■ゴーン体制以降にデビュー・復活したクルマ
ルノー・日産自動車・三菱自動車 アライアンス 会長 カルロス・ゴーン氏の事件は日本中だけでなく、世界中に衝撃を与えました。
海外では「神」扱い? 日産スカイライン「GT-R」が海外で大人気の謎
ゴーン氏といえば、業績悪化していた日産自動車をV字回復させたことで、世界有数の経営者に名を連ねています。企業再建のために、多くの人員整理や合理的な経営を推し進めたのも事実ですが、今なお世界的スーパーカーを代表するGT-R(R35型)の開発をスタートさせたほか、フェアレディZの復活など日産を象徴的するモデルをラインナップさせるなどの動きも見せていました。
また、電気自動車(EV)のリーフを大量市販車モデルとして、世の中に流通させた功績もあり、日産「リーフ」は世界累計販売台数30万台を突破するなど電気自動車の先駆けといえる存在を作り上げています。
今回は、ゴーン氏就任後に登場したいまの日産を代表する車種を5台厳選し、紹介していきます。
●GT-R
「GT-R」は2001年の東京モーターショーでプロトタイプを発表。その後2007年12月に発売され「GT-R」という名前がR34型「スカイラインGT-R」の生産中止から5年の歳月を経て復活。
国産車としては前例がない圧倒的なパフォーマンスを魅せる「GT-R」は、デビュー当時で最高出力480PSを誇るエンジンに、4輪駆動システムを組み合わせ、価格が数倍もするスポーツカーを上回る運動性能を実現しました。
和製スーパーカーとして日本のみならず海外でも話題になり、世界中のメディアがテストした結果、その性能は本物であるとお墨付きが与えられ、2018年現在も進化は止まることなく販売されています。
●フェアレディZ
1969年に発売された「フェアレディZ」は、日産を代表するスポーツカーとして長年にわたって人気を博してきましたが、2000年に一旦生産を終了してしまいます。
そして2002年に新型のZ33型として2年ぶりに復活を遂げます。新しい「フェアレディZ」は原点回帰するようにロングノーズ・ショートデッキという古典的なスポーツカーのフォルムをまとい、2シーターのみの展開にもかかわらず日本で多いに話題になり、「フェアレディZ」の主戦場である北米でもヒットし、いまのZ34型へと続いています。
なお、「フェアレディZ」復活の逸話として、元北米日産社長で「フェアレディZ」の父ともいわれる故・片山豊氏がカルロス・ゴーン氏と会い、ゴーン氏に「フェアレディZ」復活を確約させたといいます。
●リーフ
「リーフ」は世界初の量産電気自動車として2001年に発売。当初は充電インフラも整っていなかったので、普及には時間を要すると見られていたが、急速にインフラ整備が整っていったのも、「リーフ」のおかげと言っても過言ではありません。
80kWという出力は、車格からするとそれほど大きくはありませんが、モーターの特性としてゼロ発進から最大トルクを発揮できるということで、スタート加速はもっと大きな出力のエンジン車を凌駕します。
航続距離がカタログ数値を乖離しているという問題を抱えていたものの、電池容量を24kWhから30kWhに増やし、電費も向上させることで、航続距離を伸ばしていきました。
2017年にフルモデルチェンジされ現行モデルとなり、電池容量のアップと出力を向上させており、航続距離はカタログ値で400kmを実現。2018年には初代からの累計で国内販売10万台を突破し、名実ともに日本で一番売れた電気自動車となりました。
●ノート
2005年、「マーチ」の弱点であった居住性や荷室の広さを補い、ホンダ「フィット」に対抗すべく世界戦略車として発売された「ノート」。当時は「フィット」人気に押されあまり目立たない存在です。
「ノート」に大きな転機が訪れたのは2012年のフルモデルチェンジですが、この時は3気筒1.2リッター・スーパーチャージャーエンジンを搭載した以外に大きなトピックスはありませんでした。
しかし、2016年に行なわれたマイナーチェンジでデビューした「ノート e-POWER」により、コンパクトカーの勢力図が一変。「ノート」が大ヒットすることになります。
「ノート e-POWER」はエンジンで発電してモーターで走行するシリーズハイブリッドです。その乗り味や性能は「リーフ」に近く、コンパクトカーながら、上位車種にせまる加速力と低燃費が魅力となっています。
●ジューク
いま、世界中で人気を博しているのがSUVです。日本においてもコンパクトカー、ミニバンに続いてコンパクトSUVは好調な販売を記録しており、各社ともしのぎを削っている状態です。
日産はいまのSUVブームに先駆け、2010年に内外装のポップなデザインで話題となる「ジューク」を発売しました。乗用車をベースとして日本で走るのにちょうどよいサイズであり、4WDもラインナップして使い勝手もまずまずなSUVとして、一定の人気を得ていました。
ところが、奇抜なデザインは好き嫌いが別れ、また現在では発売から8年が経過して商品力としてはダウンしているのも否めません。販売台数はライバルに対して後塵を拝する状況になっています。
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