1954年、東京モーターショーの前身である「全日本自動車ショウ」が開催されてから、2019年で65年が過ぎた。そんな東京モーターショーの歩みを、当時のニューモデルやコンセプトカーなど、エポックメイキングなモデルを軸に紹介する。今回は1977年の第22回を振り返ってみたい。
キーワードは、低公害から省燃費に
1977年の第22回ショーは、各メーカーとも排出ガス規制適合を克服し、キーワードが低公害から省燃費に変わった。そのため市販車では、世界初の4サイクル3気筒エンジンで19km/Lの低燃費を謳うダイハツ・シャレードや、トヨタ、日産、いすゞなどが展示したディーゼル乗用車の注目度が高かった。欧米との貿易摩擦に配慮して、外国乗用車展示が独立館となったのもこの回からだ。
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■トヨタCAL-1
リア部分をRV仕様に改造した「セリカ XX(初代)」のプレビュー車。カリフォルニアのトヨタデザインセンター、CALTYが担当した市販型XXのリアセクションを改造して、レジャー志向のアドバンスカーに仕立てたものだ。フロントからドア後端までは翌1978年に発売されるセリカXXそのもだが、後部にレジャー用具などを積むのに便利なデッキを設けたのが特徴だ。デッキの用板を取り外すとピックアップトラックに変身し、さらにバックウインドーを跳ね上げリアデッキの一部を起こすと、オープンエアモータリングが楽しめるランブルシートになるなど、多彩に変化する様子が会場で実演された。
紹介パネルには「これからのライフスタイルを考えて、車のあり方を追求したグランドツーリングカーです。高速巡航性と静粛性を備えた強力エンジンを搭載。高次元のパフォーマンスとエアロダイナミクスから生まれた空気抵抗の少ない流麗なフォルムなど、新感覚にあふれています」とあり、新時代の大型ラグジュアリークルーザーを提案したコンセプトモデルだった。
■トヨタF110(タイトル写真も)
トヨタのブース中央に展示され話題を呼んだ、1980年代の高級セダンの方向性を探求した先行実験車。開発にあたっては「従来の固定概念にとらわれることなく、クルマについての機構や機能などあらゆる条件の根本的見直しを行った」と言い、とくに室内スペースの効率化と使いやすさを追求している。特徴は、超ショートノーズと超ロングキャビンの2ボックスシルエット、左右非対称の3ドア、スライドドアなどの新機構で、会場では奇抜なボディカラーも相まって来場者の注目を集めた。
■日産AD-2
前回ショーに展示されたコンパクトミッドシップのAD-1から一転、アドバンス・デザインカーと名づけられたAD-2は、全長4700×全幅1790×全高1270mmの大型ボディに2750ccの直6を搭載したビッグサルーンとして登場した。パンフレットには「これからの日産車をデザインするための新しい試み」で「未来を先取りするデザインポリシーと、本当に必要な機能との見事な調和が創り上げたクオリティライフセダン」と記されている。室内も運転性や安全性などの確かな裏づけの上で設計された、先端を行くデザインが提案されていた。
■シボレー・エアロベット
アメリカを代表するスポーツカー、シボレー・コルベットをベースにスーパーカー風にカスタマイズしたのが、このエアロベット。4ローターのロータリーエンジンをミッドシップ搭載し、ガルウイングドアも採用していた。
[ アルバム : 1977年の東京モーターショー はオリジナルサイトでご覧ください ]
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