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日産「セレナ」に黄色信号点滅? 人気急落は「オラオラ顔」が原因だった

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日産「セレナ」に黄色信号点滅? 人気急落は「オラオラ顔」が原因だった

■売れ筋ミニバン「セレナ」の人気はなぜ急落?

 日産「セレナ」は、国内ミニバン市場で人気のモデルです。とくに、2018年は年間登録車販売台数にてミニバンNo.1に輝くなど、日産ブランドをけん引しています。

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 しかし、2019年は上半期(1月から6月)こそミニバンNo.1を維持していますが、その後の単月ではトヨタ「シエンタ」「ヴォクシー」といったライバルに順位を度々抜かれています。人気ミニバンのセレナに何があったのでしょうか。

 セレナは、1991年に初代モデルが発売以降、「家族のための安心できるミニバン」として親しまれてきました。現行型の5代目セレナは、2016年8月にデビューし、2018年3月には電動パワートレイン「e-POWER」を搭載したモデルを追加しています。

 日産は、現行型セレナの好調な理由について、次のように述べていました。

「広々座れる室内の広さや、乗り降りのしやすさ、スライドドアやバックドアの開閉のしやすさ、そして家族のニーズに応える多彩なシートアレンジなど、ミニバンとしての高い基本性能や装備が、お客さまからご好評をいただいています。

 さらに、100%モータードライブの電動パワートレイン『e-POWER』や運転支援技術『プロパイロット』搭載車もお客さまから高い支持をいただいています」

 このe-POWER搭載車の追加後は、販売台数も増加傾向となり、単月の販売台数ではほとんどの月でミニバンNo.1となっていました。しかし、前述のとおり2019年途中からはライバル車にNo.1の座を奪われるようになってきました。

 それらの要因もあったのか、2019年8月にはマイナーチェンジを実施し、標準モデルとカスタムモデル(ハイウェイスター)の両方でデザイン変更や安全装備の向上などをおこなっています。

 とくに、ハイウェイスターでは、特徴的な「ダブルVモーショングリル」や、クロームを贅沢にちりばめた宝石のようなグリルパターンなどのリッチで押し出しの強いフロントマスク、縦長のリアコンビランプを採用して迫力のあるデザインに変更されました。

 これによって、最近流行りの傾向にある「オラオラ顔」になったともいわれています。オラオラ顔といわれる威圧感あるデザインは、トヨタの「アルファード/ヴェルファイア」や「ヴォクシー/ノア/エスクァイア」といったモデルに代表されるものでした。

 しかし、2019年2月に発売された三菱「デリカD:5」など最近のミニバンにはオラオラ顔が採用される傾向にあり、セレナ ハイウェイスターもその流行に乗っかったのかもしれません。

 その結果、マイナーチェンジの翌月9月では、1位シエンタ(1万3558台)、5位ヴォクシー(1万178台)に続き、セレナは7位の9224台となっています。

 さらに、消費税が10%となった同年10月には、2位シエンタ(9302台)、7位アルファード(5130台)、9位ヴォクシー(4394台)、11位ホンダ「フリード」(4368台)に続き、セレナは12位の4313台です。

 全体的に消費税の影響もあって販売台数が減少傾向にあるものの、ライバル車の順位には大きく変動はなかったなかで、セレナだけは大きくランキングを落としました

 マイナーチェンジ後のセレナについて、日産の販売店スタッフは次のように話します。

「セレナは、コンパクトカー『ノート』に次ぐ日産の主力販売モデルです。とくに、e-POWER搭載車が登場してからは安定して売れていました。

 しかし、本来なら歓迎するべきマイナーチェンジで売れ筋のハイウェイスターのデザインが変わったことで、一部のお客さまからは『他社のミニバンみたいに威圧的になった』と不評の声を頂いております。

 また、2018年に2列シートを追加したシエンタや、マイナーチェンジでSUVテイストの新グレードを追加したフリードなど、従来のライバル車とは違うモデルが出てきたこともセレナの販売台数に影響していると思います」

※ ※ ※
 
 最近の日産は、e-POWERやプロパイロットなどの電動技術や安全装備によって好調を維持していましたが、ライバル達のマイナーチェンジやグレード追加によって、ユーザーを奪われているのかもしれません。

 セレナが2020年のミニバンNo.1になれるかどうか、今後の動きに注目です。

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