三菱がダカールラリー展開催! 増岡 浩氏が語るダカールラリーの過酷さ
三菱自動車では2021年3月24日から6月下旬までの予定で、三菱自動車本社1Fショールーム(東京都港区芝浦3丁目1番1号)で、ダカールラリー展を開催中だ。
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※なお、残念ながら緊急事態宣言発令中は、ショールームが臨時休館。再開やオープンの状況については下記オフィシャルサイトをご確認ください。
https://www.mitsubishi-motors.co.jp/carlife/hqshowroom/index.html
三菱自動車はダカールラリーに1983~2009年までに計26回出場し、通算12回の総合優勝を果たしている。当時の迫力のある写真パネルを展示しているほか、2002年の優勝車パジェロ(ドライバー増岡 浩氏 実車車両)を展示中。車両に残る戦いの痕跡からは、当時の熱闘ぶりがうかがえる。ぜひご自身で確認していただきたいと思う。
さて、今回のダカールラリー展を記念して、2002年・03年に日本人初の総合2連覇を果たした増岡 浩氏に、ダカールラリーの魅力について伺った。増岡氏(1960年・埼玉県生まれ)はパジェロを駆り、ダカールラリー出場通算21回の砂漠の王者である。
1日、5~6時間ノンストップで走行
ダカールラリーの行程は多い時や少ない時もありますけれども、だいたい1万km。長い時だと1万7000kmというのがありましたよ。30年以上前ですけれどね。ラリーは2種類あって、乗用車タイプのWRC(世界ラリー選手権)を頂点にするラリーと、パジェロやバギーなどで戦うクロスカントリーラリーがあります。ダカールラリーはクロスカントリーラリーで、僕が走っている当時はアフリカのサハラ砂漠がメインの舞台でした。目標物とチェックポイントを探しながら道なき道を走り、ゴールを目指す。まるっきり自然のなかを走るわけですから、ある意味すごく苛酷ですよね。
ラリーは主催者が作成したロードブックというコマ地図をもとに走ります。本当に単純な子供が描いたような絵です。移動区間もあるんですけれど、タイム計測する競技区間(SS=スペシャルステージ)は、長い日ですと1日600~700km。東京からスタートすると岡山とか広島ぐらいまで、道なき道をノンストップで走る。とにかく悪路をいかに速く走って目的地に着くかというわけです。それが約2週間あって1万kmになるわけですね。タイム計測区間だと6000kmぐらい。
競技中の速度は、平均速度で120km/hくらい。最高速だとパジェロで200km/h以上ですよね、異常ですよね(笑)。このラリーの特徴って、下見ができないんですよ。試走なし。ゴールすると次の日に走るコースがわかるんです。
1日だいたい5~6時間。もうひたすら集中して、できる限りスピードを上げて走ります。下がアスファルトではなく、石があったり、曲がりくねっていたり、アップダウンもあるし、溝があったり。石も日本みたいに雨が降らないから、みんな尖っているわけです。石にボンと当たると、だいたいタイヤが切れちゃう。一瞬でパンク、バーストですよね。それをよけながら、それこそ45度もあるような急な砂丘の斜面を登ったり、下りたり。高速道路で東京から岡山までノンストップで行くといわれてもきついでしょ(笑)。もう本当に持てる力を、すべての神経を集中させて、ひたすらゴールを目指す。クルマの基本性能とドライバー/ナビゲーターのスキルが求められますね。
ダカールラリーはマラソンでもありトライアスロンでもある
完走率もよくて半分。だからやっぱりとても事故が多いですよね。横転、前転。先の見えない砂丘で、飛んでだいたい頭から落ちるので、縦にひっくり返る。完走率はひどい時だと20%台もあったしね。初めて出た年なんて、完走率は27%ぐらいでした。だから、もちろんスピードも大事なんですけれども、冒険的な要素もすごく含まれているんですよね。それがこのラリーの魅力でもあると思います。
砂丘にタイヤが埋まることは、もう、ちょくちょくあります。まずジャッキアップして、自分が脱出する方向の4つのタイヤの下に、積んである板を置いて、勢いをつけて脱出する。だから、1回スタックすると10分、20分のタイムロス。なのでスタックしないように、とにかく最善のルートとドライビングが求められます。アクセルを踏むのがちょっと遅かったりすると、それでダメだったりね。ある程度勢いがないと登っていかないので、かなり経験がものをいいます。だんだん慣れてくると、見たときに一筋の轍が見えてくる…みたいな。
だから、初めて出て完走できる人って、ほとんどいないんじゃないかな。まあ、極端な話、スポーツでいったら、マラソンか、トライアスロンみたいなものじゃないですか。それが2週間続くわけでしょ。途中1日は休息日が確実にあるんですけれども。本当に完走するだけでも大変なスポーツですよね。
【第2回に続く】
〈語り=増岡 浩 まとめ=ドライバーWeb編集部〉
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みんなのコメント
で消してしまった過去の栄光を、今になって引っ張り出して
来て、いつの時代の話しだよとならなきゃ良いが。
三菱もレガシーの大切さにやっと気付いたか、
それとも葬式に故人の昔話しをする会社自体の葬儀段階か?