竹内都美子さまは「デミオ」のテストドライバーから「MX-30」の開発主査へ。そしてレクサス「UX」のチーフエンジニア、加古 慈さま。
この特別企画展では、「わたしのクルマ」のコーナーに掲示する写真を大募集中(締め切りは2024年12月1日)! クルマと一緒に自分が映っている写真(企画展示室での展示およびSNSなどへの掲載が可能な方)を持っていくと、本人1名のみ入場料半額になるわ!
このイベントを企画した大石典子さまは、
「今回は女性を切り口にしてドライバーやクルマの歴史を紐といてみました。いろいろな人が集まると多様性のイノベーションを起こします。これからのモビリティにはみんなが乗りやすい、愛されるクルマ作りを考えるきっかけになって欲しいですね」
とおっしゃってました~。個人的にはこういう企画展、好き~(ハート)。
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