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高性能EVがお買い得に? アバルト「500e」英国で大幅値引きを実施 販売の "歪み" 顕著に

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高性能EVがお買い得に? アバルト「500e」英国で大幅値引きを実施 販売の "歪み" 顕著に

フリート販売に注力 個人向けは伸び悩む

アバルトは、英国で販売するEV「500e」の価格を引き下げた。4220ポンド(約85万円)値下げし、2万9975ポンド(約590万円)とした。旺盛なフリート(社用車など)市場をターゲットに、販売促進を図る。

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親ブランドであるフィアットは最近、電動クロスオーバー車の600eの英国価格を最大4020ポンド(約80万円)値下げしている。これにより2台のEVのスタート価格は同一となった。

値下げの大部分は、以前、ガソリン車からの乗り換えを促すインセンティブとして導入していた3000ポンド(約60万円)の販売奨励金「eグラント」である。

eグラントはもともと、ディーラーが購入者に還元するという条件付きで、フィアット・アバルトからディーラーに提供されるものであった。クルマの定価には影響がなく、フリート購入者は値引きの対象外となっていた。

今回、eグランドを定価に組み込むことで、法人も値引きの恩恵を受けることになる。

英国では現在、新車販売を成功させるにはフリート顧客をターゲットにすることが不可欠である。英国自動車製造販売者協会(SMMT)の調べでは、昨年の個人消費者向けの販売台数は、パンデミックによりショールームが閉鎖された2020年よりも少なかった。

昨年英国で販売された新車の5台に3台(62.2%)はフリートや企業向けであり、そのうちの4分の1以上(25.4%)がEVであった。そのため、昨年販売された38万1970台のEVのうち、80.2%(30万6451台)がフリートに回された形だ。

こうした不均衡な販売状況は、フリートにはEV購入のインセンティブが提供されている一方で、個人には提供されていないことが主な原因である。

EVのフリートオーナーには、2025/26年度の現物給付税として3%が課されるが、CO2排出量が50g/km以下で航続距離が40~69マイル(約64~111km)のPHEVの場合は8%、フォルクスワーゲン・ゴルフのような120~124g/kmの排出量を持つICE車の場合は29%が課される。

2022年には、英国政府のプラグインカー補助金が廃止されたため、EVの個人購入者に対するインセンティブは事実上消滅した。

プラグインカー補助金は2011年に導入され、当初はすべてのプラグインカー(PHEVを含む)の購入価格から最大5000ポンド(約100万円)を割り引くものだったが、最終的には3万2000ポンド(約630万円)以下のEVの購入価格から最大1500ポンド(約30万円)を割り引くものへと縮小された。

SMMTは販売の活性化のために、政府に対してEVの個人向け販売に対するVATの減税を求めている。

「インセンティブは大きな違いを生む。人々が乗り換える手助けとなり、正しいメッセージを送ることもできる」とSMMTのマイク・ホーズ代表は述べた。

同様に、キア英国部門の責任者であるポール・フィルポット氏はAUTOCARに対し、「フリート市場以外では、消費者を惹きつけるインセンティブが十分ではない。フリートユーザーは、EVに相応のインセンティブが用意されている場合には購入を前向きに検討するが、そうでない場合には購入をためらう」と語っている。

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