現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > GR 86は遅くとも10月中に発売される!? その理由は11月に始まるあの保安基準にある

ここから本文です

GR 86は遅くとも10月中に発売される!? その理由は11月に始まるあの保安基準にある

掲載 318
GR 86は遅くとも10月中に発売される!? その理由は11月に始まるあの保安基準にある

GR 86が11月より前に発売される明らかな理由

4月5日に発表されたトヨタの「GR 86」と「スバル BRZ」。その走りについても公式動画でお披露目されましたが、発売はBRZが今夏、GR86は今秋となっています。発売時に明らかになるグレード構成や価格が気になるというファンも多いことでしょう。

とくに、遅れて登場するGR 86の“今秋”がいつなのかは気になるところですが、ひとつ言えるのは「遅くとも10月中には発売される」ということです。その理由はAEBS(衝突被害軽減ブレーキ)の義務化に関係しています。

AEBSの義務化は新型車で2021年11月以降、継続生産車で2025年12月以降です。新型GR 86とBRZにはアイサイトが標準装備されると発表されていますが、それはAT車限定の話。MT車にはアイサイトが付きませんし、ベーシックなAEBSも備わらないはず。そうなると(新型車への)AEBSが義務化となる2021年11月より前の発売が必須となるわけです。

MTとアイサイトの組み合わせをNGとするスバルの方針は変わるか?

さらにいえば、(継続生産車への)AEBSが義務化される2025年12月までには、MT車にもアイサイト的な機能が必須になりますが、スバルの方針として“MTとアイサイトの組み合わせはNG”となっています。この日までにMT車を生産終了にするのか、それともまったく別のシステムで法規対応するのか現時点ではわかりませんが、「スポーツカーにAEBSは不要!」と考える硬派なドライバーにとっては、初期モノのMT車が貴重な存在になる可能性もあるわけです。

ただし、これまでスバルは渋滞での停止にも対応する“全車速対応ACC”には、EPB(電動パーキングブレーキ)が必須という方針でしたが、新型BRZのATモデルは、手で引くタイプのサイドブレーキながら渋滞時の一時停止(3秒)が可能になっているなど、微妙な方針の変化も見えます。

ちなみにMTとAEBSの組み合わせというのは、他社では珍しいものではありません。スポーツカーでいえば「マツダ ロードスター」にもAEBSが備わっています。MTの場合、緊急停止時にエンストしてしまうことのネガをスバルが受け入れることができれば、MT車にアイサイトが設定される可能性もゼロではないかもしれません。今回、AT車にアイサイトを搭載するにあたって前述の柔軟な対応をしたことを考えると、アイサイト搭載のMT車が生まれる可能性も捨て切れないでしょう。

日産 GT-Rやホンダ S660もAEBS義務化への対応は困難

ところで、AEBS義務化によって将来が心配されているスポーツカーはほかにもあります。それが2022年型ニスモを発表したばかりの「日産 GT-R」です。

GT-RにはAEBS的な先進安全装備&運転支援システムが備わっていません。電子プラットフォーム的にもAEBSの装備は難しいというのがもっぱらの噂です。

熟成で寿命を延長し続けているGT-Rですが、このままいくと2025年12月の継続生産車に対するAEBS義務化という法規に対応できず、そのモデルライフを終わらせることが予想されます。もちろん、GT-Rのベースとされる「スカイライン」はプロパイロット2.0を装備するなど、最新の先進運転支援機能をもっていますから、技術的に無理というわけではありませんが、予算規模を考えても現行型GT-Rが対応するのは難しいでしょう。

じつは、3月に生産終了を発表したホンダS660でも、AEBSの対応が難しいことが生産終了を決定する要因のひとつだったという話がありました。スポーツカーが生き残るには一定の環境性能を満たすだけでなく、先進安全装備でも高いハードルが求められる時代となっています。電子制御を最小限としたスポーツドライビングを楽しめるクルマを手に入れるための残された時間は刻一刻と短くなっています。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

※写真
1枚目:GR 86
2枚目:スバル BRZ
3枚目:日産 GT-R ニスモ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
GQ JAPAN
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
motorsport.com 日本版
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
AUTOSPORT web
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
Auto Messe Web
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
WEB CARTOP
東京海上日動、顧客連絡先不明の代理店を新たに2社確認 合計124社に
東京海上日動、顧客連絡先不明の代理店を新たに2社確認 合計124社に
日刊自動車新聞
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
くるまのニュース
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
motorsport.com 日本版
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
AUTOSPORT web
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
レスポンス
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
motorsport.com 日本版
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
くるまのニュース
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
レスポンス

みんなのコメント

318件
  • 車好きにはお先真っ暗な時代です。ますます車が売れなくなる政策ばかり政府はやります。車に興味のない人たち向けの車を作ったらますます売れない
  • 日本、アメリカと違って普通の車でもMT率の高い欧州もAEBS義務化が進んでいくのだから、MT廃止とかMTにAEBSは無理とかいう話にはならないと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

267.2358.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

75.0847.9万円

中古車を検索
86の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

267.2358.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

75.0847.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村