いよいよ、スバルの新型クロスオーバーSUV、クロストレックの公道試乗の機会が与えられた。実際にタイヤサイズが異なるリミテッド、ツーリングの試乗記をお届けする前に、改めて新型クロストレックの概要、先代XVとのパッケージング比較を報告したい。
XVからクロストレックへ
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まず、日本市場でのクロストレックは、2012年に日本市場ではスバルXVというネーミングで登場。2017年に発表された2代目もスバルXVを名乗っていた。が、北米を中心としたグローバルでは初代からクロストレックの車名であり、この3代目で始めて日本市場の車名をクロストレックに変更、統一。もちろん、プラットフォーム、パワートレーンなどは、スバルの代表車種である新型インプレッサと共通だ。
先代XV
先代XV
では、なぜベース車両とも言えるインプレッサよりクロストレックのほうが先にデビューしたのだろうか。その答えは明快。今日のクロスオーバーモデル、SUVモデルの躍進、アウトドアブームから、クロスオーバーモデルのクロストレックが優先されたと考えていい。そもそもグローバルではインプレッサよりクロストレックのほうが何倍も多く売れている人気車種というのが実情でもあるのだ。
ボディサイズは全長4480mm(先代XV比-5mm)、全幅1800mm(先代XV比±0mm)、全高1580mm(先代XV比-15~+5mm)、ホイールベース2670mm(±0mm)、最低地上高200mm(先代XV比±0mm)。エクステリアデザインはどこから見てもXVそのものであり、先代とデザイン、ボディサイズは大きく変わっていない。
駆動方式はスバル自慢のAWDに加え、先代XVの日本仕様にはなかったFFを新設定。パワーユニットは、先代XVでは1.6Lガソリンと、2Lガソリン+モーターのマイルドハイブリッドとなるe-BOXERが用意されていたが、新型クロストレックではカーボンニュートラルに向け、2L直噴水平対向エンジン+モーターのe-BOXER、145ps、19.2kg-m、WLTCモード燃費16.4km/L(FF)/15.8km/L(AWD)+マニュアルモード付リニアトロニック(CVT)のみとなっている。もちろん、悪路の脱出性を高めるスバル自慢の「Xモード」も引き続きAWDモデルに用意されている。なお、FFとAWDの重量差は50kgとなる。
グレードは上級のリミテッドとツーリングがあり、主な装備差はまずタイヤサイズで、リミテッドは開発基準の225/55R18、ツーリングは225/60R17サイズとなり、ともにオールシーズンタイヤである。
リミテッドの18インチタイヤ
ツーリングの17インチタイヤ
また、フルLEDヘッドランプ、11.6インチセンターインフォメーションディスプレー&インフォテイメントシステム、前席パワーシートなどは、リミテッドに標準、ツーリングにオプションとなる。ただし、嬉しいのはツーリングにもリミテッドの上級装備を追加できるところだ。アルミパッド付スポーツペダルとLEDリヤゲートランプの装備を除き、ツーリングでもリミテッド同様の仕様に仕立てることが可能という意味である。
そしてSUVパッケージングも先代と同様で、前席ショルダールーム-2mm、前後席カップルディスタンス±0mm、前席ヘッドルーム±0mm、後席ヘッドルーム-11mm、前後席タンデムディスタンス±0mm、後席レッグルーム±0mm。ちなみに後席座面長も±0mmの506.2mmとなっている。※新型インプレッサと同じ。
一方、基本的に広さとしてはインプレッサと変わらないラゲッジルームは容量315L(先代XV比-25L)、開口部地上高±0mmの760mm、フロア長±0mmの814mm、フロア幅±0mmの1090mm(ホイールアーチ間/最小幅)、天井高-14mmの708mm、後席格納時の最大荷室長-38mmの1591mmとなっている。数値的には部分的に先代より狭くなっているが、それは主にエクステリアデザインによるもので、スバルによれば先代同等の使い勝手を備えているとのこと。そもそも新型クロストレックでも9.5インチのゴルフバッグ3セット、82Lの大型スーツケース3個、ベビーカーやドッグカートなどが横積みできるのだから、各部の数値はともかく、アウトドアグッズの積載を含め、”使える”ラゲッジルームであることは間違いないところだ。
ユーティリティの配慮は、さすがスバル
クロストレックはインプレッサと違い、ル―フレールが備わり、ルーフボックスなどを装備できるのだが、リヤドアを開けた際、後席とサイドシルの間にサイドシルプレートがあり、そこに足をかけてルーフにアクセスしやすくなるなど、そうしたユーティリティの配慮は、さすがスバルと言っていい。
バックドアを開けてみて、おや?っと思ったのが、ラゲッジフロアと開口部の段差。ここが小さい、あるいはレヴォーグやアウトバックのように、段差がないと、重い荷物を出し入れする際に、開口部部分の持ち上げ操作が不要になり、よりスムーズに荷物の出し入れができ、荷物、開口部のキズ付きを防げるという絶大なるメリットがもたらされるのである。先代XVも確かに段差はあったのだが、フロアボード後端左右のベルトを開口部部分の凸に引っ掛けることで、ラケッジルームの開口部段差をほぼなくすことができたのである。
先代XVのラゲッジ開口部段差
先代XVはベルトで開口部段差を解消できた
が、新型クロストレックには、フロアボード後端左右のベルトと開口部部分の凸が見当たらない。もしや、フロアボードと開口部のフラット化をやめたのかっ!!とガッカリしたのだが、実は、純正アクセサリーの「トノカバー」を注文し、フロアボードの下にすっきり収めると、なんとフロアボードと開口部の段差がなくなる仕掛けに変更していたのだ。その分、「トノカバー」のアクセサリー代金は必要になるものの、レヴォーグのようなラゲッジルームの使い勝手を望むのであれば、フロアボードの下のかさ上げアイテムは不可欠。もっとも、ここだけの話、トノカバーと同じようなものをしのばせればOKでもあったりする・・・。
クロストレックの開口部段差
トノカバーで段差を解消できる
そのほかの新型クロストレックのハイライトとしては、感動もののかけ心地を示してくれた新設計フロントシート、レヴォーグにも使われている定評あるデュアルピニオン式パワーステアリング、単眼カメラを追加した最新のアイサイトの採用、ボディ剛性、エンジンのねじり剛性、サスペンション取り付け部剛性の強化、徹底した静粛性対策などが挙げられる。そのあたりが功を奏す走行インプレッションについては、このあと改めて報告したい。
いずれにしても、見た目は先代XVと大きく変わらない新型クロストレックだが、中身、走りの進化の目覚ましさはハンパじゃないといって間違いない。この時代の安心安全なアウトドアライフでのドライブにもぴったりではないか。なお、価格はツーリングのFF、266.2万円からリミテッドのAWD、328.9万円となる。
スバル・クロストレック
文/青山尚暉
写真/スバル・青山尚暉
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