大学生のオフロードバイクレース「キャンパスオフロードミーティング」。かつてはHONDAや出光などの大手メーカーがスポンサーにつき、景品にバイクが当たるほどの盛り上がりを見せていたこの大会も、近年ではエントリー数70~100ほどで推移していた。しかし2019年からダンロップエンデューロを併催し、徐々に認知度を回復してきた。
エントリー140台オーバー、年末恒例の全国大会
キャンオフは通常、東日本と西日本とで別れてレースイベントを実施しているが、近年では東と西の交流が深まってきており、11月に全国大会を開催する流れになっている。舞台として選ばれたのは長野県のワイルドクロスパークGAIAだ。
地理的にも東西のほぼ中心にあり、かつては全日本モトクロスも開催されていたほどのモトクロスコースと、現在クロスカントリーやハードエンデューロに使われているエンデューロコースを擁する。
ここ3~4年、キャンオフはお世辞にもエントリー数が多いとは言えず、全国大会でも100台前後の数字で推移していた。ところが、今年ダンロップエンデューロが共催されることになり、徐々にその認知度を上げてきていた。
全国大会ではJNCCのAAライダーである内山裕太郎をはじめ、和田卓也、吉崎一弘、スタントライダーであり、YOUTUBEのOGAチャンネルで人気の小川裕之らがゲストとして来場した。
今回は数年ぶりに参戦したOBや、SNSなどの呼びかけの効果で140台を超えるエントリーがあった。キャンオフ西日本代表の丹羽さん曰く「自分がキャンオフに関わるようになってから、これだけの人数は経験したことがないですね」とのこと。
ハードセクションをクリアすれば+0.5周!
110台が出走した70分耐久エンデューロは、これまで比較的簡単なコース設定で開催されていたキャンオフ&ダンロップエンデューロにおいて少し異色のレースとなった。一周のうちに2ヶ所のハードセクションが設定され、そこをクリアすれば+0.5周というルールが適用。つまり、2ヶ所ともクリアして一周すれば+1周で2周のカウントとなった。
1つ目のハードセクションは「沢+ヒルクライム」。JNCCが主催するハードエンデューロレース「ジャンピンジャック」で総合優勝を果たした山中和之も、現役時代は東京大学から一人キャンオフに出場していた縁深いライダー。ハードセクションを6回クリアして8周、総合2位。
総合優勝は長岡技術科学大学のOB、古野達郎。主催の丹羽氏と同世代のライダーで、キャンオフは久々の出走となった。こちらもハードセクションを6回クリアした上で合計10周をカウントし、2位以下を大きく引き離した。
沢を抜けると助走の短い急斜面のヒルクライム。参加車両には小排気量の2ストロークマシンも多く、うまく登れないライダーも。
2つ目のハードセクションがこちら。パドック前に作られた斜面を直登するヒルクライム。ここは観戦者も多く見せ場の一つになっていたが、なかなか登れず何度も再チャレンジしていたライダーが「最後の最後で登れましたよ!」と嬉しそうに報告してくれたのが印象的だった。
ライダーの実力はピンキリ。初心者も安心のコース設定
OB、社会人はダンロップエンデューロ、現役学生はキャンオフ(初級・中級・EX)とクラスで分類されている。中でも学生の初級クラスは今年からバイクに乗り始めたばかりの1年生も多く、ライダーのレベルはまさにピンキリ。こちらはスタートしてすぐにあるセクションで、浅い沢を横切ったあと、サンド質で浅い轍ができたところを曲がりながら登っていくところ。1周目にはこんなところでも2台がスタックし、軽い渋滞ができてしまうほど。
エンデューロレースの全写真はこちらに掲載!
遊びだけど、本気(ガチ)で走る街乗りクラス
キャンオフ全国大会には「街乗りクラス」というオフロードバイク以外でGAIAのモトクロスコースを走るお遊びクラスがある。実は何を隠そう、僕はその2017年チャンピオンだったりします。
今回は通勤で使っているTOMOSのモペット(2st50cc)を持ち込んで見たら、なんとTOMOSがもう一台いたので一緒に写ってもらった。
この異様なスタートシーン!
なんでもアリの街乗りクラスは「肩車」も「車」なのでOK!
カブだけど、前方を睨みつけて全力で走る姿はカッコイイ!
TOMOSも思いの外よく走ってくれた。調子に乗ってジャンプしたらライトカバーとサイクルメーターがあっさり滑落したけど…。(ちゃんとレース後に回収しました)
テーブルトップではしっかりジャンプ! いろんな意味で破壊力抜群。
え…? それ、マジで大丈夫だったの?
自転車を持ち込んだ猛者もテーブルトップを人力でクリアし、ゴール。
ちなみに2019年のチャンピオンはVTZ250で参戦した京都先端科学大学二輪部の西村豊紀。
街乗りクラスの全写真はこちらに掲載!
女子も大活躍、学生初級スプリント
午後2ヒートで開催されるスプリントレースのクラス分けは「学生初級」「学生中級」「学生EX」「社会人・OB」の4クラス。1ヒート終わった後、わずか20分ほどの空き時間で2ヒート目を走る過酷さは、モトクロスをやったことのある人ならわかるはず。さすがの若さ。
1ヒート目1位、2ヒート目も2位で走りきり見事総合優勝を果たしたのは京都先端科学大学二輪部の坂本州(#105)。
そしてなんと3位入賞は4/3位で2ヒートとも上位でまとめた同じく京都先端科学大学二輪部のレディース、大筆彩加。
ハスクバーナ対決が熱い! 学生中級スプリント
キャンオフは大学生が中心となったレースだけに、KTMやハスクバーナ、BETAといったいわゆる「外車」はあまり見かけることはできない。特に年式の新しいものは皆無と言ってもよかった。しかし、この学生中級スプリントを争ったのはなんと2台のハスクバーナ。
ヒート1で終始レースをリードしたのは全日本モトクロスレディースにも参戦していた杉田"まっきーぺん"真綺。現在はエンデューロを中心に参加しているとはいえ、さすがのスピードは健在。
しかし、ヒート2ではヒート1で杉田の後塵を拝した後藤"ゴトチン"がトップを独走。追い上げてきた杉田を寄せ付けずチェッカー。
ゲスト出場のOGAさんこと小川裕之は、学生中級と同時出走の社会人Bクラス。初めてのスプリントレースということだったが、さすがのクラス優勝。
EXクラスは全日本IBレベルの争い!
学生EXと社会人Aクラスはハイレベルのバトルが展開。
元モトクロスIBでありキャンオフの看板ライダーとも言える存在の渡邉誉(#323)がヒート1を制すると、KTMうず潮レーシング福山に所属する、やはりIBライダーの高橋京世(#94)がヒート2で巻き返し、クラスを超えたIBバトルが観客を魅了した。
また、スカイマウンテンレーシングの向坊拓巳(#15)もIBライセンスを持つモトクロスライダー。学生EXクラスで2/2の2位。
スプリントレースの全写真はこちらに掲載!
大切に受け継がれるキャンオフスピリッツ
今年はダンロップエンデューロの共催もあり大きな盛り上がりを見せることができた。キャンオフは来年以降もフリーライドやスクール、ハードエンデューロなども取り入れて学生と社会人が一緒に楽しめる場を提供していくため、活動を続けていく。
そんなキャンオフで育った学生たちは、オフロードバイクと真剣に向き合った4年間を活かしてバイク業界に就職する流れも確実にできてきている。HONDA、SUZUKI、BOSCH、TECHNIXなどなど…。何を隠そう、このダンロップエンデューロの仕掛け人でもある深澤氏や、Off1編集長の稲垣も、キャンオフOBなのだ。
10代20代が溢れかえるパドック…なかなかお目にかかれない光景
開会式、パドック、表彰式などの写真はこちらに掲載!
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
日産の「和製スーパーカー」!? 斬新「3人乗り」仕様&目がバグる「幅狭」仕様! “後輪駆動”でめちゃ楽しそうな「ブレードグライダー」とは
[N-BOX]が[スペーシア]に負けるなんて…絶対王者 N-BOXに何が起こったのか!?!?!?
日産「“ミニ”ケンメリGT-R」実車展示に大反響! “全長3m級”ボディの「斬新スポーツカー」がスゴい! 幻の「ちびメリ」とは?
5速MT搭載! 三菱が新型「軽トラック」を発表! ワイルドな「角張りボディ」採用した商用モデル「新型ミニキャブ」に反響続々!
異形の新型「“完全フルオープン“スポーツカー」初公開に反響多数!?「もはやF1マシン」「美しすぎる」 爆速2シーター「ピュアスポーツ」”地中海の宝石”に登場
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?