サイドもメインも、極めて重要なのがスタンド
「早く乗りたい!!」といった目線ではなく「コンディション良く仕上げたい!!」といった目線でメンテナンスに取り組むと、普通なら気にならない箇所にも疑問を抱き、「何とかしなきゃいけないなぁ」などと、考えてしまうことがあります。
【画像】ホンダ「スーパーカブC100」メインスタンド修理の様子を画像で見る(10枚)
バイクは「走ってナンボ」の乗り物に変わりありませんが、多くの時間、バイクはスタンドアップでパーキングされています。そんな時に利用するのがメインスタンドやサイドスタンドになります。
サイドスタンドを多用しているにも関わらず、グリスアップやピボット部に注油した経験があるライダーは、意外と少ないですよね? バイクから降りる時には、サイドスタンドを掛けて停車することが多いですが、この時、スタンドが硬く出にくかったり、出したはずのスタンドがガタガタで、バイクを傾けた時に、想像以上に大きく傾いてしまうことなど、ありますよね?
サイドスタンドが傾き過ぎると、車重を大きく受け止めてしまい、気が付いた時にはスタンドブラケットの溶接部分に亀裂が入り「フレームパイプが口を開いている!!」といったトラブルに気が付くこともあります。
逆に、車体の傾きが少ないと、傾斜路面でサイドスタンドを使って停車した時など「タイヤが回って車体が倒れていた!!」とか、サイドスタンドとは反対側に倒れて、バイクが将棋倒しになってしまった……などなど、そんなお話しを聞くこともあります。
では、メインスタンドは!? スタンドを掛けた時に、リヤタイヤが接地し安定しないとの経験があるライダーも数多いと思います。このメインスタンド問題も原因は様々で、時には、メインスタンドストッパーの減りなどではなく、メインスタンドを取り付けるフレームそのものが曲がってしまい、リヤタイヤが接地することもあります。1台1台、トラブル原因は異なります。まずは現状をしっかり観察凝視して、対処方法を検討しましょう。
リヤタイヤが接地すると至極不安定に
様々なメンテナンスに取り組んでいる1962年型のスーパーカブC100は、メインスタンドのストッパー部が著しく摩耗し、スタンドアップ時にリヤタイヤが接地していました。
メインスタンドストッパー部を目視確認すると、V型にプレスされた鋼板部品が溶接されています。そのプレス部品が、相手のストッパーに押しつけられたときがスタンドアップです。
度重なる利用と時の経過で(すでに生産されてから60年以上が経過)、ストッパーが磨耗し、リヤタイヤが接地してしまう状況になっている旧車は数多くあります。患部を凝視確認しましたが、ストッパー部の減りや摩耗以外に原因は無さそうでした。そこで、ストッパーに溶接肉盛りを行い、リヤタイヤが浮くように修正しようと考えました。
何故、ストッパーが減ってしまったのか!? 最大の原因は、恐らくスタンドアップした状態でバイクに跨り体重を載せて、バイクを前後に揺するような行為が過去に何度もあったからではないかと思います。
大型モデルも同様で、メインスタンドで停車したバイクに載って跨りキック始動……。誰にでもある始動方法ですよね。そんなときに車体が揺れてストッパーが強く押され、摩耗したりメインスタンドを保持するフレーム側が歪んでしまうことが多々あります。特に、大型モデル黎明期に登場した、例えばホンダ「CB750」Kシリーズやカワサキ「H1/H2」シリーズ、スズキ「GT」シリーズなどでは、メインスタンド問題が数多くあると聞きます。
さて、このC100です。メインスタンドを取り外し、溶接肉盛りしようと思いましたが、困ったことが発生です!! ピボットシャフトとスタンドピボットがサビによる固着で、メインスタンドが外せません。
様々な方法で試しましたが、どうにもシャフトが抜き取れませんでした。仕方ありませんので、中古のピボットシャフト(兼マフラー固定ブラケット)を準備した上で、フレームとスタンドの隙間に金ノコ(エアーソー)を立てて、ピボットシャフトをカット!! ほぼ解体でメインスタンドを取り外しました。
その後、ピボットパイプ内に残るシャフトの隙間に防錆浸透スプレーをたっぷり吹き付け、ハンディバーナーで炙ってから固着していたシャフトを叩き抜くことができました。新しいシャフトとメインスタンドの作動確認を行いながら、メインスタンドのストッパー部には肉盛り溶接を行いました。これらの作業によって、メインスタンドを掛けた時にリヤタイヤが接地せず、安定状況でメインスタンドを利用できるようになりました。
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