10月1日時点で、約3000台もの受注をうけているというボルボXC40。洗練されたエクステリアデザインや使い勝手に優れたインテリア、CMAプラットフォームがもたらす高性能な走りが人気の理由だろう。今回、ようやく導入となった2.0ℓターボのT4 AWDを堪能してきた。TEXT◎石川亮平(ISHIKAWA Ryohei)PHOTO◎平野 陽(HIRANO Akio)
今年3月に日本に導入されたボルボのコンパクトSUV、XC40。T5 AWD Rデザインをベースに20インチタイヤなどの豪華装備を纏った300台限定の「ファーストエディション」は、あっという間に完売。10月1日時点で約3100台の受注が入っているというから驚きだ。しかも、上級モデルのRデザインが販売比率の39%を占めているという。400万円後半~500万円代のモデルがこれほど人気になるのは理由があるはずだ。
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今回、ようやく日本に入ってきた190㎰/300Nmを発揮する2.0ℓ直4ターボのT4搭載モデルに試乗してきた(T5は252㎰/350Nmの2.0ℓ直4ターボとなる)。
試乗したのはベースグレードよりやや装備が充実している「T4 AWDモメンタム」。運転席に着座してインテリアをぐるっと眺めると、XC40が人気の理由がなんとなく理解できた。楽しい気分になるのだ。使い勝手の良いタブレット端末が埋め込まれたような9インチのセンターディスプレイ、大型ペットボトルやノートPCを収納できる大容量ドアポケット、ワイヤレス充電が可能なスマホ置き場......。所有したらどのように室内を使おうか? 想像するだけで楽しくなってくる。
T5より62㎰/50Nmアウトプットが低いT4だが、実際に走らせると動力性能になんら不足はない。2000rpmから過給が立ち上がり、高速道路の合流でも不満のない加速力を見せつける。けしてパンチ力はないが、クレバーで素早い変速マナーの8速ATがエンジンの性能を余す所なく引き出してくれる。
今回の試乗車はオプションの19インチタイヤを履いていたが、懸念された乗り心地もすこぶる快適だった。首都高の目地段差もタンッ、タンッと軽くいなしていく。小型車向けに開発したCMAアーキテクチャーの剛性が非常に高いのも乗り心地が良い要因のひとつだろう。
このクラスで19インチの大径タイヤを余裕で履きこなしているのは驚異だ。もうひとつの美点はシートの座り心地だ。筆者は猫背体型なのだが、XC40の運転席に着座すると腰から背中までシートがぴたっと密着し、身体を支える。今すぐにでも長距離ドライブにでかけたくなるようなシートだ。
次にT5 AWD Rデザインに試乗してみた。Rデザインはスポーツサスを装備するので、モメンタムよりも硬い乗り心地を予想していたが、これが裏切られた。荒い路面でも滑るように走り、凹凸を踏んでも一発でボディの揺れが収束する。まるでDセグメント以上の高級車に乗っているかのような快適な乗り心地に、最近のボルボの実力を見た気がする。T4、T5、ライフスタイルによってどちらのXC40を選んでもきっと後悔することはないだろう。
※本記事は『GENROQ』2018年12月号の記事を再編集・転載したものです。
SPECIFICATIONS
ボルボXC40 T4 AWD モメンタム
■ ボ デ ィサ イズ:全 長4425×全幅1875×全高1660mm ホ イ ー ル ベ ー ス:2700mm トレッド:Ⓕ1600 Ⓡ1625mm ■車両重量:1670kg ■ エ ン ジ ン:直 列4気筒DOHCターボ ボア×スト ロ ー ク:82×93.2mm 総 排 気 量:1968cc 最 高 出 力:140k W(190㎰ )/4700rpm 最大トル ク:300Nm(30.6kgm)/1400~4000rpm ■トランスミッション:8速AT ■ 駆 動 方 式:AWD ■ サ ス ペ ン ション 形 式:Ⓕ マ クフ ァ ーソンストラットⓇマルチリンク ■ブレーキ:Ⓕ & Ⓡ ベ ン チ レ ー テ ッド デ ィ ス ク ■ タイ ヤ サ イ ズ ( リ ム 幅 ): Ⓕ & Ⓡ235/55R18(7.5J) ■ 環 境 性 能(JC08モ ー ド ) 燃 料 消 費 率 :13.2km/ℓ ■車両本体価格:459万円
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