日本ではCクラスに設定されたばかりのAMGモデル「63 S E パフォーマンス」だが、ドイツ本国ではSUVボディのGLCにも展開され始めた。680ps/1020Nmを発生するモンスター級のハイパフォーマンスを得たミドルサイズSUVは、一体どんな妙味を持つのだろう。(モーターマガジン2024年2月号より)
F1テクノロジーをベースにした高性能PHEV
欧州内でもっとも大きな市場を抱え、環境意識の高いドイツにおけるBEVの販売台数は年々伸びているように見える。しかし2023年11月の新車登録状況をチェックするとBEVの割合はわずか18.3%と、10台のうち8台以上が何らかの形で燃料を燃やし続けているのが現状である。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
とは言え欧州のフリート燃費規制は年々厳しくなっており、純ガソリン車の存続は危ういものになっている。とくにこれまでに大排気量、多気筒エンジンを売りにしてきたメルセデス・ベンツのハイエンドスポーツブランドであるAMGも例外ではない。
なかでも販売台数が比較的多いコンパクトモデルではダウンサイジングは急務である。そこで登場したのが、F1の技術をベースにした高性能PHEV「E パフォーマンス」だ。
最高出力476ps、最大トルク545Nmを発生する2L直4ターボエンジンと、リアアクスルにフランジされ204psを発生する2速ギアを持った電気モーターが組み合わされている。このシステムのコアとなる重量89kgのバッテリーは6.1kWhの電力量を持ち、10秒間だけブーストパワーを発生させることができる。
これによりシステム最高出力は680ps、最大トルクは1020Nmと従来型のV8ツインターボを凌ぐパワーを発生する。
AMG専用デザインのグリル、カーボン素材で差別化
このパワートレーンはまずはCクラスに搭載されたが今回、いまだブームが続く売れ筋のミドルサイズSUV、GLCに移植されたGLC63 S E パフォーマンス(以下、GLC63)が誕生し、スペインで試乗会が開催された。
GLC63の外観はAMG専用デザインの縦格子グリル、そしてボディ各部にカーボン素材を配して存在感を高め、さらにオプションの21インチタイヤは地面から生えているような安定感で、ボディを引き締めていた。
一方、インテリアは現行のメルセデス・ベンツに共通するデジタルインストゥルメントが並ぶが、MBUXのアイコンやコンテンツはAMG専用だ。
ダイナミック性能は9速AMGスピードシフトで0→100km/hが3.5秒、最高速は275km/hまで到達することが可能だ。コンフォート、スポーツ、スポーツ+、レース、アイス(凍結路の走行用)、インディビジュアルなど数多くのドライブモードが用意されるが、まずはコンフォートを選択し、スタートした。
いかにもAMGらしい乗り味を持つ
走り出してアクセルペダルをまず踏み込んでみたとき、約2.3トンもの重量にもかかわらずフットワークが軽いことに驚いた。さらに低回転域から過給する電動ターボのおかげでよどみなくトルクが沸き上がってくる。
V8に劣らないダッシュパワーと同時にドライバーの耳には低いシンセティックサウンド(合成音)が響きわたり高揚感を高める。
また、ステアリング操作は正確で、センター付近でもナーバスではないゆえに高速道路ではどんなスピードでもリラックスして走れる。ただしステアフィールは全体的にやや人工的な感じがあった。
さらに山間部のワインディングロードを走った。ここで好印象に感じられたところは、改善された前後の重量配分によるハンドリング性の向上である。もちろんここには最大で2.5度の舵角を与えられた後輪ステアの効果もあるが、48Vのパワーによって作動する電子制御のロールスタビライザーの効果が高く自然で安定した姿勢でコーナーをトレースした。
コンパクトで実用性の高いSUVボディとモータースポーツから市販車へ移植された環境技術であるPHEVシステムの組み合わせは、いかにもAMGらしいソリューションだ。ちなみにドイツで発表された価格は12万1856ユーロ(約1924万円)である。(文:木村好宏/写真:キムラ・オフィス)
■GLC 63 S Eパフォーマンス 主要諸元
●全長×全幅×全高:4749×1920×1635mm
●ホイールベース:2888mm
●トレッド 前/後:1645/1646mm
●車両重量:2310kg
●エンジン種類:直4DOHC電動排気ターボ+モーター
●総排気量:1991cc
●圧縮比:9.1
●最高出力:350kW(476ps)/6750rpm
●最大トルク:545Nm(55.6kgm)/5250-5500rpm
●モーター最高出力:150kW(204ps)
●モーター最大トルク:320Nm(32.6kgm)
●バッテリー容量:6.1kWh
●システム最高出力:500kW(680ps)
●システム最大トルク:1020Nm(104.0kgm)
●EV走行距離:12km
●0→96km/h加速:3.4sec
●最高速度:275km/h(リミッター作動)
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:9速AT
※EU準拠
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みんなのコメント
V8に劣らないといわれても直4ターボのSシリーズは気持ち的にはすぐにはいそうですかとはいかないように思います。
見栄やハッタリが重要なのに、気筒数が半分になったら台無しじゃん
金持ちが相手なのを忘れているんじゃないの?