現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > メルセデス・ベンツCクラス vs BMW 3シリーズ vs ジャガーXF 上級サルーン乗り比べ 後編

ここから本文です

メルセデス・ベンツCクラス vs BMW 3シリーズ vs ジャガーXF 上級サルーン乗り比べ 後編

掲載 更新 5
メルセデス・ベンツCクラス vs BMW 3シリーズ vs ジャガーXF 上級サルーン乗り比べ 後編

最も軽量という強みを持つ3シリーズ

3台ともに4気筒ディーゼルターボ・エンジンを搭載するが、トルク感では、最新のメルセデス・ベンツC 220dが最も豊か。低回転域から力強くボディを引っ張る。バランスの良さでは、BMW 320dが一枚ウワテ。車内で聞こえるノイズも小さい。

【画像】Dセグの新型メルセデス・ベンツCクラス BMW 3シリーズとEセグのジャガーXF 全69枚

最高出力は190psと、BMWが3台では一番低い。しかし車重は1540kgと最も軽く、回転域を問わず安定したトルク感がある。4000rpmを超えても、ジャガーXF D200やC 220dより積極的に回転しようとする。やはりエンジンの会社だと思わせる。

この軽さは、3シリーズの明確なストロングポイント。試乗車はオプションのランフラット・タイヤを履いており、路面の凹凸やうねりを越えると硬めの乗り心地を隠さない。だがグリップ力や姿勢制御、操縦性の精度では、最もバランスに長けている。

コーナリングは、常にフラットで落ち着いている。アダプティブダンパーをコンフォート・モードにしていても、張りとしなやかさを兼ね備えた特別な質感を味わえる。

他方、C 220dの着座位置は320dより高い。それも相まって、コーナーへ侵入していくと早めの段階でボディロールが発生するように感じる。

サスペンションは、BMWより路面の不整を巧みに吸収し均してくれる。だが、高速域での鋭い入力にはさほど強くないようだ。

ツギハギの多い市街地の路面でも、Cクラスの落ち着きは乏しい。それでいて操縦性のシャープさやバランスは、3シリーズには及ばない。

一般道への親和性で勝るXF

ジャガーXF D200のシャシーは、英国郊外の一般道への親和性で勝る。BMW 3シリーズ以上に。適正なクルージングスピードなら、まるで路面から浮かんでいるように滑らかに走る。加えて、出色のハンドリングがドライバーを飽きさせない。

ステアリングホイールの重み付けは素晴らしく、情報量も豊か。アダプティブダンパーを搭載せずとも、コミュニケーション力は秀逸。オプションの19インチホイールを履いていても、その印象は変わらないようだ。

エグゼクティブ・サルーンに相応しいと感じさせる、優れた乗り心地と操縦性をジャガーXFは両立させている。ここまで研ぎ澄まされた例は、極めて珍しいといえる。

その反面、操縦性のバランスや、姿勢制御や動的能力という面では、320dの水準には届いていない。ハンドリング・サルーンとして、EセグメントのジャガーがDセグメントのBMWを打ち負かすのではないかと期待していたが、難しいようだ。

最終的に、ジャガーFXのボディは大きく重すぎる。2015年というX260型の登場年の古さも、隠せないのだろう。

W206型のCクラスは、フレッシュさを感じる走りながら、ドライバーへの訴求力で3シリーズやXFを凌駕することはなかった。恐らくディーゼルの220dは、メルセデス・ベンツが長年培ってきた5代目Cクラスのすべてを、完璧には表現できていないのだろう。

高い期待値に届いていないCクラス

最新のC 220dは、出色の品質と運転のしやすさを備えたDセグメント・サルーンという、メルセデス・ベンツCクラスへの高い期待値には届いていない。より静かで実用的で、滑らかで、安楽に運転できるべきだと思う。

恐らく220d以外なら、今回の3台比較でもっと高い評価を得ることもできただろう。しかし別グレードであっても、BMW 320d Mスポーツを超えるベストの結果は狙いにくいと感じたことも確かだ。

高機能なLEDヘッドライトにオンライン・ストリーミング・サービス、無線のソフトウエア・アップデートなどが、我々がエグゼクティブ・サルーンに求めるすべてではない。シュツットガルトの技術者も、それは理解しているはず。

戦車のように強固で、独自のオーラと上質さや快適性を備えた、かつての姿こそ今の時代に求めるメルセデス・ベンツCクラスだと筆者は思う。不確実性が高いという時代性にも、遥かに適しているはずだ。

メルセデス・ベンツ、ジャガー、BMW 3台のスペック

BMW 320d Mスポーツ・プロパッケージ(英国仕様)のスペック

英国価格:4万505ポンド(約615万円)
全長:4709mm
全幅:1827mm
全高:1435mm
最高速度:239km/h
0-100km/h加速:6.8秒
燃費:20.4km/L
CO2排出量:128g/km
乾燥重量:1540kg
パワートレイン:直列4気筒1995ccツイン・ターボチャージャー+ISG
使用燃料:軽油
最高出力:190ps/4000rpm
最大トルク:40.7kg-m/1750-2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック

ジャガーXF D200 AWD Rダイナミク S(英国仕様)のスペック

英国価格:3万5620ポンド(約541万円)
全長:4962mm
全幅:1890mm
全高:1456mm
最高速度:230km/h
0-100km/h加速:7.8秒
燃費:16.7-18.3km/L
CO2排出量:143-157g/km
乾燥重量:1794kg
パワートレイン:直列4気筒1997ccツイン・ターボチャージャー+ISG
使用燃料:軽油
最高出力:203ps/4250rpm
最大トルク:43.7kg-m/1750-2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック

メルセデス・ベンツC 220d AMGライン・プレミアム(英国仕様)のスペック

英国価格:4万4915ポンド(約682万円)
全長:4751mm
全幅:1820mm
全高:1438mm
最高速度:244km/h
0-100km/h加速:7.3秒
燃費:20.9km/L
CO2排出量:121g/km
乾燥重量:1680kg
パワートレイン:直列4気筒1993ccツイン・ターボチャージャー+ISG
使用燃料:軽油
最高出力:199ps/4200rpm
最大トルク:44.8kg-m/1800-2800rpm
ギアボックス:9速オートマティック

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

昭和の香り残す街に130台のクラシックカー…青梅宿懐古自動車同窓会2024
昭和の香り残す街に130台のクラシックカー…青梅宿懐古自動車同窓会2024
レスポンス
三菱「新型SUVミニバン」公開! 全長4.5m級ボディדジムニー超え”最低地上高採用! タフ仕様の「エクスパンダークロス アウトドアE」比国に登場
三菱「新型SUVミニバン」公開! 全長4.5m級ボディדジムニー超え”最低地上高採用! タフ仕様の「エクスパンダークロス アウトドアE」比国に登場
くるまのニュース
新型フォルクスワーゲン・ティグアン発売。7年ぶり全面刷新、2Lディーゼルと1.5Lハイブリッドを展開
新型フォルクスワーゲン・ティグアン発売。7年ぶり全面刷新、2Lディーゼルと1.5Lハイブリッドを展開
AUTOSPORT web
【第2回】サイトウサトシのタイヤノハナシ:スタッドレスタイヤはなぜ効く?
【第2回】サイトウサトシのタイヤノハナシ:スタッドレスタイヤはなぜ効く?
AUTOCAR JAPAN
巨大GTウイングに赤黒の「トミカスカイライン」カラー! リバティウォークはトラック相手でも容赦なしの圧巻カスタム!!
巨大GTウイングに赤黒の「トミカスカイライン」カラー! リバティウォークはトラック相手でも容赦なしの圧巻カスタム!!
WEB CARTOP
ガスリー、ご近所さんになった角田裕毅とカラオケ熱唱「声枯れるほど歌った。楽しい夜だった」思い出アデルの曲も再び
ガスリー、ご近所さんになった角田裕毅とカラオケ熱唱「声枯れるほど歌った。楽しい夜だった」思い出アデルの曲も再び
motorsport.com 日本版
Jujuが人気ドライバー部門首位「暖かい声援が何よりも活力に」。2024年のSFgoアワードはTGMが“2冠”
Jujuが人気ドライバー部門首位「暖かい声援が何よりも活力に」。2024年のSFgoアワードはTGMが“2冠”
AUTOSPORT web
ラリーカーが空を飛ぶ! WRCラリージャパン堂々幕開け。Rally1ではM-スポーツ・フォードのフルモーSSS1最速。勝田貴元3番手
ラリーカーが空を飛ぶ! WRCラリージャパン堂々幕開け。Rally1ではM-スポーツ・フォードのフルモーSSS1最速。勝田貴元3番手
motorsport.com 日本版
60系『プリウス』のメーター手前を小物置きに、カーメイトが専用トレー発売
60系『プリウス』のメーター手前を小物置きに、カーメイトが専用トレー発売
レスポンス
新車採用が「義務化」! でも後退時「バックモニター」だけで動くのは「危険すぎ」!? “カメラ”に映らない「死角」がヤバかった
新車採用が「義務化」! でも後退時「バックモニター」だけで動くのは「危険すぎ」!? “カメラ”に映らない「死角」がヤバかった
くるまのニュース
レクサス新型「本格ラグジュアリーSUV」発表! “450馬力”超えの「3列シート」採用モデル登場! 超パワフルな「高性能ハイブリッド」初搭載した“新型LX”加国発売!
レクサス新型「本格ラグジュアリーSUV」発表! “450馬力”超えの「3列シート」採用モデル登場! 超パワフルな「高性能ハイブリッド」初搭載した“新型LX”加国発売!
くるまのニュース
“ツーリングもサーキットも楽しめる”スーパースポーツバイク! ヤマハ「YZF-R7 ABS」の2025年モデルは鮮烈なブルーとグレーが魅力です
“ツーリングもサーキットも楽しめる”スーパースポーツバイク! ヤマハ「YZF-R7 ABS」の2025年モデルは鮮烈なブルーとグレーが魅力です
VAGUE
いすゞ、新開発の2.2Lディーゼルエンジンを『D-MAX』と『MU-X』に搭載
いすゞ、新開発の2.2Lディーゼルエンジンを『D-MAX』と『MU-X』に搭載
レスポンス
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
新型「“真っ黒”クロスオーバーSUV」発表! 初の「精悍ブラック仕様」&特別な“豪華内装”採用! 専用装備マシマシな「Cクラス オールテレイン」登場!
新型「“真っ黒”クロスオーバーSUV」発表! 初の「精悍ブラック仕様」&特別な“豪華内装”採用! 専用装備マシマシな「Cクラス オールテレイン」登場!
くるまのニュース
最新EVと環境への挑戦を体感! 第30回日本EVフェスティバル 11月23日
最新EVと環境への挑戦を体感! 第30回日本EVフェスティバル 11月23日
レスポンス
インフィニティ、フルサイズSUV『QX80』新型の購入者に新サービス…専任コーディネーターが対応
インフィニティ、フルサイズSUV『QX80』新型の購入者に新サービス…専任コーディネーターが対応
レスポンス
ホンダ「2列×6人乗り」小型ミニバンが凄い! まさかの「前席に3人並ぶ」斬新シート採用! 全長4.3mで「最高にちょうどいい」サイズの“エディックス”とは!
ホンダ「2列×6人乗り」小型ミニバンが凄い! まさかの「前席に3人並ぶ」斬新シート採用! 全長4.3mで「最高にちょうどいい」サイズの“エディックス”とは!
くるまのニュース

みんなのコメント

5件
  • ゴルフとアウディはいい加減DSGをやめてATに変えるべきだ。
    DSGな限りもう2度とゴルフとアウディに乗ることはない。
  • アウディA4はダメでしょー。評論家に酷評されてんじゃん。ベースがワーゲンだから無理なんだよ。
    金の無駄使いだから一度買ってみ?笑
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

468.0729.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

27.0930.0万円

中古車を検索
3シリーズ クーペの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

468.0729.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

27.0930.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村