■日本では売っていないカッコいい日本車たち
日本の自動車メーカーの市場は国内だけにはとどまりません。多くの自動車メーカーが海外に自動車を輸出、もしくは現地生産をおこない、販売しています。
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日本と同じモデルの仕様を変更して、仕向地の法規や環境に合わせて販売するだけでなく、海外専用モデルを開発して販売しているケースもあります。
その海外専用モデルには魅力的なものも存在しますが、日本で見る機会はほとんどありません。
そこで、海外専用車のなかから、優れたデザインのモデルを5車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「シビッククーペ」
日本で販売しているホンダ「シビック」には、「ハッチバック」「セダン」「タイプR」の3タイプがありますが、北米市場向けとして「シビッククーペ」が存在します。
ホンダは1990年代に、日本にもアメリカ工場製のシビッククーペを導入していたことがありましたが、2000年に販売を終了しました。
現行モデルのシビッククーペは、セダンやハッチバックと比較して、コンパクトな2ドアボディとなっていて、スタイリッシュで若々しい印象です。
ラインナップはスタンダードモデルが4グレードと、スポーツモデルの「Si」があり、搭載されるエンジンは、1.5リッター直列4気筒ターボ(174HP)と2リッター直列4気筒(158HP)、Siは2リッター直列4気筒ターボ(205HP)です。
なお、Siはブラックのホイールやボディアクセント、リアスポイラーが装備され、スポーティな外観となっています。
アメリカでの価格は日本円で約230万円からと比較的安価に設定され、装備の違いはありますが、日本で販売しているシビックが276万1000円(消費税込)からということを考えると、日本へ導入されれば意外と人気が出るかもしれません。
●トヨタ「ハイランダー」
北米市場では古くからSUVの人気が高く、トヨタは日本で未導入のSUVを販売しています。そのなかでもスタイリッシュなデザインを持つのが、2019年に発売されたばかりの4代目「ハイランダー」です。
全長4950mm、全幅1930mmに対し、全高は1730mmと低めに設定されており、迫力ある前後フェンダーのプレスラインと、低いキャビンによってスポーティなステーションワゴンに近いイメージとなっています。
サイドウインドウの形状は、ルーフラインを低く見せることに寄与するデザインとされ、スポーツカーによく採用されるデザイン手法のひとつです。
搭載されるエンジンは3.5リッターV型6気筒で、駆動方式はFFと4WDが選択可能。価格は日本円で約375万円からです。
ちなみに初代ハイランダーは、かつて日本で「クルーガー」として販売されていました。
●日産「セントラ」
日産はかつて、日本市場の「サニー」を、北米市場では「セントラ」という車名で販売していました。しかし、サニーの販売が終了したため、現在、セントラは独立した車種となっています。
セントラは2019年のロサンゼルスモーターショーで新型を発表され、グレードは「S/SV/SR」の3つで展開。
従来モデルと比べて全高が約50mm低く設定され、また全幅が約50mm広くなることで、よりワイド&ローでスタイリッシュなデザインとなったことが特徴です。
また、Vモーショングリルや薄型のLEDヘッドライト、フローティングルーフなど近年の日産車でみられるデザイン手法が数多く取り入れられています。
内装は、ステアリングや各種スイッチなど細部にわたるまで質感が高められており、インフォメーションシステムは、8インチのディスプレイオーディオを採用。
搭載されるエンジンは、全グレードとも最高出力149HPを発揮する2リッター直列4気筒で、従来の1.8リッターエンジンから出力は20%、トルクは16%向上しています。
価格は日本円で約207万円からです。
■日本での発売が待たれるクロスオーバーSUVとは!?
●スバル「アウトバック」
スバルがアメリカ工場で生産している、クロスオーバータイプのステーションワゴン「アウトバック」は、日本でも「レガシィ アウトバック」の名で親しまれています。
この北米市場向けアクトバックは2020モデルとして発売された新型で、日本仕様とはまったく異なるモデルです。
全体的には先代からキープコンセプトですが、ヘッドライトやテールランプには新しいデザインが与えられ、フロントバンパーからボディサイド下部、リアフェンダー、リアバンパーへと続く樹脂パーツが装着され、よりSUVの要素が濃くなっています。
また、ルーフレールも従来よりも大型化され、さまざまなキャリア、アタッチメントにも対応。
いずれも小規模な変更に見えますが、全体的な印象は大きく変わっており、日本導入の期待が高まる海外専用モデルです。
価格は日本円で約289万円からとなっています。
●トヨタ「アイゴ」
トヨタが欧州で販売しているもっとも小さなモデルが「アイゴ」です。欧州では日本の軽自動車より少し大きいサイズの「Aセグメント」と呼ばれる小型車のニーズがあり、トヨタはプジョー、シトロエンを有するPSAグループと提携して、アイゴを共同開発しました。
現行モデルのアイゴは2014年に発売された2代目で、3ドアと5ドアがラインナップされており、5ドアのボディサイズは全長3465mm×全幅1615mm×全高1460mmと新型「ヤリス」よりもひとまわりコンパクトです。
搭載されるエンジンは70馬力を発揮する1リッター直列3気筒で、トランスミッションは5速MTとAMTが選べます。
デザイン上の特徴は「X」をモチーフにしたフロントフェイスですが、アイゴのグレード名もまた「X」を意識した「x-play」「x-clusiv」「x-cite」などのネーミングとなっています。
若者をターゲットにしたモデルということもあって、特徴あるデザインをさらに楽しめるように、純正オプションが充実しているのも特徴です。
たとえば、仕向地によってはホイールが20種類以上あり、内外装のカラーリングやアクセントも豊富に用意されています。
欧州での価格は日本円で約123万円からと、ちょうど日本の軽自動車と同じくらいです。
※ ※ ※
今回、紹介した5車種は、主に北米と欧州で販売されているモデルですが、各メーカーとも世界各国に専用モデルがあります。
なぜ、これほどまで数多くの海外専用モデルを販売する必要があるのでしょうか。
その理由として、たとえばトヨタは、2019年の販売数見込みは全世界で約968万台ですが、そのうち日本国内は約162万台。つまり世界販売の80%以上に相当する台数が、海外で販売されていることになります。
これほどまでに海外のマーケットは日本のメーカーにとって重要で、それぞれの地域のニーズに合わせた車種を販売するのは必然なのでしょう。
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