現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日産「マーチ」は今後どうなる? キューブなど日産車が続々と廃止される理由

ここから本文です

日産「マーチ」は今後どうなる? キューブなど日産車が続々と廃止される理由

掲載 更新
日産「マーチ」は今後どうなる? キューブなど日産車が続々と廃止される理由

■日産「マーチ」は今後どうなる?

「『マーチ』の生産終了が近づいています」との噂があります。2019年12月に終了する「キューブ」に続いて、マーチまで生産を終えるのでしょうか。

不人気にもほどがある!? ビックリするほど売れていない軽自動車5選

 マーチとキューブでは、クルマの位置付けがかなり違います。キューブは国内向けの背の高いコンパクトカーで、発売されたのは2008年です。

 対する現行マーチは、2010年に発売され設計が少し新しく、タイで生産される輸入車になります。現時点ではタイのほかに中国やインドでも販売される、いわゆるグローバルカーです。キューブとは事情が異なるといえます。

 一方で、日本国内においてマーチの売れ行きが低迷していることも確かです。現行型は2010年に発売され、2012年(2011年は東日本大震災で販売が大幅に滞りました)の登録台数は、1か月平均で3300台でした。直近の2019年1月から6月の平均は、980台まで下がっています。

 これに比べると先代マーチは好調に売れて、発売された2002年の登録台数は、1か月平均で1万1600台に達しました。初代ホンダ「フィット」や9代目トヨタ「カローラ」に次ぐ売れ行きです。現在の日産「ノート」が2019年1月から6月の1か月平均で1万1400台を販売していることを考えると、当時のマーチは相当な人気車でした。

 先代マーチに比べると、現行型は発売時点から売れ行きが鈍く、時間の経過によってさらに下降したことになります。

 販売が低調な理由は、まず外観や内装の質に不満があったことでしょう。先代型に比べると、ボンネットとフェンダー、後席を倒したときのシートと荷室など、パネル間の隙間が大きくなりました。インパネの素材もいまひとつです。乗り心地は硬くなり、先代型のゆったりとしたリラックス感覚が乏しくなりました。

※ ※ ※

 さらに現行型で不満を高めたのが安全装備です。現行ノートは2012年の発売後、2013年12月には歩行者も検知できる緊急自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)を採用しましたが、マーチは現行型でも装着されません。

 いまでは軽自動車を含めて、歩行者を検知できる緊急自動ブレーキの装着が常識になっており、非設定のクルマでは販売が落ちても仕方ないでしょう。

 ただしマーチは、日本市場には惜しいクルマでもあります。ボディはコンパクトで、全長は3825mm、全幅は1665mm、最小回転半径は4.5mに収まるため、狭い道でも運転しやすいです。ボディスタイルは水平基調で、サイドウインドウの下端が低めなので、前後左右の視界も優れています。

 ヘッドランプは高い位置に装着され、フェンダーの盛り上がった部分が運転席から見えるため、車幅やボディの先端位置も分かりやすいです。ピラー(柱)の角度を立てたので、前席は乗り降りもしやすいです。

 日産の広報に確認したところ、「マーチが生産、販売終了するということはございません」とのことでした。マーチは買い物など日常的な移動で使いやすく、日本の道路環境に適したコンパクトカーといえるでしょう。安全装備を充実させるなど、さらに商品力を高めて欲しいです。

■コンパクトカーだけじゃない! セダンの「ティアナ」も生産終了?

 キューブのほかにも、生産を終えるのが「ティアナ」です。販売店では以下のようにコメントしています。

「ティアナは2019年10月頃から、順次、注文できるグレードやメーカーオプションの種類を減らします。価格の安いグレード(XE)、ガラスルーフなどから、カットすることになりそうです。

 おそらく2019年内に国内販売を終えるので、11月の注文が最後になるでしょう。フルモデルチェンジとか、マイナーチェンジを施す予定は聞いていません。

 ティアナは車内の広い上質なセダンで、『セフィーロ』の時代から購入しているお客さまもおられます。改良を行ってエマージェンシーブレーキ(緊急自動ブレーキ)も採用したので、今後も売り続けて欲しいです」

※ ※ ※

 日本国内で販売される現在の日産車は、以前に比べると車種数を大幅に減らしました。しかもマーチのように2010年以前に発売されたクルマが多く、前述のように2008年に登場したキューブは、2019年内に生産を終えます。

 ティアナは1か月の登録台数が200台以下に落ち込んでいましたが、日本で発売されたのは2014年です。設計が比較的新しいので、テコ入れを図る価値のあるクルマでしょう。マーチと同様、廃止するのは惜しいです。

 いまの日産で堅調に売れるのは、ノートやセレナ、エクストレイル、デイズ、デイズルークスの5車種のみです。メーカー別の販売ランキング順位も、トヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツに次ぐ5位まで下がりました。

 日産ファンにとって、車種の削減と販売の低下は、寂しい現実です。日産の関係者からは「2020年以降は、国内で販売する車種ラインナップを再構築します」という話も聞かれます。

 実際、欧州では新型「マイクラ(日本名:マーチ)もフルモデルチェンジしています。ついに欧州の新型マーチを日本に導入して復活もあるのか、今後の日産に期待したいと思います。

こんな記事も読まれています

[音を良くするコツをプロが指南]「スマホ」をシステムの中心に据えて良い音を楽しむ方法を伝授!
[音を良くするコツをプロが指南]「スマホ」をシステムの中心に据えて良い音を楽しむ方法を伝授!
レスポンス
3位&4位のフェラーリ、ドライバーたちに不満が残るレースに。サインツはピット指示に苛立ち、ルクレールは僚友に激怒
3位&4位のフェラーリ、ドライバーたちに不満が残るレースに。サインツはピット指示に苛立ち、ルクレールは僚友に激怒
AUTOSPORT web
レッドブル、今季の”最低地点”はイタリアGPだと振り返り「タイトルが遠ざかっていく瞬間だった」
レッドブル、今季の”最低地点”はイタリアGPだと振り返り「タイトルが遠ざかっていく瞬間だった」
motorsport.com 日本版
トヨタが2025年参戦体制を発表。ロバンペラが3冠目指しフルシーズン復帰、勝田を含む4名がフル出場へ
トヨタが2025年参戦体制を発表。ロバンペラが3冠目指しフルシーズン復帰、勝田を含む4名がフル出場へ
AUTOSPORT web
100万円サポートクーポンが当たる!アルファロメオ、ブラックフライデーキャンペーンを実施中
100万円サポートクーポンが当たる!アルファロメオ、ブラックフライデーキャンペーンを実施中
LE VOLANT CARSMEET WEB
マヒンドラの新型電動SUV、最終ティーザー…11月26日デビューへ
マヒンドラの新型電動SUV、最終ティーザー…11月26日デビューへ
レスポンス
日産「新型セレナ」発売に反響多数! 「待ってました」「魅力的」 超スゴい「高性能4WD」&地上高アップの「イーフォース」追加へ! 待望の「性能向上モデル」14日発売
日産「新型セレナ」発売に反響多数! 「待ってました」「魅力的」 超スゴい「高性能4WD」&地上高アップの「イーフォース」追加へ! 待望の「性能向上モデル」14日発売
くるまのニュース
圧倒的な存在感!3.5リッターV6エンジン搭載の北米専用ミドルサイズSUV ホンダ「パスポート」がフルモデルチェンジ
圧倒的な存在感!3.5リッターV6エンジン搭載の北米専用ミドルサイズSUV ホンダ「パスポート」がフルモデルチェンジ
VAGUE
懐かしの肩パッド入りトップスがむしろ新鮮! 存在感抜群のコスチュームの「HELM LOYALZ」に会いに鈴鹿サーキットへGO!
懐かしの肩パッド入りトップスがむしろ新鮮! 存在感抜群のコスチュームの「HELM LOYALZ」に会いに鈴鹿サーキットへGO!
Auto Messe Web
PUBGモバイルとマクラーレンがコラボしたゲームを期間限定で無料配信
PUBGモバイルとマクラーレンがコラボしたゲームを期間限定で無料配信
Webモーターマガジン
全長4.9m超え! 国内“最大級”の新型「ステーションワゴン」発表! めちゃデカい「荷室サイズ」がサイコー! 圧倒的な“快適性”実現した新型「パサート」とは
全長4.9m超え! 国内“最大級”の新型「ステーションワゴン」発表! めちゃデカい「荷室サイズ」がサイコー! 圧倒的な“快適性”実現した新型「パサート」とは
くるまのニュース
NIO、第3のブランド「ファイアフライ」で小型EV市場参入へ
NIO、第3のブランド「ファイアフライ」で小型EV市場参入へ
レスポンス
“惨事”で終えたタナク「滑りやすいのは予想外」「彼はチャンピオンにふさわしい」/ラリージャパン最終日コメント
“惨事”で終えたタナク「滑りやすいのは予想外」「彼はチャンピオンにふさわしい」/ラリージャパン最終日コメント
AUTOSPORT web
ど派手なガルウイングだけど走ればガチもんのピュアスポーツ! 単なるSL300のリバイバルじゃない「SLS AMG」の韋駄天っぷり
ど派手なガルウイングだけど走ればガチもんのピュアスポーツ! 単なるSL300のリバイバルじゃない「SLS AMG」の韋駄天っぷり
WEB CARTOP
フォードはいったいどこへ向かう!? 「ローンを滞納すると自動でディーラーに帰るクルマ」「ピザの自動配達」に続き「麻薬の運び屋防止装置」を開発していた
フォードはいったいどこへ向かう!? 「ローンを滞納すると自動でディーラーに帰るクルマ」「ピザの自動配達」に続き「麻薬の運び屋防止装置」を開発していた
WEB CARTOP
サンキューメルセデス! マクラーレン、コンストラクター争いのライバルフェラーリ抑えるラスベガスワンツーに感謝
サンキューメルセデス! マクラーレン、コンストラクター争いのライバルフェラーリ抑えるラスベガスワンツーに感謝
motorsport.com 日本版
トヨタ「“5人寝られる”ハイエース!?」公開! オシャな“レザー”&“ウッド”内装が超カッコイイ! 標準ボディ+2段ベッドの“車中泊”モデル「オーゼット グランドバケーション380」お台場で実車展示
トヨタ「“5人寝られる”ハイエース!?」公開! オシャな“レザー”&“ウッド”内装が超カッコイイ! 標準ボディ+2段ベッドの“車中泊”モデル「オーゼット グランドバケーション380」お台場で実車展示
くるまのニュース
普通のバイクのスタイリングが安心感を生む! カワサキの原付二種電動バイク『Ninja e-1』に試乗します~小野木里奈の○○○○○日和~
普通のバイクのスタイリングが安心感を生む! カワサキの原付二種電動バイク『Ninja e-1』に試乗します~小野木里奈の○○○○○日和~
バイクのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

128.9187.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

6.9254.0万円

中古車を検索
マーチの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

128.9187.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

6.9254.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村