■2019年に初参戦して以来5年ぶりに「AXCR」へ挑戦
俳優の哀川翔氏が総監督を務める「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」は「Asia Cross Country Rally(アジアクロスカントリーラリー)」(以下AXCR)2024に参戦することを発表していますが、それに先立って2024年6月26日に千葉市にあるダートトライアルコース「オートランド千葉」にて公式テスト&カンファレンスを実施しました。
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AXCRとはアジア各国を基点とした山岳部やジャングル、海岸、プランテーション、サーキットなど、アジアの特徴ある地域、路面状況、自然、気候といった環境の中で毎年8月に開催されているFIA・FIM公認の国際クロスカントリーラリーで、日本からも多くのプロドライバーや著名人が参加していることでも知られています。
「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」は2019年に初参戦してクラス2位となって以来、5年ぶりの挑戦となり、ドライバーは引き続きD1グランプリチャンピオンとしても知られる川畑真人選手がステアリングを握ります。
搭乗する車両は、「アジアクロスカントリーラリー2024 AXCR仕様 TOYOTA LANDCRUISER 150 PRADO FLEX Racing SPEC」と名付けられたトヨタ「プラド(150系)」で、昨年9月に開催された「XCRスプリントカップ北海道」で川畑選手がステアリングを握ってクラス優勝を果たした車両をベースに、AXCR仕様に変更を加えたものとなっています。
■“ラリーカーとはいえ、カッコよさも大切”という考えに基づいたスタイル
ベースとなっている車両は2019年にAXCRに参戦したときと同じく150系プラドのV6 4.0Lガソリンエンジンを搭載したモデルですが、当時よりもボディ剛性のアップとさらなる軽量化を実施しています。
車体架装メーカーであるトノックス(神奈川県平塚市)の協力によって、ボンネット、リアドア、リア&クォーターウインドウをFRP化したことで、100kg近い軽量化を実現し、川畑選手に「想定以上に別モノになっている」と言わせるほどの変貌を遂げました。
また車両は2012年式となりますが、“ラリーカーとはいえ、カッコよさも大切”というFLEXの考えによって、エクステリアは最終型仕様に変更され、エアロパーツなども極力装着せず、ユーザーがまねできるスタイルにとどめている点も特徴となっています。
足回りには2400kmという長丁場のラリーに対応するために、キングショックのロングトラベル用ショックアブソーバーを装着し、スプリングはラリー北海道から新たにタッグを組んだHALスプリングを引き続き使用していますが、北海道のフラットダート向けに低く構えたスタイルから一転、コース上に溝や穴もあるというAXCRに合わせて大幅に車高が上げられていました。
■足元を支えるのはトーヨータイヤの「オープンカントリーM/T」
ワンオフスプリングの制作で知られるHALスプリングの低反発タイプを採用している同車は、動きをシャキッとさせたいという要望を受けてフロントはピロ化されたサスペンションに合わせてハード目なものを、リアは大幅な軽量化がなされたためにソフト目なものを組み合わせており、当日の実走チェックでさらなる煮詰めを行っていました。
また足元を支えるタイヤにはトーヨータイヤのオープンカントリーM/TのLT265/70R17をチョイス。すでに登場から20年以上が経過しているというオープンカントリーM/Tですが、いまだに一線級の性能を有しており、日本のみならず国外でも高い評価を集めているタイヤです。
特にその耐久性は特筆すべきものがあり、トレッド面だけでなくサイドウォール部分にも高強度を持たせているため、過酷な環境にも耐えうる仕様となっています。そのため、哀川翔監督も「前回のラリーでもパンクすることなく走り切って驚いた」と感嘆の声をあげるほどでした。
そして今回も車両のメカニックは、中央自動車大学校(CTS)の職員と生徒が担当。すでに10年以上学校のカリキュラムの一部に組み込まれているもので、1級コースの4年生が本格的な経験を積む貴重な機会として参加しています。AXCRの現場にも今回の中から選抜された3人が帯同するとのことで、こちらも応援したいところです。
■ラリー北海道へは三菱「トライトン」で参戦するとサプライズ発表
今回の5年ぶりのAXCR参戦について哀川翔監督は、「前回(2019年)はクラス2位という結果だったので、今回は川畑くんも優勝してくれるでしょう!」と激励。さらにサプライズとして、昨年クラス優勝したラリー北海道に参戦するために、新たに三菱「トライトン」を用意したことが発表されました。
これはプラドがAXCRに参戦するためタイに車両が送られてしまうための措置で、現地北海道のユーザーから貸与されたトライトンをベースに車両を製作中のことです。当日はデザイン画のみの発表となりましたが、こちらも昨年に続く連覇に期待ができそうです。
なお、AXCR2024は2024年8月11日から17日までの日程でタイを舞台に開催され、ラリー北海道は同年9月6日から8日の日程で帯広市をサービスパークとして開催が予定されています。
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