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ステップワゴンの復権なるか! 高評価しか聞こえてこない「新型ノア・ヴォク」に対する優位性を探った

掲載 更新 107
ステップワゴンの復権なるか! 高評価しか聞こえてこない「新型ノア・ヴォク」に対する優位性を探った

 この記事をまとめると

■今春、ホンダから6代目ステップワゴンが発売される

恐るべき弱肉強食の世界! バカ売れジャンルがゆえに厳しい競争で「消えた」ミニバンたち

■2022年1月にはライバルとなるトヨタ・ノア&ヴォクシーが発売されている

■新型ステップワゴンが成功を収める可能性について解説する

 わくわくゲートの反省を生かしたパワーテールゲートを採用

 2022年1月に、8年ぶりの4代目新型ノア&ヴォクシーが発売され、その驚愕な先進運転支援機能や装備の充実度に驚かされたものだが、その直接的ライバルとなる、今春、発売される新型ステップワゴンはどのようにノア&ヴォクシーに対抗するのだろうか?

 ここでは、ホンダファン、ステップワゴンファンの期待に、6代目となる新型ステップワゴンがどう応えてくれるのかを、現時点で分かりうる範囲で検証したい。

 と、その前に、モデル末期となった2021年1-12月の、ステップワゴンが属するMクラスボックス型ミニバンの販売台数について報告したい。全乗用車の販売台数で見ると、1位はトヨタ・ヴォクシーが全体で9位で70085台。次いでセレナが11位で58954台。ヴォクシーの兄弟車のノアが18位の44211台。そしてステップワゴンが19位の39247台となる。ステップワゴンがいかに苦戦していたかがわかるデータと言っていい。

 1996年に華々しくデビューした初代ステップワゴンは日本の多人数乗車、ファミリーカーの定番として、長きに渡って人気を得てきたのだが、2015年に登場した5代目は、画期的なわくわくゲートが大きな売りのはずだった。バックドアが縦にも横にも開き、車体後方にスペースのない場所でもバックドア側から荷物の出し入れ容易であったことに加え、バックドア側から人や犬も乗降できる超便利さがあったのである。ところが、わくわくゲートのサブドアによって、真後ろから見た時に左右非対称なデザインとなり、バックミラーに映る後方視界に縦線が入るなど、一部のユーザーからは不評。販売の勢いを失った理由のひとつとされている。

 当然、ホンダもそれを承知だから、6代目となる新型ステップワゴンでは、わくわくゲートを廃止。標準車+スパーダ改め、シンプルなエアー、おなじみのエアロ系のスパーダ、そして最上級のスパーダプレミアムラインの3グレード展開となった新型では、わくわくゲートのサブドアの便利さを、スパーダ以上のグレードに、ステップワゴンとして初装備されるパワーテールゲートによって解決。任意の位置で開閉を止められるようにしたのである。ただし、新型ノア&ヴォクシーでは、世界初の”からくり”を使ったフリーストップバックドアを、非パワー、パワーバックドアともに新採用。一歩リードされたカタチになってしまった。

 5代目ステップワゴンは、先代ノア&ヴォクシーになかった先進運転支援機能に含まれるACC(アダプティブクルーズコントロール)などを装備し、先進運転支援機能では先んじていたのだが、これまた、新型ノア&ヴォクシーではトヨタ最新のトヨタセーフティセンス、高度運転支援のトヨタチームメイト、アドバンストドライブ(自動車専用道路の同一車線における約40km/hまでのハンズオフドライブやスマホによる遠隔自動出庫などまで可能だ)まで用意したのだから、現時点で新型ステップワゴンの先進運転支援機能=ホンダセンシングの内容はわかっていないが、ここでもノア&ヴォクシーがリードする可能性はある。

 また、レクサスNXから新搭載された、トヨタ車としては新型ノア&ヴォクシーが初搭載となる、BSM(ブラインドスポットモニター)と連動して、停車時にドアを開けようとしたとき、後方から自転車やクルマが接近していると、スライドドアのオープンを停止させ、フロントドアではドアオープンを警告してくれる降車アシスト機能は、おそらく新型ステップワゴンにはないと予想できる(あったらすいません)。

 では、先代ステップワゴンユーザーが新型で満足するはずの部分はどこにあるのか。わくわくゲートのサブドアについては賛否両論あるので、筆者のように、先代のサブドアの使いやすさを気に入っていた人なら賛否が分かれる可能性はあるものの、そこは新型、しっかりと改善されている部分は少なくない。

 キャプテンシートのアレンジが進化!

 その決定的なポイントが、2列目キャプテンシートのアレンジ。先代はノア&ヴォクシー、セレナができた、左右スライドによる、キャプテンからセミベンチシートへのアレンジが、唯一できなかったのだ。子育て世代が、よりリッチな居住感覚が得られる2列目キャプテンシートを選んでしまうと、ベンチシートのほうがやりやすいおむつ替えなどで苦労することになったのである。が、新型ではついに、遅ればせながら2列目キャプテンシートに左右スライド機構を用意。2列目席キャプテンシートを選択しても、ベンチシート化できるようになった点は、使い勝手の上で大きな進化であり、ノア&ヴォクシーやセレナと変わらない実用性を身につけたことになる。

 ちなみに、2列目キャプテンシートのロングスライド機能も向上。通常位置で610mm、2座のキャプテンシートを中寄せすると865mmもの超ロングスライドが可能になる。ここでのポイントは、今あるMクラスボックス型ミニバンの中で、唯一、ステップワゴンの3列目席が床下格納式になっていること。ラゲッジルームに床下収納が付けられないデメリットがある一方、3列目席をよりスッキリ格納でき、左右跳ね上げ式のノア&ヴォクシーやセレナと違い、リヤクォーターウインドウを格納した3列目席で塞がずに済む大きなメリットがある。

 それを利用して、2列目キャプテンシートをロングスライドさせれば、贅沢かつ足もとが広大すぎる4座のボックス型リムジンに変身させられるのである。新型ノア&ヴォクシーやセレナでも同じようなシートアレンジは可能だが、格納した3列目席が視界に入るか、入らないかとスッキリ度は大違いのはずである。

 もっとも、新型ノア&ヴォクシーは、2座のキャプテンシートを中寄せスライドすることなく、折りたたみ式テーブル(S-Zグレードはカップホルダー×4、USBソケット×2を完備!!)が使える状態で、ストレート超ロングスライドを実現してしまったのだから、これまたステップワゴンがこのシートアレンジが優勢とは言いづらくなってしまったのも事実。

 筆者はすでに新型ノア&ヴォクシーのハイブリッド、ガソリン車に試乗しているが、先代ノア&ヴォクシーとステップワゴン比較では、走行性能においてはステップワゴンがややリードという印象であったものの、新型ノア&ヴォクシーはモーター、バッテリーともにパワーアップした最新の第五世代ハイブリッドシステムをトヨタ車として先行搭載。初代ノア&ヴォクシーからおよそ21年ぶりに!? 刷新されたTNGA、GA-Cプラットフォームの採用もあり、走行性能や乗り心地、静粛性がレベルアップされているのを確認済みだ。が、ミニバンでも走りにこだわりまくるホンダのことだから、先代でもクラストップレベルだった走行性能は、新型でかなりのレベルアップが期待、予想される。

 今、ミニバンの売れ行きのひとつのポイントが「顔つき」とされていたりするが、プレーンな新型ステップワゴンと、ノア&ヴォクシーともに迫力満点、ヴォクシーのギラギラ顔のどちらが受け入れられるのかは、コロナ禍で激変した社会では、まったく予想がつかない……というのも個人的な感想である。

 とはいえ、ステップワゴン復活の鍵が、デザイン性と走行性能に大きくかかわってくることは間違いなく、それは新型ステップワゴンに試乗してからでないと、わかり得ないのは当然だ。現時点において、新型ノア&ヴォクシーの、とくに先進運転支援機能と先進&便利装備を筆頭とした商品力は極めて高いと言わざるを得ないが、それに新型ステップワゴンがどう対抗していくのか。フタを開けてびっくり……そんな新型ステップワゴンの躍進、復活に大いに期待したいところだ。ノア&ヴォクシーの独り勝ちでは、つまらないではないか。

 なお、ガソリン車の2WD同士の価格は、新型ノアの実質的基本グレード、G、7人乗り、2リッターエンジン、170馬力、20.6kg-mモデルが297万円。対する新型ステップワゴンのベースグレード、エアーの7人乗り、1.5リッターターボエンジンモデルのスペックは未公表だが(現行型は150馬力、20.7kg-m)、299.86万円だ。また、ハイブリッドモデルは新型ノアのGで332万円、新型ステップワゴンはエアーで338.25万円。ステップワゴンの装備、機能がまだ判明していないため、断定的なことは言えないが、ステップワゴンのほうがやや高めの価格設定のようにも見える。

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