ハリアーの試乗会場で一際話題に上ったのがそのデザインである。
都会的SUVを標榜するハリアーにおいて、デザイン的な魅力は欠かせない要件だ。街なかに自然にとけこみながらも、独特の存在感を放さなければならない。自然と存在感、つまり、平凡と個性。ともすれば相反する要件を両立させなければならない。数値という回答が得づらいデザインを成功させるには、研ぎ澄まされたデザイナーの感性が必要だ。
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という話をしていたら、担当編集者のKが素朴な疑問を投げかけてきた。
「最近のテールって、なんでペッタンコなんッスかね」
ハリアーのリヤコンビネーションランプは、左右に伸びやかな水平基調である。一般的にはブレーキランプとセットで組み込まれるウインカーとバックランプを独立させ、バンパーの低い位置に埋め込んだ。それまでして薄く細くデザインしたのだ。
その件に関しては、侃侃諤々議論が交わされた。僕のYouTubeチャンネルで紹介したところ、さまざまな意見が飛び交った。基本的には好意的な意見が多かったが、なかには「それが理由で買わない」とまで言い切る否定はもいたのだ。
そんなリスクを冒してまで平凡と個性の調和に挑んだハリアー開発陣の心意気は高く評価するが、同時にそもそも水平基調流行の理由が知りたくなったのも事実なのだ。
担当のKは、時よりいい発想をする。そのアホな言葉遣いは治しようがないが…。
「なんッスかね ? そのペッタンコ」
「水平基調のことだな」
「そうッス」
思い浮かべれば確かに、水平基調の薄く細いコンビネーションランプが多い。特にSUV系のトレンドのような気がする。
レクサスUX、日産アリア、ポルシェ カイエン/マカン、メルセデス・ベンツEQC…
そういえばトヨタのヤリスクロスも、ペッタンコなリヤコンビネーションランプだった。
早速、ヤリスクロス担当デザイナーの西主幹に話を聞くと興味深い答えが得られた。
「なんで流行ってんッスか?」
「先進性をアピールするためです」
「先進性?」
「そうです、もっさりと分厚いリヤコンビネーションランプでは先進的な印象が得られません。ですので、最近は多くのメーカーが細く薄いデザインを採用しているのだと思われます」
なるほど、流行の理由は先進性なのだ。
「でもなぜ、薄くすると先進的に感じるのですか?」
製品企画の林主査はこういう。
「十分な光量が得られるLEDライトの普及でしょうか」
確かに、いまどきLEDじゃないと古臭い。最新の技術であるLEDであることが先進性の意識につながるというのだ。
「最近はSUVでもリヤスポイラーが組み込まれることが増えています。空力的なメリットがありますから」
確かにそのほうがスッキリするような気がする。
「でも、オレ、ペッタンコからそんなんぜんぜん意識したことないッス」
担当Kの思考回路には関係のようだ。
「分厚いほうが力強いかんじッスよね。だからヤリスクロスはデッカいほうがよかったりしたりしてッテ感じッスけど」
「ヤリスクロスは都会型SUVです。クロスカントリー系SUVならば細くする必要はなかったかもしれませんが、クルマのキャラクターからすればそれが相応しいと考えています」
ハリアーは水平基調である。だが、クロスカントリー色の強いRAV4は、兄弟車にもかかわらず分厚いリヤコンビネーションランプを採用している。
なるほどそこに答えがあるような気がした。
〈文=木下隆之〉
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