伝統のイベントが今年も開催
毎年春になるとフェラーリ・オーナーは、あのイベントの連絡を心待ちにする。そう、スタート以来38年目を迎える「フェラーリ・ブランチ」が開かれるからだ。
【画像】新旧140台のフェラーリが集結 伝統のフェラーリ・ブランチ2023 全21枚
今年も日本のフェラーリ・オーナーにとっては聖地ともいえる、御殿場にあるタンタローバ・ガーデン(旧ヴィンテージカーガーデン)を舞台に「フェラーリ・ブランチ」が催された。
フェラーリ・ブランチは1986年に松田コレクションの主催でスタート。以来、日本のフェラーリ・オーナーにとって、春の欠かせぬイベントとして親しまれてきた。
一時期は休止していたフェラーリ・ブランチだが、2014年にフェラーリ・オーナーズ・クラブ・ジャパン(FOCJ)とのジョイントで復活し、2019年からはFOCJのクラブイベントとして開催されている。
なお、ブランチに参加できるのは、フェラーリを所有しているFOCJメンバーに限られる。
例年は桜とフェラーリの共演が楽しめたが、今年は開花が早かったため、残念ながら葉桜になってしまった。しかし、マスク不要での開催は2019年の春以来4年ぶりとなる。
812コンペティツィオーネが初参加
毎回注目のニューモデルが姿を見せるフェラーリ・ブランチだが、今年の主役は12気筒812系の最終進化型として送り出された812コンペティツィオーネだ。
812スーパーファストのパフォーマンスを徹底的に突き詰めたのがコンペティツィオーネで、最高出力830psを誇るモンスターだ。999台の限定車だけにメンバーの注目を集めていた。
一方、今回参加したプレミアムモデルはF40とF50だけと幾分寂しかった。逆に最新のSF90と296GTBは、様々なボディカラーが数多く集まった。
クラシケモデルは、365GTB/4デイトナを筆頭に365GT4 2+2、512BB、512BBi、308GTB、328GTB、テスタロッサといった1970~1980年代を代表するモデルが並んだ。
このほか348や512TR、456GT、F355などの90年代のモデルから、575、612、F430、599、458、488、F8、812、カリフォルニア、ポルトフィーノなど、ほとんどのモデルが姿を見せた。
当日は朝方こそ暗い雲と御殿場らしい霧に包まれたが、参加車が入場する頃には青空が広がる絶好のブランチ日和となった。参加者はここだけのフェラーリ三昧のひとときを満喫していた。
愛車を前にしての歓談があるのみ
フェラーリ・ブランチの特徴は、特別なプログラムがないことだ。ガーデンに愛車を駐め、開会セレモニーがある以外は参加者同士の歓談がメインとなるのが伝統なのである。
開会セレモニーではFOCJの川崎会長による開催挨拶に続き、今後のクラブイベントのスケジュールが説明された。
続いてブランチのために参加したフェラーリ・ジャパンのフェデリコ・パストレッリ社長からは、オーナーへの謝辞と6月に開かれるフェラーリ・レーシング・デイズの案内がなされた。
参加者は旧知のメンバーと歓談し、同じモデルを所有するオーナーと情報交換して見識を深め、意中のモデルをチェック。ガーデンではクルマを囲んで話に花を咲かせていた。
今年のニュースは、イベント名の由来となる『ブランチ』が復活したことだ。コロナ禍の影響でこの2年はドリンクサービスだけだったが、3年ぶりに復活しBBQやクレープなどがふるまわれた。
ゆったり、まったりとした時間が流れ、オーナー同士の親睦を主とするフェラーリ・ブランチは、スタートした当時と変わらぬ暖かな空気がそのまま受け継がれていた。
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