三菱ふそうの小型トラック「キャンター」が1963年3月の発売からまもなく60周年を迎える。1950年代後半になると三輪トラックが急速に四輪車に移行するなか、三菱は1958年9月に小型四輪トラック用として1500ccの小型ディーゼルエンジンの開発を決定。1.5トン積み小型四輪トラックと4トン積みの中型四輪トラックを並行して開発することになった。こうして当時、世界最高の性能を誇る4DP型ディーゼルエンジンを開発し、これを搭載した1.5トン積みの試作小型トラックを1960年秋のモーターショーに出品。続けて1961年4月に1.75トン積み・4DP型エンジン搭載車(T710型)を完成させた。
いすゞ エルフなどのライバルの動向も踏まえ、小型四輪トラックの市販モデルは積載量を2トンに拡大し、排気量を2000ccにアップした新開発の4DQ型ディーゼルエンジンを搭載。1963年1月に完成し、同年3月から「キャンター」として発売された。ライバルがひしめくキャブオーバー型2トン積み四輪トラックの分野に、三菱がふそうブランドで初参入したのであった。
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さて、キャンターというネーミングであるが、完成を前に社内公募を経て1962年10月26日に決定された。この時、小型トラックと小型ブルドーザーの新製品のネーミングを同時に公募したもので、トラックは「キャンター」に、ブルドーザーは「カーフ(かわいい小牛)」に決定した。
キャンターとは英国南東部にある小都市の地名「カンタベリー」の省略形。中世後半になると現在では世界遺産として有名なカンタベリー大聖堂への巡礼の際に、馬に乗った巡礼者の速足のペース(カンタベリー・ペース)からキャンターという言葉に発展。英語で「馬が駆け抜けること」を意味し、馬術用語で言えばギャロップ(最全速)とトロット(速歩)の中間にあたる。車名としては、駿馬の駆け足のように軽やかに走り回る小型トラックとして命名。初代がディーゼル車ながらガソリン車と変わらない駿足と乗り心地のよさを持つことをアピールしていた(歴代キャンターではガソリンエンジンを搭載したモデルも存在)。
ペットネームの応募総数はトラックとブルドーザーの案を合わせて9242通で、英語、ドイツ語、フランス語、ラテン語などさまざまな案があり、最終決定までかなり手間取ったという。トラックのほうは、他社のクルマを参考にしたと思われるものが多く、応募数第1位はポニー(64票)、2位ダイヤ(63票)、同数3位スリーダイヤとダイヤエース(38票)、5位ロビン(33票)など。やはり三菱のスリーダイヤにちなんだネーミングが多い。そのほか、金時号や桃太郎、ふじやま、チビわんちゃん、チビッコスーパーといった案もあったという。採用案は1人から提案があったキャンターだが、佳作には13人から応募があった「ライナー」が選ばれた。ギャロップやダイヤモンドライナーといった採用案や佳作に近い案もあったとのことである。
当時、三菱は小型乗用車では「コルト」を発売(1962年6月)したばかりで、コルト=若駒のイメージから馬に関連した言葉で歩調を合わせたようだ。
〈文=ドライバーWeb編集部〉
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みんなのコメント
まだ三菱重工が戦後の財閥解体で3分割になっていた状態で、
両車の開発・生産も、キャンターが神奈川県川崎の三菱日本重工業
コルトが名古屋の新三菱重工業(生産は岡山県水島)
と別れていたかと思いますが、共に車名が「馬」繋がりというのは
1964年の分割3社の合併による三菱重工業復活を見据えての命名
だったのかもしれませんね…